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俺たちの道〜むつ〜
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2学期が始まって3週間。
学校は文化祭の準備が始まっていた。
うちのクラスはクレープ屋をやることが決まっていて、屋台形式でやるため外観を作ったり、飾りを作ったりそれぞれ担当が決まっていてノリノリで進めていた。
そもそもクレープ屋は、校外から来る女子にウケるように決まったものだから、彼女のいないフリーのやつらは張り切っている。
例えば…克哉とか…。
俺たちには全く関係ないことだけど…。
文化祭が来るのが楽しみだ。
隣のクラスの華南は、なんとメイド喫茶。
そして華南も女装することが決まっているとか…。
超ウケる。
俺は、それを聞いた瞬間マキにメールしてやった。もちろんマキから速攻で返事が来て、『雨が降ろうが槍が降ろうが、一眼レフ持参で乗り込みます❤︎』とのこと、この事を、俺は華南に内緒にしている。
谷崎「柴田、ちょっといいか?」
文化祭の準備をしていた俺の元へ、担任谷崎がやって来た。
少しばかり真面目な顔だったから、俺は何かやらかしたっけ?と首をひねる。
俺はこの3週間、自分ではめちゃくちゃ真面目に取り組んでいるつもりだ。
渋い顔した谷崎が心配そうに切り出した。
谷崎「お前らどうなってんの?」
むつ「どうなってるって?」
谷崎「最近、放課後一緒にいないけど…」
ああ、なんだ、そのことか…。
それぞれバイトをし始めて、最近揃って帰ることが無くなっていた。
今日は、俺一人学校に残っていた。
むつ「何?谷崎は俺たちを応援してくれてんの?」
谷崎「心配してるんだ。悪いが俺は両手を挙げて応援出来ない、奏一が別れさせるって言ったら奏一の見方をするぞ」
むつ「…ふーん。まぁ、すぐに認めさせるよ」
谷崎「お前の自信はどっから来るんだ…」
呆れ気味の谷崎、でも俺は気にしない。
説得する側の俺がブレたら、何の説得力も無い。
奏一さんには何度も話しを聞いて欲しいと連絡した。
カラオケで話し合った後、1度華南と2人で会ってもらったけど。
『鍵を返す気になった?』と聞かれた。
俺は鍵を返す気は無いときっぱり言ってやった。
奏一さんは冷たい目で静かにこちらを見据え、やっぱり俺たちを否定することも、別れるよう言ってくることもなかった。
俺は無い頭を一生懸命使って考えたけど、奏一さんの気持ちを計り知ることはできなかった…。
夏休みの楽しい時間と違って、9月は頑張りの時間だった。
今までは、ほとんど毎日3人でいたのに、今はどちらかと2人でいることが増えた。
俺と華南は別々のバイト先で週4で働き、勉強にも取り組んだ。赤点を取ったりしたら、奏一さんへの説得もクソも無くなっちまう。
次第に学校以外で3人揃う日は、週に2回位になっていた。
きっと卒業して働くようになったらこんな感じなんだろうなぁ…と思いながら、だけど疲れて帰ったら、2人の寝顔が見れたりするんだろうか、と、俺は楽しみを一つ一つ想像する。
そんなことを考えながら、自宅のベッドの上でゴロゴロしながら携帯を眺める。
2人はバイト中だから、携帯が鳴ることはないけど、今日は1人で過ごしたから、なんとなく携帯を手放せない。
むつ「あっ、10時だ、修二と華南にお疲れメール送っとこっと」
会えない時間が増えたから、メールを豆に送るよう心がけてる。
海の家で働いて修二と離れてる時、修二は会えなくて寂しがってくれていた、だから、くだらないことをメールしたり、おやすみってメールしたり、修二が寂しく思わないように…と思って色々メールした。
ーピロリン♪
むつ「おっ、修二だ!何々…?《ありがとう、むつもお疲れ様、早く寝るんだよ》…。短!」
修二は相変わらず…。
修二って、俺からのメールを心待ちにしてるとかっていうのは無いんだろうか?
海に突然マキと会いに来た時はすっげぇー可愛かったのに…。
ーピロリン♪
むつ「華南だ。えっと…《お疲れ!俺はバイト慣れたぜ、むつの調子はどう?吉良さんにセクハラされてない?明日は久々3人で集まれるな!楽しみだな!》」
明日は久々3人で遊ぶ。
俺の部屋に集まるから、部屋を綺麗にしておいたし、必要になるかもしれないものの買い足しもしてある。
明日は華南と2人で、あのラブラブにならない修二をどうやってあの日のように可愛くするか考えることにしよう。
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