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俺たちに射す斜陽〜むつ〜回想3DVD
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ーダダダダダダ!!!!
地響きのように廊下を走る音が響き
ーガラガラ、バァーン!!!!
けたたましい音で教室の扉が開け放たれて、5時間目と6時間目の10分休みを教室でそれぞれくつろいでた生徒たちに一瞬にして緊張と恐怖が訪れた。
むつ「吉良さん!!」
かろうじて「さん」付けだが、それを発したむつの形相は、教室中の生徒が殺されるとさえ思うほど恐ろしいものだった。
怒りの炎に包まれて教室の入り口に立つむつに、吉良は呼ばれて振り返る。
吉良「あれ?睦美、さっきも会ったのに寂しかったの?」
呼ばれた等の本人は飄々として、むしろ何かを楽しむように笑みさえ浮かべている。
ブチッと音がして、吉良の態度がむつの怒りに油を注いだと教室中の生徒が血を見る思いで息を呑む。
むつ「あんた知ってたろ!!」
吉良の胸ぐらをむつが掴むと、教室にいた生徒が逃げだしたり、先生を呼べって声がしたりしたが、むつには耳に入らないし、胸ぐら掴まれてる吉良はニコニコしている。
吉良「何がァ?」
吉良はニコニコ首傾げて知らん振り。
こぉーのぉー、どいつもこいつも嘘ばっかりじゃねぇーか!いい加減にしろよ!!
マドレーヌが修二の手作りだったのか華南に聞きにいったら、俺の分は吉良さんが持ってったと言われた。
むつ「さっきの菓子返せ!!」
吉良「食べちゃった♪」
お茶目に返したつもりだろうが笑えねぇ、この人分かっててさっき俺に聞いてやがったんだ!!
吉良「いらないって言うからぁ〜」
むつ「んぐぐ…、俺は…知らなかったんだ!あんたにはあんたの分があったろうが!」
胸ぐらを掴む手に力を込める、殴ってやりたいが、いらないって言ったのは俺自身だ。
吉良「え〜、修二の作ったのは俺と雷太はもらえなかったんだよ、だからむつがいらないって言うから、修二の手作り頂きました」
むつ「は?」
吉良「あー、気づかなかったんだっけ?俺と雷太のは、お店のスタッフが作ったやつ、睦美と華南のは修二が作ったやつ、フッ、あんな焦げた色のお店に出せる訳ないだろ?」
なにぃーーー!!!
ーダダダ
華南「おい!むつ!何やってんだ!」
俺は、追いかけてきた華南に取り押さえられて、さらに後から騒ぎに駆けつけた谷崎に説教されて教室に連れ戻された。
学校終わりの帰り道、修二とはほとんど口を聞かなかった。雨は降るしマドレーヌは食いそこなるし、怒りゲージはとっくに200%越えだ。
家に着いてもむしゃくしゃは収まんないし、雨は止まないし、来週テストだし…あー…テスト勉強…、いや、その前にこのイライラを何とかしなきゃ。
むつは学校の鞄から、吉良に貰ったDVDを取り出す。中には3本のDVDが入ってて、適当に選んだ物をデッキにセットした。ヘッドホンをつけて、再生を押す。
今回のは、少し縛りや道具を使ったもののようだ、前回吉良さんに、恋人がMみたいだと言ったから、ソフトSM的な作品を用意してくれたみたい。
俺はすっごく真剣にそのDVDを見る、だって忙しいんだ、男優のテクニックを見て盗み、女優を修二に見たてる、でも行為が進んで、挿入シーンになると、ついつい後ろがムズムズして、男優が華南に見えてきて、自分を女優と重ねてしまう。だから最後は興奮して、同じDVDを2回見ないとテクニックが盗めない。
今日もそんな感じで、我慢できず、ズボンを下ろして1人エッチを始めていた、仕方なくね?修二が倒れてから、1回もしてないんだから。
その時だ。
不意に視界の端に何かが写って、そちらを見ると、部屋の入り口に修二が立ってた。
むつ「うわっ!!なんでいんの!?」
飛び上がった俺は、すぐさまテレビを消して、紙袋からはみ出てる数枚のDVDを隠した
修二「ご、ごめん、テスト前だからノート届けに来た、ノックはしたよ!」
やば!俺がエッチのテクニックを特訓してるってバレる!
下半身丸出しで半立ちの俺は、赤い顔でズボンをぱっと上げてノートを受け取ってあぐらをかいて座り、ノートの中身をパラパラめくって眺める。
むつ「…ああ、サンキュー、超助かるわァー、あはは」
修二「……あの…さ」
むつ「ん?」
修二「…抜いてあげよっか?」
むつ「え!」
俺は目を何度も瞬かせた。
修二から?なんで?なんで急に?
修二「邪魔しちゃったし…」
驚いてる俺に修二がそっと近づく、膝をついて正座して、俺の様子を伺いながら、ノートを取り、そろそろとズボンから俺の息子を取り出して、そっと右手に包む。
あっけに取られた俺に、軽くキスしてから、かがんで髪を耳にかけて、俺のを口に含んだ。
火曜に修二が倒れてから一週間久々の温もりに体はピクッと震えて反応して、あっという間に体温が上昇してあっけなくイッてしまった。
あまりの早さに驚いて、カッと顔を赤らめる。久々で全然もたなかった。
むつ「ご、ごめん!」
予告もなく修二の口に出したのに気がついて慌ててティッシュを取って修二の口を拭いてやる。
修二「ありがと……」
お礼を言った修二の顔が、あまりに複雑だった。
あれ?そういえば俺、修二に怒ってて、修二とろくに口聞かないで帰ってきたんだっけ。
…。
もしかして、これってご奉仕ってやつ?体で誤魔化してる?
むつ「…」
妙な沈黙に俺は耐えられなかった。
むつ「…修二」
修二「な、何!?」
ズボンを履き直した俺は、床を見つめたまま、修二に今日のことを聞いてみることにした。言って欲しかった、手作りだって…。顔は見ない、戸惑いに揺れる顔はもう、たくさんだ。
むつ「俺に言っとく事とかないの?」
修二「え?」
顔は見なかったのに、修二の声が揺れた。
何がそんなに気まずい?
俺といるとそんなに気まずいのか?
俺とだとそんなに自分を抑えるのか?
俺とじゃ本音は言えないのか?
むつ「分かった…、もういい…」
俺がそんなに怖いのか?
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