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過去23 黄瀬視点
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夜遅くに黒子っちから珍しく電話があった。
考えてみたらおかしいのだ。
本来はもう寝てる時間。
そんな時間に、黒子っちが非常識にも電話をかけてくるはずがないのだ。
けど、俺は嬉しくてすぐに出た。
すると知らない男の声が聞こえた。
そいつは黒子っちを預かったと言った。
そして、ある場所を指定してきた。
電話はすぐに切れ、そのあと何度かけても、電話は繋がらなかった。
「くそっ……!」
電話を投げつけたい衝動に駆られたが、いまはそれよりも、黒子っちを助けなければ。
俺は急いで家を出る。
いまの時間、電車はない。
自転車で行こうと跨っていまにも漕ぎだそうというとき、声が邪魔をした。
「おーっと、どこ行く気? 下手に動かれると、守ってる俺らのことも考えてよね」
「おいバースデイ。仮にも依頼人だぞ」
「だぁってぇ」
金髪サングラスと、白衣の眼帯がいた。
確か、ナイスさんとムラサキさんの同僚。
この人たちに相談するべきか?
けど、言ったら黒子っちになにかあるかも。
よくドラマとかでもあるし。
だったら、なにも言わない方がいい。
「ちょっとコンビニ行くだけっスよ。別についてこなくてもいいっスよ」
「いやいやいや」
「んじゃ」
返事を待ってらんなくて、俺はペダルを漕ぎ始めた。
「あ、ちょっ……」
後ろの声に振り返らず、急ぐ。
黒子っち。待ってて。黒子っち。
俺が巻き込んだ。
俺が黒子っちに危険な目に遭わせてる。
ごめんね。
ごめんね。
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