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番外編50ひと夜咲く純白の花の願い
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マキが着替えている間に、百目鬼達はVIPルームのコの字型のソファーに腰掛け、食事を取っていた。
左から矢田と杏子と檸檬、真ん中に百目鬼、右に賢史。
百目鬼と賢史はウイスキーの水割りを飲みながら、菫ママの料理を摘んでいた。
菫「お待たせぇ?!ラブリーラビットちゃんの登場でーす♪」
菫ママの紹介でVIPルームに足を踏み入れた僕は、全員の視線を浴び、可愛子ぶりっこでご挨拶。
マキ「こんばんは♪マキです♪♪」
頭にピンクのうさ耳風リボン。
フワ生地の大きめチョーカーをリボンにして首に結び。
二の腕までの黒のレースの手袋。
紺生地に白の水玉フレアワンピース。
腰のベルトを高めに付けて、丈の短いスカートから色白の生足がすらりと伸びる。
バニー風マキ。
賢史「…」
百目鬼「ブッ!!」
口の中のお酒を勢いよく吹き出した百目鬼さんは、グラスをテーブルに叩き付けた。
ーダン!!
百目鬼「なんて格好させてんだ菫!!」
菫「可愛いでしょぉ?♪」
百目鬼「ふざけんな!なんだその丈!中身見えるだろ!」
怒鳴り散らす百目鬼さんに僕はスカートの裾摘んで、人差し指をホッペに当てて、舌をペロッと出す。
マキ「テヘ♪中身はホットパンツだよ♪見る?」
百目鬼「ッ!てめぇーのなんか見たくねぇーんだよ!」
菫「ちょっと神!レディーに失礼よ」
百目鬼「見たいって言ったら変態だろうが!!」
もともとイライラしてた百目鬼さんは、どうやら僕のウサギさんはお気に召さなかったようで、ギャンギャン吠え出した。
菫ママは困った子供を見るような呆れた顔で深いため息をつく。
菫「もう、気の利いたことの一つも言えないんだから、だからあんたはいつまでもパートナーに恵まれないのよ」
百目鬼「そんな風に男に媚びた服のどこに気を利かせればいいんだ、俺はそんな露出した服は嫌いだ!」
へー。百目鬼さんて結構お固いんだね。
ああ、肉食系は嫌いなんだったっけ。
百目鬼と菫ママのやりとりに、矢田と檸檬かハラハラしていたら、それを見ていた、賢史が大笑いした。
賢史「あははッ、神が悪いだろ。マキちゃんこんなに可愛いのにさ。ねぇマキちゃん俺の隣おいでよ」
賢史さんが自分の席の左側を開けてポンポンと叩く。
菫「やだ賢史ちゃん、マキちゃんに変にちょっかい出さないでよ」
賢史「ちょっかいなんて人聞き悪いな、可愛いい子を口説くのに菫ママの許可が必要なの?」
菫「必要ですぅー」
賢史「あはは、はいはい、変なちょっかいは出しませんよ。ねぇーマキちゃん」
ニコリといい男風に笑うから、僕は最上級の笑顔で返した。
マキ「お隣失礼しまーす♪」
座ると早速肩を抱かれ、息のかかる距離でドリンクのメニューを見せてきた。
「何飲む?」ってスマートに差し出されたのはお酒のメニューで、僕はにっこり丁寧に「未成年なので」とお断りした。
賢史「いいじゃん一杯くらい、ね?」
百目鬼「ね。じゃねぇーだろ!お子様はお子様らしくジュース飲んでろ!」
百目鬼さんが賢史さんの前とかお構いなしにソフトドリンクのメニュー表をズイッと見せてきた。
僕は最初に目に入ったオレンジを頼む。
賢史さんはメニュー表と一緒に百目鬼さんを押しのけ、ニヤついた顔で言った。
賢史「なんだよ神、マキちゃんの隣が良かったのか?」
百目鬼「ッな訳あるか!!」
賢史「ハハッ、なら俺たちの邪魔すんなよ」
僕の肩を引き寄せてさらに体を密着させてそう言うと、それを見ていた百目鬼さんが眉をしかめた。
賢史さんは僕を百目鬼さんに近づけないつもりだ…。
ウケる。百目鬼さんが僕に近づく訳ないじゃん。そんな風にしなくても、百目鬼さんは僕の隣は避けたろうに…。
時間が経ち、僕以外の人達はみんなお酒を飲み出し、イイ感じに酔いだす。
席は時々入れ替わったりして、僕の隣も入れ替わる。檸檬さんだったり菫ママだったり杏子さんだったり。でもだいたい賢史さんが隣にいて、百目鬼さんは1度も僕の隣には来なかった。
ただ、しばしば気に食わないといった風の視線がチラりと向けられてる。
いつまでこの針の筵に耐えなければならないのか…、百目鬼さんが何かを話しかけてくる様子はない。
もう、関係ないのかもしれない。
他の男とセックスしたのに気づかれた時点で
百目鬼さんの中は、探し出したことへの後悔しか無いのかもしれない……。
賢史「マキちゃん、あんま食べてないじゃん、前もそうだったけど小食なの?」
マキ「あは♪食べてますよ賢史さん♪菫ママの料理すっごい美味しいから色々摘んじゃって♪」
菫「嬉しいわ♪マキちゃんってほんっと良い子!私の娘にならない?」
菫ママが僕の両手を掴んで切望すると、檸檬がもう酔って真っ赤な顔してゲラゲラ爆笑した。
檸檬「あはは!菫ママからこんな綺麗な子は絶対産まれないよ、無理無理」
あまりにゲラゲラ笑うもんだから、大柄菫ママが檸檬の隣でゆらりと立ち上がり野太いドスの効いた男声を響かせた。
菫「なんだって?檸檬」
檸檬「ひっ!!だ、だ、だ、だって、マキちゃんは洋風美人じゃん、菫ママは和風の大和撫子じゃない!」
矢田「ああ、成る程。確かに菫ママは大和撫子っすね」
慌てて取り繕った言葉だったが。矢田の一言が効いたのか、菫ママはコロッと笑顔に戻った。
菫「大和撫子…、そうねそうよねぇ?。矢田ちゃんグラス空いてる、次は何飲む?」
いそいそ矢田の飲み物を聞いて作りに行った。
マキ「百目鬼さんも無くなりそう、お代わりは?」
百目鬼「まだいい」
そう冷たく返事して、百目鬼さんはずっと僕以外の人にお酒を作ってもらってる…。
ふふっ、露骨すぎ、こうゆうところは子供だなぁ…
マキ「賢史さんもお代わりどうですか?」
賢史「……ああ」
ニコリと話しかけた僕に、賢史さんはわずかに眼を見張る。
僕は賢史さんの隣を嫌がったりせず、普通に接したり、時には自分から話題を振る。最初はニヤニヤしていた賢史さんも、だんだん「何故だ?」って顔してる。
隣に座った賢史さんは、特に嫌がらせはしてこない。百目鬼さんの友達の顔で僕に接し、菫ママの料理は何が一番おすすめだとか教えたり、百目鬼さんの昔話を話したりして百目鬼さんを怒らせたり楽しそう、普通の親友の顔をしていた。
時々百目鬼さんに対して、〝俺はマキちゃんがお気に入り〟ってパフォーマンスするけど、それは、僕を百目鬼さんに、百目鬼さんが僕に近づかないように牽制だって分かるけど、それだけだった。
まぁ、下手に動いて百目鬼さんに気づかれたら元も子もない…、雑魚みたいなダサいことはしない頭の回る人だってことと、本当に百目鬼さんを大事にしてるんだと分かった。
マキ「はい、半々で良いんですよね」
水割りウイスキーを作って氷を入れて混ぜて渡すと、賢史さんはそれを不思議そうに受け取る。
賢史「…サンキュー」
賢史さんも気づいてる。百目鬼さんが僕を避けてること。睨むような目で時々僕を見ること…。それでも僕は知らん顔してへらへら笑う。最初はザマァーって顔してた賢史さんだけど、今は何で僕が傷ついてないんだって顔してる。
ふふ…甘いなぁ…。
こんなこと全然平気。
さぁ、どうする?これでおしまい?
それとも次に移る?
僕はもう何だっていいよ♪
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