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□“How to play…”/あとがき
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□
あれからアッと言う間に昼休みになり…
気が付くと芹沢と久遠が揃っていなくなっていた。
「…パンでも買いに行ったのか?」
立ち上がってその足で購買部前に向かう。
ザワザワしている廊下を抜けてヒンヤリする階段を降りて行くと階下からは独特のざわつきが聞こえてきた。
そこを降りきった先にはパン売り場の文字通りの黒山の人だかり。
パン購入の戦場を横目にみながら進むと…その奥の購買部のガラス戸がガラリと開き。
「芹沢?」
中から飛び出してきたのは真っ赤な顔を俯かせてダッシュで走り去る芹沢。
あまりにもらしからぬなその姿にビシビシと嫌な予感を感じた俺はすぐさまその後を追った。
なんで購買部から?
パンを買いに行ったんじゃなかったのか?
まさか…
拓真に…なにかされたのか!?
「芹沢!」
細い手首をやっとの思いで掴まえるとその場に止まった芹沢が…
身体を震わせゆっくりと顔を上げた。
「…あ…大葉…」
その表情はいつもの嬉しい顔じゃなく困ったようなそんな顔をしていて。
「何かあったのか?」
そう問う俺から視線を逸らしながら芹沢は。
「なにかって……なんで…?」
言いながら顔を俯かせた。
「今お前、購買から出て来ただろう?」
掴んだ手がビクッと震える。
「……見てたの?」
「たまたま、な。」
…沈黙。
目を合わせても答えてもくれない芹沢の顔を俯いているその下から見上げる。
「拓真になにかされたのか?」
「は?」
問うた俺に真ん丸な目を向けてから芹沢は恥ずかしそうに笑った。
「なんでそうなるの!?」
「……違うのか?」
「俺はなにもされてないよ?あ…お兄さん、今頃は久遠とシてるかもだけどね!」
そう言って笑う姿をみながら俺は…心配して損したか、と少々憮然。
「もしかして大葉、ちょっとはヤキモチ焼いてくれたの?」
「……当たり前だろう。」
芹沢は頬を少し赤くして笑うと俺の袖口をキュッと掴んだ。
その仕草に俺の心臓が大きく音を立てる。
こっちに手招きをした芹沢は俺を屈ませると耳元に手を当てて…小声で。
「さっきのジェルの使い方をね、久遠に教えてもらってたの。」
そう言って恥ずかし気に笑った。
俺はといえば…
顔が燃えるように熱くなり汗がタラタラと流れるしまつ。
「大葉?顔が真っ赤だよ?汗もすごいかいてるし…」
「…顔が真っ赤なのは芹沢もだろ?」
言い合って…顔を見合わせて笑い合い手を繋ぐ。
そのまま教室に戻るべくゆっくりと歩き出して。
「…使ってみる?」
ボソリと小声で言うと…
握った手をグッと握り返しながら芹沢は俺を見上げて…。
「…うん。」
と優しく笑った。
◇◆◇◆◇◆◇
久遠とのイケナイ妄想より目の前の可愛い恋人との初体験に心が踊る。
…が、やはり不安は隠しきれない。
自慢じゃないが…
俺はまだ経験がナイ…。
付き合った人はいたけどそうなる前に別れて…それきりだから。
こんなんじゃせっかくの初体験にも不安が募る。
「……で?」
「…え、イヤ…。」
学校帰りに寄った拓真と久遠の“愛の巣”購買部の奥部屋で…ソノ、相談をした。
俺は真剣に言っているのに目の前の我が兄貴はと言えば…仏頂面を通り越しなぜかこめかみに青筋を立てて怒りを堪えてるようで…。
「昼間は芹沢で…今度はお前が、この俺に、セックスの仕方を教えろ…って訳か?」
「あぁ…まぁ、平たく言えば…そんな感じ?かな…?」
プチッ!
…と…?
どこかで何かが切れる音がした…ような?
「さっき…ヤツにも言ったが…。」
低い低い声と共に…
黒い…
なにやらオーラ?のようなものが拓真から吹き出しているような…?
「んなもんイチイチ人に教わるもんじゃねぇだろが!」
ドンッ!
とテーブルをブッ叩くとその勢いで上にあったマグがゴロンと床に落ちた。
「た、拓真…マグが…」
「じゃあ何か!テメェは箇条書きにした通りにヤんのか!あぁっ!?」
「イヤ…そうじゃ…」
「じゃあ今すぐ脱げ!ヤってやる!体で覚えろ!」
烈火の如く、とはよく言ったものだ。
まさしくその様に大激怒な俺の兄貴は…すわった目で俺を睨みつけてきて…
「オラ早くしろ!テメェ!」
物凄い勢いでその場から立ち上がった。
本気で…
ヤられる!?
そう、思った瞬間。
「ただいま。」
奥部屋のドアが開いて外から久遠が帰ってきた。
…助かった、のか?
「智!」
「ん?…どした?あ、良介きてたのか?」
玄関先に荷物を置いてこっちに近付いてくる久遠。
その視線が俺に向き…そのまま足元に降りて。
「アーッ!?俺のマグが!」
テーブル下のさっき落ちて割れたマグに気付いてかしゃがもうとした久遠…の腕を拓真が掴んで。
「…バカップルのもう片割れにも、さっきみたいにセックスの見本が必要みたいだ。」
「…は?」
唖然とする久遠を抱き締めると奴は腰のベルトを引き抜きズボンの中からシャツを引き出すとその中に自分の手を差し込んだ。
「ちょ…ちょっ!やっ……、たくっ!?」
「大人しくしてろ…!」
さすがに目の前でヤられるのは!
恥ずかしいというか、
いやいや、無理だろう!?
俺は足元の荷物を引っ掴み玄関に向かってダッシュし転げるように飛び出した。
「お、お邪魔しました!」
背中でドアを閉めて大きく息を吐き出す。
もしかして…?
…昼間のあの…購買から飛び出してきた芹沢を思い出す。
「あんな光景みせられたら…そりゃあ、顔赤くして逃げ出すよな。」
あの時の芹沢の様子と今の自分を比べてみて…納得。
苦笑いをしながら靴を履いて立ち上がり真っ直ぐ購買部のガラス戸に向かう。
まぁ…
俺と芹沢はまだ始まったばかりだし、な。
それもこれも、一緒にヤっていけばいいよな?
学指鞄を開けて携帯を取り出し可愛い芹沢に電話をかける。
コールが耳の奥に響き…
それに合わせるように俺の胸も早く大きくなっていった。
‐END‐
――――――――
あとがきです。
えーっと…。
バカップルです(笑)
勝手にヤれば?
…みたいな回りの迷惑にもメゲず、強く逞しく頑張って頂きたいですね…(笑)
初体験は…もうチョット先にしようと思いますが…(鬼)
でもイキナリ、サクッとしちゃうかもですι
…まだ詳しく決まってはないです!
ここまで読んでいただいてアリガトウゴザイマシタ!m(_ _)m
気に入って頂けたら光栄です(*^▽^*)
by.えりな
再up 2013.5.20
再々up 2015.9.20
∞
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