アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3−10
-
「・・・・い、嫌じゃ、ない・・・・か、代わりが・・・・・・いやだ」
「郁」
目の前が急に暗くなったと思えば身体全身を包む人の体温。
谷中君は僕を強く抱きしめていた。
「はぁぁぁぁぁぁ~ツンデレ猫かよ~、めちゃくちゃ可愛い!!ここに猫耳ないのが残念!!」
「く、くるし・・・・」
抱きしめることを止めない安定の谷中君。
僕は友達を無くさずにすんだ。が、
「ねぇ郁!キスはしていいの?実はこの部屋、郁の匂いが濃すぎてさ~」
「へっ!?」
「だって、嫌じゃないんでしょ?ならいいよね?嫌なら俺を突き飛ばしてよ」
「ぅんっ・・・・」
いつの間にか壁の隅に追いやられていた僕は逃げるタイミングを失う。
そして谷中君からの接吻を受け止める。
柔らかくて暖かい唇。
噛まずにはいられない。
猫で言えば、これは甘噛みにあたる行為。僕は人ながらも猫へと化ける。でも限界はあるものだった。
「ん・・・・も、だ、ダメ!ちゅうはこれでお、終わりっ!!」
「ちゅうって・・・・ははは、郁可愛すぎっ!!」
谷中君はご機嫌、僕もホッとして安心した。
まだ少し怖さは残るが、皆が知らない谷中君を今の僕は独り占めできることに、少しの優越感を感じてしまう。
今まで味わうことのなかった気持ち。
素直に嬉しかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 322