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第二話 エルフ族
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時間の感覚がおかしくなっていたが、どうやらレイティと会ってからまだ1日も経っていなかった様だ。
レイティの部屋の窓から見える空は、茜色から紫色に変わりつつあり、星々が白く輝きだしていた。
今夜俺は客人として王に謁見する事となった。何故夜なのかと聞いた所、陽があるうちは皆仕事をしているからだそうだ。確かにここへ着いた時、レイティに声をかけてきたエルフ達も、皆何かしら手に持って忙しなく動き回っていた。謁見の間は下の広場だそうだから、あんなざわざわした空気の中じゃあ静かに話しができなさそうだ。
王に会うから軽く身形を整えていると、窓の外はあっという間に暗くなっていった。
レイティに伴われ王の住む樹の根元にある謁見の広場へと降りていく。
辺りは午前中に見た光景と違い、月光と白樹の発する淡い光で幻想的な風景が広がっていた。
広場にはエルフ達が集まり、囁くような話し声がまるで木々のざわめきの様に聞こえる。
俺達はエルフ達が開けた道を通り、王の居る大樹の根元へとゆっくり歩いていった。
・・・
王の住む巨大な白樹から明るい柔らかな光が降り注ぎ、その根に佇むエルフの王は神々しいまでに美しかった。白く癖のない真っ直ぐな髪は、足元を過ぎて白樹の根にまでかかっていた。躯は丈が長い一枚の布で覆われていたが、これも白樹の発する光に躯が透けて見え殆ど服の意味をなしていなかった。そして、切れ長のグレーの瞳や薄い唇、細い顔は、レイティの親とは思えないくらい冷たい印象を受けた。
いや、レイティの親にしては若すぎる様な気がするが、エルフというものは長寿だと聞くからそういうものなのかもしれない。
「ようこそ、旅の方。うちの者を助けて頂いたそうで、感謝する」
小さく口を動かしただけだというのに、王の声は凛と広場に響いた。涼やかな風の様に気持ちの良いテノールに聞き惚れていると、別の声がそれに続いた。
「エルフ一同歓迎致します」
柔らかく甘やかな声の主を見れば、王より少し低い根に佇んでいるエルフが一人いた。優しそうな柔らかな表情をたたえているそのエルフもまた美しく、レイティの様に少し癖のある亜麻色の髪を長く太腿まで伸ばしており、やはり薄く長い一枚布を肩口で縛りドレスの様に身にまとっていた。
「どうぞ、今宵はゆっくりとお休みなさい」
ふんわりととろけるような蜂蜜色の瞳を向けて微笑まれドキッとした。
最後の一言が合図の様に、王が踵を返して後ろにあった鳥籠形のエレベーターに向かう。その後をあの優しそうなエルフがついて行った。周りのエルフ達もばらばらと散っていく。
するとレイティに手を引かれた。
「ショウ、行こう」
だがレイティが引く方向は王様の住む白樹の方だ。話が見えないまま手を繋いで走りながら、鳥籠に乗り込もうとしていた王様をレイティが呼び止める。
「王っ、宰相っ」
呼び止められた二人が振り返った。…あのエルフは宰相だったのか。そうこう考えている間に二人に追いつく。
「ショウについてお話ししたい事があるので、お時間宜しいですか」
レイティが丁寧に二人に接するのを見ると、まるで親子に見えない。二人は俺を見たまま頷き、宰相殿が鳥籠の扉を開けて招いた。
「良いでしょう。さぁお乗りなさい」
俺達は鳥籠に乗り込んだ。扉が閉まってからカラカラと鳥籠が上がり始める。広場にはすでにエルフ達は一人も居なかった。
◇◆◇
俺は勘違いしていたが、エルフの家は白樹全体の事を指すらしい。レイティに待っていろと言われたあの部屋はレイティの寝室で、仕事部屋などはまた同じ樹の別の枝にあるらしかった。客用の寝室や居間はエルフの森を訪れる人間が稀であるため一般には無いし、主に果実など生の物を主食とするエルフ達が温かい料理を作る際は皆で広場に集まって一斉に料理をしてそれを分け与えて食べるため、各家庭にキッチンは備え付ける必要が無いという。 という事でレイティは本来、客人の俺を一旦自分の家で待たせ、説明をしてから別の樹の空いている部屋に案内しようとしていたらしい。…結局はずっとレイティの寝室で過ごしてしまったが…。
王の住居もやはり各部屋が別々の枝にある様で、俺達がエレベーターで着いた先は執務室だった。
「話しとはなんだ」
部屋の奥に備え付けられた大きな机につき、王が短く促した。レイティは俺の手を取り一歩前へ出て言った。
「ショウは白樹の使者かもしれません」
え?何それ。いきなりのレイティの言葉に驚いた。多分この中で俺が一番驚いている。自信がある。
とはいっても王様と宰相殿にとっても豆鉄砲クラスのサプライズだったらしく、二人揃って怪訝な顔を見合わせている。ってか前置きも無しだしなにより当人の俺に一言も無しにいきなりはそりゃ俺驚くわ。
「…一体、何を根拠にそう思うのです?レイティ」
宰相殿がその甘やかな声で諭す様に優しく言う。たまらない。…じゃなくて全くその通りだ。白樹と言ったら一番最初にレイティが嵌ってたあの樹やエルフの住居になってるこの樹の事じゃないか。俺と何の…まさか。
「今、証拠を見せます」
レイティは俺を上目使いで見上げながら少し頬を染めて小さく囁いた。
「ショウ、すまない…」
ま、まさかの親に公開プレイ?!いやいやいや待てレイティっ君にセックスの知識は無くても親御さんにはあるから俺が白い樹液出すからって白樹の使者とかじゃないからっ!!そんな可愛く言われても駄目に決まって――!!
「んんっ…しょうのみるく、ちょうだい?」
レイティ?!?!何その素早さっ俺がちょっと呆然としてる間に何その躊躇いの無さっ!!
「んっ…ちゅっんむ…っぁんっ」
…こ、殺される…レイティの親に殺される…っ。この妙な空間で硬直した自分の首をギギギッと動かして恐る恐る二人の様子を伺う。嫌な汗をもろに吹き出しながらもレイティの愛撫に反応している己を俺は殺したくなった。美しい二人が驚愕の表情で固まっている。嗚呼、俺、死んだ。…しかし妙なもので、どっかで人は死に直面すると精欲が沸くとか聞いた気がしたが、そのせいか三人の綺麗所に晒された俺は一気に元気になり、勢い良くレイティの顔に射精をしてしまっていた。嗚呼、俺、死んだわマジで。
「ァッ…みるく、っん、ちゅぅ…みるく、もっとぉ…ちゅっんん…」
スイッチが入った様に俺のみるくを求め始めたレイティは再び俺のイチモツを愛撫しはじめる。
「…これは」
「!!!」
思いのほか近くで発せられたテノールにビビッた。レイティの父親がすぐ側まで来ていたのだ。…俺、し――
「ぇ"っ?!」
「…確かに、白樹の樹液だ、それも――」
信じられない光景が目の前で起きていた。俺のイチモツを必死でしゃぶるレイティの側でその美しい父親が俺の精液を指で掬って舐めたのだ。
「かなり濃い。レイティが我を失うほど刺激の強い樹液だ」
「…こんな…匂いを嗅ぐだけでも…こんなに躯が、熱くなるだなんて…っ」
仕舞いには宰相殿も側まで来て、うっとりとした表情でレイティと一緒になって俺のイチモツを両手で擦り、先走り出た精液に吸い寄せられるように小さく舌を出して下から上へ舐めはじめた。
「…ァンッ…はぁ…濃いみるく…こんなに濃厚なみるく…はじめて…んっいけないっ…からだがあつぃっ」
俺のイチモツを滑らかな両手の指で擦り舌先でチロチロと先端を舐めながら、宰相殿は躯をうっすらと桃色に染めて己の熱を持て余していた。熱く甘い甘い息が俺のイチモツに当たる。もう我慢の限界だった。
「くっ」
「ァッ」
「んっ!!」
予告なく出された精液は、奉仕していた二人にもろにかかってしまった。
「しょうの、みるく…んっ」
「ンッ…ふふっ」
しかしレイティは宰相殿の顔にかかった精液を舐めとり、宰相殿はくすぐったそうにしながらも同じようにレイティの顔にかかった精液を舐めはじめた。
「レイティ、レイリウス、此方にもまだついている」
驚いた。なんと王様まで入ってきて二人の顔に残る精液を舐めとったのだから。しかも、今度は三人で俺のイチモツについていた精液を舐めはじめる。
…ちょっと待ってくれ。一体どうなっているんだこれは。
「ん…レイリウス…」
「ふ、んァッ…ラス、ティ…」
舐めとりながら、王様と宰相殿は互いの舌についた精液を求めて深く口付けをはじめた。二人の美人が絡み合うのは見ていてとてつもなく官能的で、また己がむくむく育ちそうになる。しかし、二人はすぐに離れると、王様が手早くレイティを俺のイチモツから引き剥がした。
「ショウ様、今のうちにそれをお仕舞い下さい」
俺から離れた宰相殿は、とろけた蜂蜜色の瞳で俺のイチモツを見ながら、甘やかな声で言う。その言葉に従って急いで己をズボンの中に押し込んだ。
…とりあえず、レイティにみるくは厳禁だと学習しました。
◇◆◇
やはりエルフ族には性別が無いらしい。
落ち着いてから王様に聞いた話しをまとめるとこうだ。エルフ達には退化した様に小さなペニスがついていたのは見たが、それは生殖機能を持たないただ排泄する為だけのものらしい。じゃあどうやって子を残すかというと、母なる樹が産み落とすという。愛し合う二人が深く心を繋げれば、母なる樹が子を宿す。自分達の子の見分け方は、各家の紋章の役割をしている草花の形をした痣が必ず子の躯のどこかにあるから、それを見て判断する。と、こういう話しだ。
道理で皆胸もなければ中性的な人が多いし、レイティ達もセックスやペニスや精液を知らないわけだ。
そして、我に返ったレイティから、王様と宰相殿が自分の両親だと紹介された。まぁ性別が無いわけだから、どっちが母親だとか父親だとかないが、第一印象的に王様のラスティが父親で、宰相殿のレイリウスが母親のイメージになっている。
「そなたが白樹の使者だという事は間違い無さそうだな」
「いや、俺は…」
「わたくしは今まで、ショウ様の持つ…その…」
「おちんちんというそうです宰相」
「レイティ?!」
「そうですか。その様に立派な、おちんちんというものを見たことが御座いません」
まさかノリでレイティに教えたやらしい言葉を宰相殿がその甘やかな声で言うとは思わなくて色々な意味でドキドキしてしまった。
「…いや、我はそれとよく似たものを見たことがある」
「!それは、何だったのですか?」
王様が昔の記憶を手繰り寄せているように慎重に言った言葉に、レイティは反応した。
「確か…数十年前だったか、白樹の根元にそれとそっくりなものが生えていたのだ。大変珍しく見たこともないキノコだったが、記録帳を引き出すとそのキノコの事が載っていた。書斎に行けばわかるだろうが、今日の所は休め。明日また来ると良い」
「そうですね。もう夜も遅いですから。明日は自由に書斎を使えるように、籠を下ろしておきますね。夜になったら、またここへいらっしい」
「…はい」
「ではまた明日伺います」
レイティは珍しいキノコの事が気になって仕方無い様子で渋々返事をする。代わりに俺は丁寧に宰相殿に返事をして、レイティを促し帰る体勢をとった。
「二人とも、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
柔らかな笑顔に見送られて俺達は鳥籠に乗り下へ降りる。カラカラと音を鳴らし上へ戻っていく鳥籠を見送ってから、レイティは用意してあった部屋へ俺を案内し、「ではまた明日」と言って行ってしまった。
「あ"~~…」
ベッドにダイブして天井を仰ぐ。今日は色々衝撃的な事がありすぎた。最後の方なんてもう俺殆ど口きいてない状態だし。
……ああ、疲れた…。
俺はもう何日も寝ていなかったかの様に、本当に穴の底へ落下する様に深い深い眠りに落ちていった。
つづく
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