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番外編4ひと夜咲く純白の花の願い
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百目鬼「ぅわッ!!!!」
翌朝。
目が覚めた百目鬼が、目の前の状況に絶叫してベッドから落ちかけた。
百目鬼のベッドには、服の破けた女装した少年が精液まみれで手首をベッドに拘束されている。
ベッドの上のあまりの悲惨さに百目鬼は血の気が引く思いだった。
百目鬼「夢じゃない…現実!?どおりで生々しいと、いったいどうなって…」
その百目鬼の大きな声に、マキは眠りから覚めた。
しかし、マキの視界は目を開けても目隠しで何も見えず、隙間からわずかに光を感じるだけ。拘束のせいで身動きが取れなかった。
やはり、百目鬼は夢だと思っていたみたいで、酷く混乱していた。
昨日は結局、百目鬼の口から一度も相手の名前が出なかった。いったい、誰を抱いたつもりだったのか分からない。
そして現在の百目鬼はというと。
今の今まで腕の中に抱いていた人物が、なぜここに居るのか分からない。
しかも、目の前の人物は、女物の服を着ていて、洋服は一部破れており、左腕が腫れ上がっていて、その手首をベッドに拘束してある、さらに目隠…
明らかに無理やりだ。
ベッドの上の悲惨な現状に、過去の修二への仕打ちが頭をかすめ、思考が止まりそうな中、必死に体を動かし目の前の人物の拘束を解き。
そっと、目隠しを取る。
百目鬼は、その人物に息を飲んだ。
百目鬼「…マ…キ……」
名前を呼ばれて、マキは心臓がドキッと跳ね上がった。
名前は、惚れ薬を飲んで愛し合った時しか呼ばれなかったから…
マキ「…ぁ…おはよう…百目鬼さん」
ちょっと擦れた声。マキは、悲惨な格好で何事もなかったように穏やかに挨拶をし、へらっと笑う。
事態の飲み込めない百目鬼は、ただでさえ疲れた顔してるのに、青ざめ、悲しそうに眉間にシワを寄せる。
マキの左腕の青痣が腫れあがっていて動揺しまくり。昨日の獰猛な猛獣は見る影もなく、怯えるティーカッププードルになっていた
百目鬼「腕…」
マキ「違うよ、腕は百目鬼さんのせいじゃないから気にしないで。昨日の事覚えてる?」
百目鬼「いや、ほとんど…、すまん!体は…」
マキ「ふふ、平気だよ」
僕が笑ってるのに、百目鬼さんは可哀想なくらい青ざめて項垂れてて、ライオンが小動物みたいに小さくなってるように見えた。
しょうがないよね、この状況は百目鬼さんの過去に修二にしたこととダブって罪悪感刺激しまくりだよね。
マキは、手短にここまでの経緯を説明した。
矢田さんに拾われたこと。菫ママの店で服を借りたから女物を着ていたこと。そして、合意の上で、縛って僕とシて、挿れたまま百目鬼さんが気を失ったように眠ったこと。
全部話し終わると、百目鬼さんは謝り続け、僕は項垂れるライオンの背中をヨシヨシしてあげたくてたまらなかった。
マキ「大丈夫だよ百目鬼さん♪、同意だったんだから、こんなのただのプレイだよ。腕のことは矢田さんに聞いてよ、貴方のせいじゃないから」
百目鬼「すまん…本当にすまん…」
いつまでも謝り続ける百目鬼さんに困っていたら、百目鬼さんの携帯が鳴り響く。
携帯に出た百目鬼さんは、今日仕事があったらしく、待ち合わせの相手に謝っていた。
百目鬼「悪い、賢史(けんし)情報は先にデータで送る、合流は1時間待ってくれ、悪い」
忙しそうだな…ストレス溜まってたんだな…
仕事なら、僕は早く出てった方がいいな…。
あっ…しまった…服が無い…。
百目鬼「お前動けるか?」
マキ「あ、うん、今…」
「出て行くね」と言いかけたら、体がふわりと持ち上げられ、百目鬼さんにお姫様抱っこされて風呂場に担ぎ込まれた。
マキ「百目鬼さん、僕何ともないから」
百目鬼「見てみなきゃ分からない」
ボロボロの破けた服を脱がし、僕の体に傷が無いか見て回る。
数カ所の歯型とキスマーク、手首の拘束の跡。それ以外、目立ったものはない。
しばらくマキの体を確認していた百目鬼は、視線が、マキの胸元で止まった。
マキの胸もとには、何も無い…
マキ「?」
百目鬼「………せっかく〝治った〟てぇのに、こんなことして悪かった…」
酷く疲れた顔の百目鬼が、また悲しそうに目を細め、頭を優しくポンポンとされた。
治った?
僕、別に怪我なんかしてないけど?
意味がわからずにいると、すぐに風呂に押し込まれ、温いお湯を頭からかけられ、百目鬼さんが僕を洗い出す。
マキ「え!?百目鬼さん仕事でしょ!僕自分でできるよ!」
百目鬼「煩い!黙ってろ!泡が口に入る」
少し乱暴に慣れない指が、ワシャワシャ頭を洗い、体もスポンジで洗われた。
さっき電話で「1時間待て」って、僕を洗う時間だったの!?仕事は!?
僕の面倒見るより仕事優先しなきゃ!
百目鬼「中に傷を見るから四つん這い」
マキ「ちょっ、いいよ、切れてないし」
百目鬼「お前には見えないだろ」
低い声が、あまりにも悲しそうだから、渋々四つん這いになった。
百目鬼「触るぞ」
いちいち優しいのは、過去の修二に対する罪悪感からか…。
僕にそんな気を使ってくれなくて良いのに。
百目鬼「ッ…。掻き出す、指入れるから」
昨日、百目鬼さんは覚えてないけど、実は中に4回は出された…
マキ「ん…」
百目鬼さんの指が、恐る恐る入ってきて、中を広げる。
中が切れてないか丁寧に確認しながら「痛むか?」と何度も聞かれ、中から昨日の百目鬼さんのものがいっぱい流れ出てくる。
僕は、大昔は別として、先生の元にお世話になってから、先生の所で性病やエイズの検査を受けた人間とセーフティーセックスしかしていない。
生で中出しなんて普段しないから、その感触にゾクゾクする。
痛くない…むしろ…感じる…
マキ「んぅ…んん」
僕のははしたなくも元気になってるけど、一生懸命気をそらして耐える。
中を洗ってくれてるだけだけど、百目鬼さんの指が気持ちよすぎて腰が震える。
両手で口を塞いでも、声が漏れる。
マキ「ん¨っ…ッ…」
百目鬼さんは僕とセックスしたこと、凄く後悔してるんだ。
さっきっからずっと、痛くて悲しそうな顔をしてる。
そうだよね…。
1年半前のあの日「俺は変わりたいんだ」って言ってたもんね、それなのに僕は最後のチャンスかもって抗わず気持ちよくなっちゃって、なんか、凄く申し訳ない…。
百目鬼「そんなに痛いのか?」
マキ「ッ、…痛くない…」
百目鬼「じゃあ何で、そんなに歯を食いしばってる」
マキ「…声…が出そうで…」
百目鬼が、四つん這いのマキの股の中を覗くと、マキのものがお腹にくっついていた。
百目鬼「……」
マキ「しょ、しょうがないじゃん、昨日の百目鬼さん、僕のこと1回しかイかせてくれなかったんだよ…」
百目鬼「!」
どんなにお願いしても、イかせてくれなかった。「まだ終わりにしない」って、何回も百目鬼さんは中出しする癖に、僕にはダメだって…
マキ「ゴメン、我慢するから、早くお終いにするか、放って出てって…、傷は無くて安心したでしょ?」
百目鬼「…」
僕を見て悩むように眉間にシワが寄る。
だから、僕的には、放って出てくれないと割と辛いのだけど…。
百目鬼「…悪かった」
マキ「ひゃぁっ!」
すまなさそうな声と同時に、大きな手が僕のものを掴んで扱く。
そんなことしてくれるなんて予想してなかったから、思いっきり声が響いてしまい、僕は慌てて口を塞ぐ。
マキ「んふ…んん、ん、ッ、ッ、ーーー」
両手で口を押さえ、床のタイルにおでこを押し付けて悶え、昨日からせき止められてた熱があっという間に弾けた。
百目鬼「だから、なぜ指を噛む」
マキ「……はぁ…、はぁ…、ごめんなさい」
こんなことやらそうと思って言ったんじゃないけど…、百目鬼さんからしたら、やれって言ってるように聞こえたのかな?
失敗した…
百目鬼「………流すから」
シャワーで体を流し、その後も、終始なれない感じなのに豪快だったけど、怪我した痛む腕は、凄く丁寧に扱ってくれた。
百目鬼「どこか、痛むところは?」
マキ「ないよ」
へらっと笑いながら、内心ドキドキしてた。
優しく触られると困る…
そんな狼狽えた優しい瞳でこっちを見ないで、あの日みたいで…凄く困る…。
お風呂を出ると、大きな手が、モコモコの柔らかいバスタオルでガシガシ頭と体を拭かれ、なんだか心が痛む。
こんな風にしなくていいのに、あの日の最後みたいに、突き放してくれたらいいのに、至れり尽くせりで凄く困る。
ドライヤーをマキに渡した百目鬼は、寝室に足早に行き、マキの着れそうな服と水のペットボトルを持ってきてくれた。
百目鬼「飲め。あと着れそうなの着ろ」
まぁ、着れそうって言っても、どれもぶかぶかで、外に行ったらすぐに服を買わなきゃなって思った。
百目鬼「さすがにズボンは無いな…」
百目鬼さんのサイズじゃ大きすぎで、ベルトもあまり役には立たない。仕方ない…
マキ「いいよ♪、昨日のスカートは破れてないし、これ履いていく」
百目鬼「すまん、すぐに服を用意させる。それから、矢田と病院行ってこい」
マキ「えっ?」
百目鬼「俺は今からどうしても外せない仕事がある、午前中には終わるから、矢田と病院行って帰ってきたら話しを聞かせろ」
マキ「やだな♪だから、腕は百目鬼さんのせいじゃないって♪…」
僕がへらっと笑い飛ばしたら、低い声が聞こえてきた。
百目鬼「それをキチンと知りたい、だから逃げるな」
真剣な瞳で見つめられ、瞳を瞬いた。
この人は、どうしてこんなに…
マキ「…うん」
気がついたら、返事をしてしまっていた。
心のどこかで…
もう少し一緒に居られるって感じたからかもしれない……………
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