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北斗と猫耳コスプレ〜前編〜
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僕は、橘北斗。
今日は、華南の文化祭にやって来た。
メイド服を着るという華南をカメラに収めて、西牙(さいが)兄さんと、東紫(とうし)兄さんに見せて笑うためだ。
華南に気付かれず、開門と同時に潜り込み、写真を撮りまくった。そして隣のクラスのむつさんと修二さんのクレープ屋で2人の作った(正確には、修二さんが作ってむつさんが渡してくれた)クレープを食べ、せっかくだから辺りをぐるっと回った。
僕の高校には無い出し物が多く、以外と楽しめて参考になった。
そろそろすいてきたから、昼を食べて帰ろうとしたら、僕は、運命の出会いをした。
白と黒の王道メイド服。
黒髪を猫耳ヘアーに結って。
小柄で可愛らしい姿。
目が合った瞬間釘付けになるエメラルドの瞳。
運命だと思った
…のに
その運命は1分で終わってしまった。
その子は…
男の子でした。
この子は〝つよし君〟僕の3つ下の中学一年生。そしてこんなに可愛らしいのに…男。
はぁ〜、可愛いくても男なんだ…ガッカリ…
つよし「あ、あの…」
座り込んでる僕に、おずおずとつよし君が話しかけてきた。緊張してるのか、正座している。
北斗「ああ…ごめんなさい、兄さんが迷惑かけたみたいで…」
つよし「いえ、楽しかったです」
ふわっと笑ったつよし君。
可愛い、それに猫耳メイド!
やっぱり女の子に見えるんですけど!?
しかも超いい子!
つよし「あの…、コ、コートはお借りして大丈夫なんでしょうか?」
声変わり前なのだろうか、声を聞いてもどっちとも取れる。
北斗「全然構わないよ、その格好で外出れないでしょ?」
つよし「…す、すいませんありがとうございます」
僕は立ち上がり、廊下を覗いて見渡す。
兄貴の姿は無いし、先生らしき人もいない…
北斗「よし、行こうか」
僕が正座してるつよし君に右手を差し出すと、つよし君はビクッと肩をビクつかせた。
北斗「あっ、ごめん…」
つよし「ご、ご、ごめんなさい、ぼ、僕、き、緊張しちゃって…。汗かいてるし…、こんな変な格好だし…」
真っ赤にうつむいたつよし君は、汗のついた手を真っ白なエプロンで拭いてる。エメラルドの瞳が動揺で揺れてて、激可愛です!!
北斗「変じゃない!似合ってる!」
思わず口から出た言葉にハッとする。
つよし君が驚いて目を見開いちゃってる。
し、しまった!つい口が!だって猫耳メイドなんだよ!!僕の理想が目の前に!!
でも男の子…うー…悲しい…。
つよし「あ、ありがとうございます」
北斗「ご、ごめん、気持ち悪いやつで…」
つよし「いえ!」
僕が謝ると、つよし君は慌てて膝立ちになって僕の右手を掴んだ。
つよし「気持ち悪いとかないです!服も髪もやってもらったんで、ほ、褒めてもらえて、う、嬉しい…です、僕…ぼ…く…」
思わず手を掴んだのだろう。つよし君は徐々に赤みが増して、沸騰するみたいに真っ赤になって呂律が回らなくなってきた。
つよし「ひ、人みひりな…だ、だけ…」
北斗「…クッ、顔真っ赤…ハハッ」
思わず吹き出すと、つよし君はパッと手を離し、顔を隠した。
仕草がいちいち可愛いんですけど…。
本当に僕と同じのついてるのかな?
北斗「つよし君、人混みではぐれたら困るし、恥ずかしいなら僕の袖を掴んでくれてもいいよ」
僕はしゃがんで、改めて右手を出す。
でも今度は握手を求めるようにじゃなく、腕組みを求めるみたいに、腕を出した。
すると、大きなエメラルドの瞳が瞬いて、恥ずかしそうに微笑んだ。
つよし「は、はい」
つよし君が遠慮がちに、僕の服の袖を掴み、一緒に立ち上がる。
よかった。握ってくれた。
何だか、警戒する小動物を手なづけてるような気分がして、何だかホワッと暖かい気持ちがする。
僕は廊下を見渡して、先生らしき人がいないのを確認してから外に出た。
時間が時間だから、帰る人もそこそこいて、あまりごちゃごちゃせずに、校舎を出て真っ直ぐ校門に向かう。
その間もしっかり僕の袖は握られていた。
でも、手を握ってるより、袖を握られてる方が恥ずかしい気がする…。
可愛いなぁ…。
って!うう…、この子は男の子男の子…。
心なしか周りからチラチラ見られてる気がする。つよし君も気がついてるのか、ますますうつむく。
なんでそんな下向くんだろ…。
ちゃんと化粧出来てるし、服も似合ってるし。可愛いのに…。
あっ、また可愛いって思っちゃった…。
つよし「あ、あの…」
クイっと遠慮がちに袖を引かれて立ち止まる。気がついたら、もう学校の外にいた。
つよし「あ、ありがとうございました。僕、華南さん達をここで待ちますので…」
北斗「えっ…」
華南のやつ、急用だって言ってた。すぐ来るかどうか分からない。
…。それに昼間で暖かいとはいえ、風は冷たい。
北斗「僕も付き合うから、どっか入らない?ここじゃ寒いし」
つよし「あ、すいません。コートお返しします」
北斗「違う違う!つよし君が寒いだろ?」
脱がないでくれ!目のやり場に困る!
つよし「す、すいません…僕…お金持ってないんです」
さっきから謝ってばかりのつよし君。
何だかこっちまで申し訳ない気持ちになる。なんでこんな気の弱そうな子と華南は知り合いなんだろう?年だって離れてるのに…。
華南に電話してみたけど、バカ華南は電話に出ません。
つよし君も誰かに電話したみたいだけど、繋がらなかったみたい。
北斗「つよし君、時間とか平気ですか?」
つよし「は、はい、今日は何も無いです」
北斗「だったらさ、ここから遠くないから僕の家来る?」
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