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⑥
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あー意味わかんねぇ…ほんと意味わかんねぇ…
こんな気分じゃゲームなんて出来ねーし!!
最魔さんのゲームは明日にでもやって感想送ろ…
頭を掻きながら階段を降りていると媛が階段の下で何かをしていた。
降りながら見ていると何やら計算ドリルのようなものだった。
「あ、晃兄!あのさ…暇だったら勉強教えて…」
俺と目を合わせずに、もじもじしながら言ってきた。
ていうか和威に教えてもらうんじゃなかったのか?
「……和威は?」
「和兄は…図書館に行っちゃった。」
「……分かった良いよ。その代わり晩御飯の買い物付いてこいよ?」
「うん!ありがとう!!」
こう見えても俺は優しいんだよっ!!!!
「ここはぁ、縦×横で面積が出るの分かった?」
「うん…面積は出来るけど体積難しい…」
今、面積と体積の問題をやってるのだけど結構覚えてるもんだなぁ…
「台形の問題間違えたぁ…」
「えっと…台形はまず、(上底+下底)をやってから、縦×横×高さ、なんだよ。お前、(上底+下底)やってねーじゃん。」
「あ、本当だ。んんんん…」
媛も可愛いもんだな。
それにしても、5年生で体積なんてやるっけ?
そう思いながら媛のドリルを眺めていると媛は俺の方を見ると溜息を着いた。
「…何だよ。そんなに俺に教わるのが嫌かよ。」
人の顔を見て溜息着くとは何事か!
「違うよ…和兄の事だよ…僕何か、やらかしちゃったのかなぁ…嫌われちゃったのかなぁ…」
媛は涙目を服の袖で拭い下を向いてしまった。
「いや…嫌われてるのは俺だ…」
きっと和威もこんな双子の兄がいるのが嫌になったのだろう。
だから弟の媛に八つ当たりしてしまったのだろう。
机に肘をつき手に顎を載せ自分も溜息を着いた。
「あ、晃兄、そろそろ買い物行った方が良くない?」
時計を見ると、さっきまで4時だったのに6時になっていた。
この時間帯は人が多いけれど今日は冷蔵庫は空っぽ。
やはり行くしかない、か…
俺は覚悟を決め学校用のカバンから財布を持って玄関を出た。
ついでに媛は荷物持ち。
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