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危険な俺たち
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マキ「あっれ〜?」
リオ達が退散して数分がたった頃。
姿を現したマキが間延びした声を響かせた。
マキ「かたずいちゃったんだ…、それで?なんで華南君は泣いてるの?」
3人が並んで座って壁に寄りかかり、修二とむつに挟まれて、涙をボロボロこぼす華南。
左に服を着てぐったりした修二。
右にあぐらをかいた不機嫌なむつ。
華南のなげだされた足に修二が横になって、むつが頭に手を添え、3人仲良くボロっとヨレていた。
華南「催涙スプレー使われて、目が痛い」
華南が、つよしを無事にマキに引き渡し、引き返したら、建物の入り口にシマとイダテが待ち構えていて、催涙スプレーをかけられた。と説明すると、マキはゲラゲラ笑い出した。
マキ「あはは!そんくらいよけなくちゃ」
華南「できるかよ」
目を閉じて溢れる涙を止められず、シワを寄せて苛立つ華南。
催涙スプレーで視界を奪われてから、シマとイダテに拘束され、どう抜け出そうか、それともこのまま2人を引きつけとくべきか考えていたら、シマがお気楽にも部屋の中で行われてる行為を実況しだした『うわ!ケツに指突っ込んだ、ヤっちまうのかなぁ?』と言わられ、ブチ切れて拘束を引きちぎり、シマを殴って沈め、止めに入ったイダテともみ合い、わずかに見える視界で反撃してぶっ飛ばしてやった。
その怒りは、まだ華南の中でおさまってはいない。
むつと修二に手を出されて殺気立っているのに、マキの茶化しに付き合う気はない。
マキ「それで?5人共仕留めたの?」
マキがあたりを見回すとあっちとこっちに3人の人物が転がっている
華南はマキの質問に不機嫌に答える。
華南「3人仕留めた、後の2人は逃げちまった」
華南が修二と乗り込んだ時、通話中の携帯から会話を聞き情報を収集していたマキ。二人逃げたと聞いて腕組みして困り顔で眉を寄せる。
マキ「んー…」
むつ「マキ、つよしは?」
マキ「僕が寮に連れて帰ったよ」
むつ「で?あんたはなんで戻ってきたの?まさか見物?」
マキ「やだなー、むつ君、人を外道みたいな言い方しないでよ、手こずってるなら助けてあげようかなーと思ったんだよ、優しいでしょ?」
ニコニコ笑うマキが、本当にそう思っているとは到底信じられない。むつは嘘つけとばかりに睨みつける。
マキは、その視線をサラッと流して、しゃがみ込み修二をジッと見つめた。
マキ「修二はどうしちゃったの?」
華南の足に横たえてる修二をマキが不思議そうに指差す。
マキが現れてから修二は寝てるのか、一度も動いていない。
華南「…そっとしとけ」
むつ「起こすなよ」
低く唸るように言ったむつが、マキを鋭く睨みつける。
今まで何度もむつに睨まれた事のあるマキだったが、今回のむつは完全に威嚇体制に入り、触ろうものなら噛み付いてきそうなほどのオーラが出ていた。
なんとなく、むつの睨みつけてくる理由を察したマキは、以前むつに言われた一言を思い出す。
むつ『お前も何か背負ってる口か?』
〝も〟とは、修二のことだ。
人の秘密が大好きなマキは、意味有り気な笑みを浮かべて、勘のいい獣に微笑みかける。
マキ「君たち、やっぱり面白いね、気に入った♪」
その笑顔に、むつと華南は嫌な予感がしてブルっと身震いする。
むつ「やめろ、お前がそんな風に笑う時は何か企んでる時だろう、だいたい、てめーはいつも嘘笑いばっかでキモイんだよ変態」
その言葉に、マキはキョトンとして目を丸くし、次第にその瞳はにキラキラと輝いて、むつを見つめてきたから、むつが気色悪さに後ずさる。
マキ「怯えるむつって美味しそうだね♪」
華南「おい!」
舌舐めずりしたマキに、華南がギロリと睨みつける。その反応を楽しむようにマキが笑い、ゆらりと立ち上がった。
マキ「さ、て、と、お楽しみは後にとっとくとして、お仕事しちゃいますかね」
むつ「は?」
華南「仕事?」
マキ「言ったろ?悪い子をしつけるのが、僕の、し、ご、と♪」
そう言ったマキの目の色が怪しく光って、むつと華南は黙り込む…
マキ「君たちは頑張って帰りな、あの3人は僕が始末しとくからさ」
むつ「川に沈めるのか?」
マキ「…ふふ、むつこわ〜い」
へらへら笑ながら転がったシマとイダテとヤナギの3人に向かって歩くマキは、肩からかけていた鞄から黒いムチをひきずり出して、両手で握りしめて、低く笑う。
マキ「ふふ、久々の駄目犬だね」
華南・つむ
(いや、こえーのはお前だろ…)
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