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めんどくさい俺たち〜修二〜
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紬さんが入院した一週間。
体の中が2人でいっぱいで、甘く痺れていた。
何度も何度も体を重ねて、何度も何度も好きだと言われた。
付き合うってなった時、すぐに終わると思った。
でも終わるどころか甘さは増して、
最初は、この甘い時間が怖かった。
でも、甘い時間を…甘美な夢を…拒む術を僕ちゃんは持ち合わせていない。
12年むつを好きで、憧れて、それがいきなり叶ったかもと思ったら、華南に好きだと言われ、百目鬼さんが現れて夢から覚めるんだと思ったら、華南がすべて受け止めてくれた。
この手を離さないと抱きしめてくれた。
僕ちゃんの秘密を知っても抱きしめてくれた。
だから、緩んじゃったんだ。
むつを目の前に12年片思いしてたとバラした。絶対に言わないって決めてたのに、僕ちゃんの気持ちをバラせば、むつを困らせて、それでも自分を止めることができないかもしれないと分かりながら…
2人が好きで好きで仕方が無い、気持ちは溢れに溢れて、もう夢から抜け出したくないって思ってた。
溶けて…金色の蜂蜜に溶けこんで、もう…僕はこの甘さを忘れることなどできない。
2人を大切にして、一緒にいたいと思ってる。
けれど、現実は、足元に広がってる。
むつ『お前、女の子が産まれたら、絶対嫁にやらん、とか言いそう…』
一瞬、冷や水をかけられた気がした。
普通の会話の中の一言だ、むつはソレが何を指すのか分かってない。
むつは、そこまで考えてない。
むつは、先を考えてない。
分かってたこと。
ズキリと痛んだ胸にショックを受け、ショックを受けたことにショックを受ける。
むつに悪気はない。
だから、その日、そのまま連れ帰られ、紬さんがいないからとキスされて、ホテル行った以降ぶりにスるのかと思ったら、体は正直に反応した。
恥ずかしい。
むつに触って貰えるって期待して、本当に僕ちゃんは馬鹿だ。
むつ『練習だ』
って言われて、頭が沸騰するかと思った。
一週間、好きだと言わされ、抱かれるのかと思ったら想像だけで溺れ死ぬ。
むつは有言実行。
次の日華南とむつと3人で昔話をしながら、その間も、この後スるのかな?スるのかな?って期待して、本当に馬鹿だ。
むつ『へー、じゃ、修二の子供の女の子は美人になるな、それじゃあますます心配だなぁ』
うん。それは無い。
僕ちゃんはゲイだから、女とSEXすることはない、子供は好きだけどね。
修二『………。そうだね』
華南『あー!!っと、コレ、このむつすげェ〜可愛い!!』
むつに返事したら、急に華南が割り込んで、むつに写真を見せて話を変えてくれた。写真をむつに出したのと違う方の左手が、そっと僕ちゃんの膝の上に乗せられてた。
華南…
僕ちゃんは平気だよ。
だから、これ以上好きにさせないで。
心臓がもたないよ…
バクバクと早まるばかりの心音は、きっと華南には聞こえてないけど、もう苦しくて…好きって気持ちがこんなに溢れて僕はおかしくなりそう。
だから欲張りになっちゃった。
呼ばれてもないのに、バイト終わりの疲れた体でむつの家に行ってしまい、さらに体がだるいのに、次の日2人とシた。むつとは、ほぼ毎日セックスして、華南とは2回。
だから、そのツケが回ってきた。
今日貧血で倒れちゃって、むつには本当に悪いことをした。
自分の自己管理不足で、むつがアヤちゃんに怒られた。
本当に申し訳ない。
僕はアヤちゃんにも谷崎にも叱られて、少し身を引き締めようと思った。
いままで、毎日毎日触れ合って、ドロドロに溶けて2人と混ざっちゃうんじゃないかと錯覚して。
恥ずかしくて幸せで、一生分の幸せを使い切っちゃうんじゃないかと心配した。
谷崎にむつとの関係がバレた。
まぁ、もう隠せないとは思ってた、谷崎は勘付いてて黙認してくれてた。
谷崎は、僕ちゃんが監禁された時、兄貴と一緒に助けに来てたから、全部知ってる。
助け出された後、僕ちゃんは家に来るむつには会えないと叫んで錯乱して、それを兄貴となだめてくれたのも谷崎だ。この高校に入るのが決まった時、谷崎先生にアヤちゃんを紹介された。『奏一の知り合いだ。どうするかはお前の好きにしていい、ただ、忽那は信頼できるやつだ』
アヤちゃんは僕から何か聞いたりしない。事件を知ってるかも分からない、ただ、感の鋭い人だった。
僕は周りに守られて、好きな人の隣にいられて…
今、すごく幸せなんだ。
谷崎先生は倒れた僕を見て、むつとまずいことになってるかと心配してくれた。
本当に申し訳ない…セックスのヤり過ぎです。
谷崎先生と話終わった僕ちゃんが、下駄箱に向かうと、何故かそこにむつがいた。
むつは、物凄く怒ってた。
しかも僕を睨んでる。
今まで不機嫌なのは何度かあったけど、ここまで怒ってるのは無い。
なにがあった?
倒れてからさっき教室で谷崎に呼ばれて行くまで、心配してくれてすっごい優しかった……
そうなると、原因は一つしかない。
修二「むつ、待っててくれたの?」
むつ「ああ」
修二「またせてごめんね」
僕は下駄箱の靴と上履きを履き替える。
むつの舌打ちが聞こえた。
むつ「お前、俺になんか隠してるだろう、事件ってなんだよ」
…やっぱり…。
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