アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
美しく残酷で儚き病 2 Byレトアブ
-
前回の続きです。
まだR18ではありません。
焦れったい!!!!!ってなっても文句は受けつけません。
カウントダウンが始まります。何のカウントダウンかはまあ後ほど分かります。この話の中でもう分かります。乞うご期待。
なんか無駄に堅くしてるけどガリソンは元気やで。
それではどうぞ。
───────────────────────
~あと1週間~
Ab side
ア「ゲホッゲホッ!!!!!」
なんだこれ、苦しい
朝起きた途端に襲われた
止まらない咳
ア「ゔッ、はぁッ、はぁッ…ッゲッホゲホッ!!!!」
止まんない、やっばい
自然と目に涙が浮かぶ
喉からは不自然なヒューヒューという音
…そうだ、昨日
泣いてあのまま寝たから
薬を飲み忘れて…ッ
花咲病が発病した人の免疫力は一気に低下する
持病の発作が出てきてしまったり
変に咳が出てしまったり
簡単に熱が出てしまったりするので
もちろん体力も一気に減る
それを抑えるための薬を
俺は昨日飲まずに寝てしまった
ア「ッくす、りッ、ゲホッ」
ダメだ、苦しくて動けない
誰か…誰か…!!
『アブさん!!!!!』
ア「ッへ…?」
聞き慣れた声が
俺が1番好きな声が聞こえる
ア「レトッ、や…ッゲホッゲホッ!!!!!」
レ「薬!!持ってきますから飲んでください!!」
ア「ご、めッ、ゔ…ッ」
レ「ほら、薬!!!!!」
ア「ありがッ、ゲッホゲホ!!」
レ「コップ、持てますか?」
ア「ちょっ、待っ、ゲホッゲホッ!!!!!」
レ「…あーもう!!アブさん!!」
ア「ッはい!?!?!?」
レ「いいですか、すぐ忘れるんですよ!?!?!?」
ア「へッぅ゙、ゲホッ…何、が…?」
レ「ッん…!!」
ア「は、む…ッ」
…あ…唇柔らか…い…
…あれ、ちょっと待って
は?
え、何これ
どんなラブコメ展開?
…嘘だろ
これ
口、移し
ア「〜〜〜〜!?!?!?」
気付いた瞬間に顔に熱が集まっていく
目に涙が溜まっていく
やめてよ
勘違いするじゃん
薬を飲み込まないといけないのは分かってる
けど…
…飲み込みたくない…
まだ…終わらせたくない…
…こんな状況で
何を思ってるんだろう
まだこの状態でいたいのに
息が苦しい
涙が溢れそうになる
…もう…いい加減、飲み込まなきゃ…
ア「…ッ」
コキュン
ア「ッはぁ…ッはぁ…ッ」
…あぁ…離れちゃった
レ「ッごめんなさいアブさん!!!!!これは、そ、の…」
ア「…ん…?」
レ「…ッ」
俺が顔を上げた瞬間
レトやんは口を噤む
…気持ち悪いよな、普通
薬を飲ませてくれようとした
医療行為の口移しだけで
顔赤くして涙目の男がいたら
俺だってドン引く
ア「…」
レ「すみません、アブさん」
グイッ
ア「ッは!?」
レ「もう、我慢出来ないです」
…やっちゃった…
えこれからどうすればいいのこれえええええええ
薬と水を口に含んで
アブさんとち、ちち、ちゅーして
そこから、飲み飲ませるためには、
どうしたらいいんでしょうかああああああ
し、舌、舌を入れるのはちゃうやん!?!?!?
もうアブさんに頑張ってもらうしかないやん!?!?!?
でもアブさん飲み込んでくれないやん!?!?!?
どうしたらええの!?!?!?え!?!?!?
どうしたらええの!?!?!?!?!?!?
コキュン
あ
ア「ッはぁ…ッはぁ…ッ」
飲んでくれた
よかったああああああああああ
…って喜んでる場合じゃねぇ!!!!!
レ「ッごめんなさいアブさん!!!!!これは、そ、の…」
ア「…ん…?」
ッわ…
レ「…ッ」
なんだ、それ
どうして
好きな人じゃない俺にされても
そんなに顔を赤くさせるんですか
…ただの医療行為で
終わらせようと思ったのに…
ア「…」
もう、無理だよ…
レ「すみません、アブさん」
グイッ
ア「ッは!?」
レ「もう、我慢出来ないです」
俺は自分の元に寄せたアブさんを抱き締めて
離れられないようにさせて
また
口を塞いだ
ア「ッん、ぅ…ッ!?!?!?」
どうして
俺じゃないの
どうして俺を選んでくれないの
アブさんなら死ぬより生きる事を選ぶでしょ
俺にすれば
また一緒に実況出来るよ
レ「ッは…」
ア「はあッ、はあッ、何、で、待っ、ッん!!」
考えれば考えるほどイラつく
誰なん?アブさんの好きな人
TAKOSの誰か?
それともうっしーとか?
キヨくんとか?
その人がいなくなればアブさんは俺を見てくれる?
その人がいなくなればもう花は咲かなくなる?
それとも変わらないん?
どうしてそんな手遅れの状態にさせたん?
俺だったら
ちゃんと幸せにするのに
花なんか咲かせへんのに
どうして…どうして…!!
レ「ッはぁ…ッ」
ア「ッぷはっ、ね、もうッ、やらぁ…!!」
嫌だ?
レ「好きでもない奴にあっさりキス許して何が嫌なんですか?」
ア「…ッへ」
レ「なんです?もう花咲かせたらどうでもいいんですか?」
ア「違っ」
レ「だったら…!!!!!」
ア「…え…」
レ「ッなんで…俺にしてくれないんですか…!!!!!」
ア「…レト、やん?」
…情けない
無理矢理自分でキスしたくせに
好きな人に当たって、おまけに泣いて
…もう俺が勝てるわけない
レ「…すみませんでした、もう俺帰ります」
ア「ッは!?ちょっと待って!!!!!」
レ「花は他の誰かに抜いてもらってください、アブさんなら大丈夫です」
ア「誰かっ、て誰だよ!!!!!」
レ「知りませんよ」
ア「…ッ」
レ「それはアブさんが探さなきゃいけない人やないですか、俺がやる意味無いやん…もう俺はアブさんに近付けないから…」
ア「ッやだ、レトやん!!!!!」
レ「今まで…ありがとうございました…」
…これで…
良いんよ…
レ「大好きでしたよ、アブさん」
ア「…!!!!!…なん、で、行かないで!!レトやん!!!!!」
バタン
…これで…
良かったんだって…
もうアブさんに触れる価値ない虫けらが
想いを伝えられたんやから
…これで良かったんよ…
…良かったんだよ…ッ!!
レ「…ッふ…ッう…!!」
馬鹿だなぁ…ッ
これじゃあ…
勝手に…突き放しただけじゃん…
…あの時
どう言えば正解だったんだろう
『俺も好きだよ』って
無駄なプライド捨てて言えれば
なんとかなってたのかな
…この意気地無し
大っ嫌いだ、自分なんて
…このまま花を咲かせて
誰にも知られないで死んでいけばいい
『アブさん』
ア「…ッ」
ああほら
また泣く
…大体アイツもアイツだよ
こっちの意見なんか聞かないで
勝手に突き放して
…他の誰かなんて
いるわけないのに…!!
…死を迎えたら
こんな風に悩む事も
泣く事も
誰かを好きになる事も
全部全部出来なくなってしまう
死んだとしても生まれ変われる世界だとしよう
生まれ変わって何になる
また人間に生まれたって
犬に生まれたって
猫に生まれたって
鳥
魚
植物
何に生まれたって
この時の記憶はない
その世界に
レトやんが好きだった俺はいない
今まで大事に守ってきたこの想いは
そこにはない
…嫌だ…嫌だよレトやん…!!!!!
まだレトやんに伝えられてない…!!
好きだって言えてない…!!
ア「死にたくないよ…ッ!!」
あと6日
花が完全に寄生するまで
あと6日
1つの儚い命が『散る』日まで
あと
6日
Episode2 end
NEXT→Episode3
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 46