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「郁は浴衣持ってる?」
お昼休み、屋上は熱くなってきたからエアコンの効いてる図書準備室で僕と谷中君と九重さんと宮地さんの4人で昼食を食べていた。
ふいに谷中君から聞いてきた問いに僕は食べていたおかずを咽に詰まらせむせた。そんな僕を見て宮地さんはすぐに飲み物を手渡してくれた。
「あ~あ、いきなり話題変えて話しかけるから源道君ビックリしちゃってるじゃない。大丈夫?」
「げほっ、こほっ・・・・だ、大丈夫・・・・宮地さん、あ、ありがとう」
「いいえ、源道君無理はしないように・・・・」
僕に質問を問いかけてきた当の本人はむせる僕を見て心配の声もかけずただじっと見ているだけだった。
猫が死んだら飛びついてくるだろうが、咽に何か詰まらせたくらいでは動じてはくれない。
「んん・・・・えっと、浴衣?だよね。僕持ってないかな」
「え?なになに?二人もお祭りに行くの?」
浴衣に食いついてきた九重さん。すごく笑顔ではしゃいでる九重さんとは対照的に宮地さんは落ち着いていた。
この二人が付き合ってるとは誰も思わないだろう。
対照的な二人。
丸眼鏡におさげという古風なスタイルの宮地さんは手作り弁当を黙々と食べていた。
「行くよ。和泉、邪魔しないでよ」
笑顔だけど、目は全然笑っていない。
僕は黙ってご飯を食べていると正面に座る宮地さんから突き刺さる様な視線が気になり顔を上げた。
「あ、あの・・・・何か?」
「ごめんなさい、少し気になったことがあって、聞いても・・・・いいのかしら・・・・」
無表情で僕を見る宮地さん、その迫力に負け僕は頭を縦に何回もふった。
「源道さんと谷中さんはお付き合いしてるんですよね?」
ぶっ!!
「げほっ!げほっ!・・・・」
僕は盛大にむせた。
真顔で何を聞いてくるのかと思いきや、それは僕の欲望であり叶うはずもない願望。
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