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変化する俺たち〜修二〜
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屋上に来るや否やむつが吠えたので、僕ちゃんはピシャリと言ってむつを黙らせた。
一緒についてきた雷太は、チャラチャラ喋る僕ちゃんしか知らないのだろう。僕の口調に少し驚いてオロオロしてたので彼にも一喝して、2人を正座させてくどくどお説教してやった。
話の途中、「襲われることもあるんだから!」と注意すると、むつが目を見開いて、急に立ち上がって僕に食ってかかる。
むつ「襲われ…いつ!?誰に!?」
修二「むつ、落ち着いて」
むつ「ふざけんな言え!!」
修二「まず座れ!」
低く言った僕ちゃん、渋々座ったむつにため息を尽きながら、僕ちゃんは襟を正す。
修二「この高校入ってすぐの頃、暗がりに2・3度連れ込まれた。勿論再起不能にしてやりました」
むつ「し、知らなかった」
修二「言う必要無いだろ?カタついつるんだから」
むつ「今度なんかあったらぜってぇ言えよ、ぶっ飛ばしてやる」
むつの気持ちはありがたいが、むつが関わるとコトが大きくなっちゃうんだよね。
雷太「…」
僕らがこうして話していたら、屋上の入り口にはいつの間にか吉良さんと華南がいて、そちらはそちらで話し込んでいた。
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【少し前】
屋上の扉が開いて、購買のパンを持った華南が駆け込んできた。
華南「おい!どうなってるんだ!今下で!…ッ!!…?…あれ?」
扉の真横には、吉良さんが牛乳を咥えて立っていた。
吉良「やあ、華南、何買ったの?」
華南「えっ…焼きそばパンとカツサンドと菓子パン三つっす…。アレ例の1年すか?」
吉良「だね」
屋上中央に、仁王立ちの修二と、それに向かい合った場所に、正座するむつと雷太。空気は険しい。
吉良「久しぶりにお説教見た、相変わらず怖いね」
華南「喧嘩と威張るのはむつが1番だけど、俺らの中で一番権力あるの修二っすから」
吉良「知ってる」
吉良は楽しそうに目を細めて笑う。
吉良「修二、…最近変わったね、君らのせい?」
華南「俺らの力っす、いい感じっしょ?」
吉良「ふふ、隠す気無しかい?」
華南「もう知ってる癖に」
吉良「ふふ、むつが毎度ノロケるからさ。名前言っちゃってるの気付いてないんだよ、可愛いだろ?まだ俺が知ってるの秘密にしといてね、楽しいから」
華南「その様子じゃ筒抜けっすね」
吉良「…むつはますます可愛くなって、わがままに拍車がかかってる。いいように振り回されて、修二の笑い方変わったね、でも、まだ可愛くないね」
華南「可愛く見えたら困るんすけど」
吉良「華南あの二人相手じゃ苦労するよ?むつならいつでも貰うけど?」
華南「…いやいや、勘弁してください。今んとこ、幸せっす」
吉良「恋は盲目だね、ごちそうさま…。ところで華南、2人の体にキスマークベタベタ付けるなよ、来週内科検診あるよ」
華南「ゲッ!!マジ!?」
吉良「マジ」
華南「うわー」
吉良「それよりそろそろご飯にしない?」
華南「そおっすね。おーい修二!ご飯食べようぜ!時間ないぜ!」
華南の掛け声で、修二が説教をやめて、やっと昼ごはんになった。
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放課後、三人一緒に帰る。
しかし今日はむつの家は紬さんが手ぐすね引いて待ち構えているので、華南の家へ行くことになった。
修二「本当に誰もいないの?」
華南「いないいない、長男の西牙(さいが)は出張だし、次男の東紫(とうし)は研究におこもりだし、弟の北斗は今日部活が遅い日だから、夜まで帰ってこない」
家の中はシンとしていて、誰もいない。僕たちはまっすぐ華南の部屋のある二階に向かった。
むつ「へぇー、じゃあ、先に風呂か?」
華南「むつさん積極的」
修二「ちょっとちょっと、明日からのこと話すんでしょ?」
むつ「騒ぎたいなら騒がしときゃいいよ、周りがどうとかどうでもいいし」
修二「むつ、なんて噂されてるかも知らないで呑気な…」
むつ「なんだよそれ…」
華南「むつは、修二とあの1年にケツ狙われてるって言われてんだぜ?」
むつ「は?……?俺が下?」
華南「そうそう」
むつ「ふざけんな訂正してくる!」
修二「ちょっとちょっとむつ!どこ行くの?」
今着いたばかりなのに、むつは部屋から出て行こうとしていた。
むつ「学校行って、俺が修二をアンアン言わしてるんだって言ってくる!!」
修二「ストーップ!!だからそれをやめろと言ってんだろうが!!」
華南「全校生徒に修二が狙われるぞ」
むつ「は!?片っ端からぶっ飛ばしてやる!エロエロ修二は俺たちのだ!」
修二「…華南、むつにお仕置きしてあげて」
華南「了解しました」
むつ「は?え?ちょっ!修二!裏切り者ぉー!!んはっ…華南!?」
むつさん、もう勘弁して…
全校生徒に僕ら3人ができてるって知れ渡るのも時間の問題な気がする…
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