アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
4−17
-
それに僕は男だ。男が男を好きになるなんて、
「お、おかしい・・・・でしょ?僕は谷中君が初めての友達、です。ぼ、僕と谷中君は違い過ぎて確かに独り占めしたくなるけど、だからってそんな、す、好きだなんて・・・・九重さん、どうしてそんなこというんですか?」
僕は九重さんを睨んだ。
そして目の前が歪んだ。
僕は知らずに涙を流していた。
一緒に居れるだけでよかったにの、こんな気持ちに気がつきたくなかった。
本当は分かってたんだ。
普通男同士でキスはしない。
九重さんに確認を取るまででもなかった。
谷中君は僕を猫だと、可愛さ余っての行動。
でも僕は?
初めての友達に、初めて友達と過ごす放課後、初めて行く友達の家、大好きな猫の話に、初めてのキス・・・・
好きになるに決まってる。相手が男でもときめかないわけない。
僕は好きになってはいけない人を好きになってしまっていた。
「郁君、私はおかしいとは思わないよ。むしろ応援してる。だって隆があんなに楽しそうに笑ってるの、久しぶりにみたもん」
涙を流す僕にハンカチを手渡す九重さん。
僕は力なく受け取り涙を拭う。それでもあふれ出る涙に僕は自分自身を嫌悪した。
気持ち悪いと、僕の中で僕が僕に罵倒する。
九重さんが「応援する」と言ってくれているけど、応援なんてしてほしくない。むしろ「気持ち悪い」と言われる方がまだマシだと思えた。
「九重さん・・・・違うよ。谷中君は、猫耳をつけた僕に喜びを感じていたんだ。僕自身じゃ、ない。それに・・・・僕は今の関係を、崩してまで付き合いたいとは思わない・・・・この先を望んでもいない」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
58 / 322