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ごめんね
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はっと我に返ると、あおくんは無表情で静かに僕を見ていた。
僕は、死んでしまう事は怖くない。
長くはないって、お医者さんも言ってたから。
あんな事がしてみたかった。
こんな事をしてみたかった。
ただただ出来もしない事が浮かんでは消えて。
その度に僕は、病気な事が嫌になった。
でも、神様は僕にお友達をくれた。
死んでしまう僕に、一欠片の優しさなのか。
死んでしまう前に、やりたい事をやらせてくれる。
今の僕は幸せで。
次の僕はこの幸せだった事も全部、忘れてしまう。
「あおくんはずーっと、いきてるんだよね。ぼくらはずっといきられないから、いましたいことをするの」
後悔や、未練。
ないと言えば嘘になる。もっと沢山、生きたい。
でもそう言うともっとあおくんが困っちゃうから。
青白い頬を、手の平で撫でた。
「こまらせちゃって、ごめんなさい」
その頬は、とても冷たかった。
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