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始まり9
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先ほどの勢いはどこへ行ったのやら、急に大人しくなる変態谷中君に僕は唖然とした。
「俺、可愛いの見たら押え効かなくなるんだ。特に猫。係長なんてツボなんだ。あと・・・・源道、猫っぽいからかな?すんげー可愛いく見えて、つい・・・・ごめんな?」
身体が大きい変態谷中君がしょんぼりしている姿がおかしくて、僕は笑いながら「いいよ」と告げた。
たったそれだけなのに谷中君の表情に色を灯した。優しくて誰かを元気にしてくれるような笑顔。
僕はいいなと、少しだけ羨ましく思えた。
※
まだ空の陽が高いとき、僕と谷中君は一緒に帰りながら猫の話をした。僕も猫が好きで、特にブチ尾・・・・どこかの飼い猫だとは思っていたが、まさか谷中君の家の子だったとは。
係長のことを話していると楽しくて僕は自然と話ができて笑い合うことができた。少しだけ怖さが残る谷中君だけど、この後も仲良くできればなと、初めて思えた。この時間がずっと続けばいいのにと思っていたけど、そんなことがこの世の中で叶うことなんてない。
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