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そばにいてください5
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まるで寝かしつけた赤ん坊を抱き上げるときのような慎重さで、リュックから取り出されたのは小さな箱だった。
全面真っ白で、上に持ち手がついていて、中身はもしかしなくてもあれだとすぐに分かった。ケーキ屋さんでケーキを買ったとき以外、その箱にお目にかかることはない。
「え? 買ってきてくれたの?」
「いえ……、あの、買ったんじゃないんです」
「ん?」
「手作りです。ぼくの」
思わず「うそっ」と息を飲んでいた。
青葉が自分でお菓子を作るだなんて、聞いたことがない。甘いもののことを話すときはいつも市販のものだった。
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