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一人でいいなんて嘘。
前髪を長く伸ばし、人との間に壁を隔てて接触を避けた。
でも、その壁という名の前髪の隙間から見ていたのは、楽しそうに会話するクラスメイト達。
僕も輪に入りたかった。
『友達』が欲しかった。
でも・・・・もう無理だ。谷中君には「もう連絡しないで」「かまわないで」と強く言ってしまった。
きっと明日から一人になってしまう。
一人での登校、一人で食べるお昼ご飯、一人で迎える放課後・・・・考えれば考えるほど、涙は止まってはくれない。
『そんなに嫌なら言わなければよかったのに』
うるさい
『また同じようなことをすれば、きっと彼は許してくれるよ』
黙れ
『ほら、すぐ連絡できるものがあるじゃないか。何がそんなに気に食わない。誰とでもああいうことしてる谷中君?今日知り合った九重さん?彼女とても可愛かったね。きっと、谷中君は彼女とも楽しんだに・・・』
「うるさいっっ!!!」
ガンッ!!
壁に思い切り携帯を投げつけてしまった僕は布団の奥深くに潜り、ぎゅっと目をつむる。
「うぅ・・・・」
何も考えたくない。
僕は深い闇へと落ちていく。
このまま目が覚めなければいいのに・・・・
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