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なあ、と深刻そうな声を出す友人に、至極どうでも良さそうにため息を吐いた。
篠宮秋人はため息を吐く中村裕也(ナカムラユウヤ)の幼馴染兼親友である。
裕也は現在の話題の中心である秋人の双子の兄、篠宮真冬ともそれなりに面識がある。
篠宮兄弟は双子とはいえ個々の個性が強く、仲が悪いわけではないが一緒にいる時間はあまりなかったように思える。
秋人の親友である裕也と真冬が知り合いレベルの付き合いなのは、兄弟の距離感が反映されているとも言える。
「どうしよう裕也ぁ……」
「知らねえよんなこと」
「薄情者……」
秋人にむすっとした顔で睨まれた裕也は、もう一度ため息を吐いた。
「真冬に触ると勃つって、普通にやべえやつだと思うけど?だってあいつお前の実の兄貴だろ、しかも双子の」
「だから困ってんじゃんか!兄貴にバレたらもう一生口きいてもらえねー!」
騒がしく喚いて頭を抱える秋人を見ていると、この男の悩みの方向に呆れてしまう。口を聞いてもらえないとか、そういう次元じゃないだろ。
「兄貴に触れて性欲治めようって、アホの秋人らしいな……真冬も流されやすいところあるし」
しかも兄貴にまで興奮してるって、お前は猿か。口に出さないまでも呆れた視線は伝わったのか、眉を八の字に下げて情けない顔を向けられる。
「兄貴、黙って触らせてくれるけど……それで満足できる自信がねえんだよ。俺、今まで無理矢理したりなんて絶対しなかったのに、兄貴相手じゃ抑えられる気がしねえ」
深刻な顔で言う秋人の言葉に、裕也は少し違和感を感じた。
誰彼構わず手を出していた秋人が、たった一人に執着している。
そもそも秋人が女遊びを止めるきっかけになったのも真冬であり、触れたいのも、それを我慢するのが辛いのも、秋人にとっては真冬だけなのだ。
「それって……いや、うん」
「何?」
まさか、秋人は真冬のことが……と頭に浮かび、裕也はその先を考えるのをやめた。今のままでは真冬が危険すぎる。
「とにかく、真冬が許可した以上俺からは真冬に触れるなとは言わない……前科あるしな」
「うっ……」
前科とは、以前秋人が真冬に髪を乾かしてもらった際に襲いかかった時のことだ。あの時も「やらかしたーどうしよう」と裕也にすがりついたことが記憶に新しい。
「ただ、触る前に一回どっかで抜いておけよ?せめて賢者タイム有効活用しないと、前回の二の舞だ」
とりあえず、親友が犯罪者にならぬよう(そしてその兄の貞操を守るため)秋人に忠告しておく。
「け、けんじゃたいむ……」
深刻そうな顔でコクコクと頷く秋人に、裕也は親友が心配になった。
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