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俺たちの選択肢〜修二〜
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華南の採用が無事決まった。
むつと華南は泊まり込みで短期の海の家。僕ちゃんもその間は暇だから兄貴の3号店に入る予定。
海の家の最終日には、僕ちゃんを呼んで一泊させてもらい、次の日は海を満喫する予定。
今、華南が電話して旅行用に泊まる旅館の日程も決まった。8月18日月曜から一泊二日。
今日は帰って、この二つのお泊まりを兄貴に報告しなきゃいけない…、となると、避けては通れないことがある。
むつ「じゃ、また明日な」
修二「うん、また明日」
華南「じゃあな、むつ」
むつと僕ちゃんの家の分かれ道。華南はニコニコ僕の後ろでむつに手を振る。
華南「…もう逃がさねぇーからな」
笑顔で怖い声を出す華南。
まぁ、華南相手にいつまでも逃げられるとは思ってないけどね。
修二「…僕ん家はダメだよ…」
華南「っかってるよ、歩くぞ」
不機嫌な華南の後について行くしかない。
華南「…言っとくけど、むつが俺に言ったんじゃないからな」
修二「うん」
華南「俺を避けてたってことは、百目鬼と会ったのか?」
修二「…そうだけど、僕ちゃん何にもされてないよ、車には乗らなかったし、会う場所も僕ちゃんが決めた人の多い場所だし」
僕ちゃんが軽いノリで話したけど…、華南は僕ちゃんをギロッと睨んできていた。
う〜ん、ですよね〜。
華南「お前馬鹿だろ、脅されてんだろ」
修二「…大丈夫、2人に危害は加えさせないから。来週の水曜日までだから安心して…」
華南「馬鹿だな!お前の心配してるんだろうが!水曜までってお前、まだ会うつもりか?」
怒ってる華南が僕ちゃんの肩を掴みお互い向き合う。ここが住宅街だとすっかり忘れてるようだ。
修二「シー。華南ここで騒いだら聞こえるから…」
僕ちゃんが人差し指を口に当てると、華南は仕方なく僕ちゃんの腕を掴んで足早に進み、声を潜める。
華南「もう会うな」
僕だってできればそうしたい…でも
修二「無理だよ、約束した」
華南「お前はどうして自分を大事にしない」
修二「…言ったろ?僕も悪かったんだ」
華南「だからそれは…」
修二「自己防衛本能?」
華南「そうだよ…」
僕は掴まれた腕をそっと外して華南の前を歩き出す。華南は僕の後ろについて歩いた。
修二「…それはさ、最後の無理矢理の話でさ、それまでの半年間は違うよ。アレはお互い合意の上だから…」
華南「…」
修二「あの人をかばってんじゃないよ、事実だから、僕はあの人を利用してた」
華南「あいつだって利用してた、あいこだろ?」
修二「…」
華南「…会うことには賛成できない」
そうゆう訳にはいかない…。
華南「修二、もう会うなよ」
修二「無理だよ、終わりにするにも直接じゃなきゃ、きっと納得しない」
華南「納得?話し合って納得するようなら、お前を無理矢理組み敷いて傷つけたりしないだろ」
華南が僕ちゃんの左肩をギュッと掴んだ。
そこは先週の水曜日、百目鬼さんに噛みつかれた場所だ。
でも、傷ってほどじゃない、もう、なんともないし…
華南「それでも行くなら今度は俺が着いて行く」
修二「それはダメだよ!逆なでするだけだ」
華南「嫌なら断れ、次会う時も無事だとは限らないだろ?」
華南の真剣な瞳。
不謹慎にも、真剣に心配されて嬉しく思う自分がいる。今までそんな風に思ったことはない、ただ兄貴や母さんの迷惑にならないようにしてきた。
どうしたらいい?百目鬼さんには、会わないと終わりにできない…
でも、会うと華南が心配する…
黙った僕を、華南はそっと引き寄せた。
華南「…ごめん」
修二「僕こそごめん…。僕は大丈夫だから、次で終わりにしてくるから…」
華南「…」
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