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△智side
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朝……昼か?
起きたら外はスッカリ明るくなってて…。
部屋を見渡しても、拓真がいない。
「…怒ったのかな。」
夕べ食後にアルバイトをするって話したら…ちょっとご機嫌ナナメになったみたいで。
でも、セックスはちゃんとしたけど。
確かに生活に不自由はしてないよ?
…だけどね。
両親が三年前に事故で他界してからずっと、俺は父さんの弟…叔父さんのお世話になってるんだ。
俺が二十歳になったら遺産の分配をする為、それまでの俺の世話が相続資格の条件らしい。
でも…
会社を経営しているとはいえ叔父さんには金銭的にも…他にもきっと色々と無理をさせてしまっていると思う。
拓真は…
友達としてる会社での給料をポンといつも渡してくれるけどそんなの使えるわけ、ない。
…食費の足しくらいには少しもらってるけど。
それに…
拓真のお金で拓真に何か買ってあげるのってなんか違う気がする。
今までは貯金を切り崩して自分の物とか色々と買ってたけどそろそろ残りも少なくなってきたし。
だからバイトをしようと思ったんだ。
ちゃんと説明した方が良かったのかな?
でも…そんな事言ったらきっと拓真は怒る。
『変な気を使うな』って。
気は使ってないんだよ?
拓真には…分かんないかもだけど。
そんな事を考えながら歩いて…気が付けば今日からお世話になるピザ屋の前に来ていた。
店のガラス戸を開け中に入ると、俺の面接をしてくれた店長さんが丁度いて。
事務所に通されユニフォームを手渡されて更衣室へと促された。
ロッカーに荷物を入れて着ていたシャツを脱ぐ。
正面の鏡に写った自分の首筋に…くっきりと残る赤い痕。
真新しいその痕に…指先でそっと触れた。
「…拓真…。」
まだ今日は拓真の顔をみてない。
置いてきたおにぎりに気付いてくれるといいな。
…帰るまでに機嫌が直ってるといいな。
変なトコ寛大なクセに変なトコ子供みたいなんだ。
まあ…そんなトコが好きなんだけどね。
なんて自分で言って妙に照れくさくなって…帽子を目深にかぶって店に戻った。
◇◆◇◆◇◆◇
「スゴ…」
早速の仕事で配達にきたのはバカでっかいマンション。
やたらとデカく重厚な作りとセンスの良さに驚く。
デザイナーズ、ってヤツかな?
ウチのマンション二棟は入りそうなデカさだ。
そして…
今はお客さんの部屋の前にいる。
玄関チャイムを鳴らすとロックの外れる音がして…ゆっくりとドアが開いた。
「お待たせしま…」
「遅かったじゃん!ホラ早く入って!」
…えっ?
「いえ、あの…」
「今日はピザ屋の衣装なんだ?それもいいね。」
…は?
腕を掴まれ部屋の中に引き込まれる。
その後ろでドアが閉まるのと同時にガチャリとロック掛けられ…て?
「あの…っ!」
「お風呂入ってからにする?俺はそのままでもOKだけど。」
男が目を細めイヤラシい顔で笑った。
コイツ…
もしかしてなんか勘違いしてる?
「ま…待って下さい!アナタ、何か勘違いしてますよ!」
「え?」
「俺はっ、ピザ屋のバイトですよ!そんな…デリヘルみたいなのとは…」
「違うの?」
端整な顔が驚きに変わり…
そして何かを閃いたのか一層イヤラシく笑って。
「…んじゃ、金払うから俺とセックスしない?」
「お断りします。」
即座に答えると彼は楽しそうに笑いながら前髪をかき上げた。
「こんなバイトよりもっと稼げるよ?俺、金持ちだし。」
「…いいから早くピザ代払って下さい。てか…もうイイです。」
足元にピザ置いてドアに向きロックを外す。
「待てよ。」
その手を掴まれ後ろから抱き締められた。
「うわっ!何すんだ!」
「…いいじゃん。俺、ハツモノ大好物。」
「はっ、放せ!」
更にギュッと抱き締められ俺は夢中でもがき続ける。
「ヤダ!やめろ!」
「大丈夫、優しくするから!」
途端、どこかで携帯がけたたましく鳴り響いた。
すると男は舌打ちをして俺から手を引き廊下を歩きながら振り返り。
「…そこにいろよ?」
そう言った。
…居る訳ナイだろ!
俺はそのままドアを押し開け必死にそこから逃げ出した。
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