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番外編79ひと夜咲く純白の花の願い
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細い体はどんなに乱暴に扱っても、〝獰猛な百目鬼神〟を受け入れた。
息が出来ないほどのキスを繰り返し、体の最奥を犯してこれでもかと広げ、骨が軋むほど抱きしめた…
気がついたら…
それらすべてはこの細い体に悲鳴を上げさせるための行為じゃなくて…
自分が夢中になって〝願った〟結果だった…
『どうか……俺を……………』
色白の細い体は軋みながら
甘く鳴いてしがみつく…
どんな風に扱っても、
逃げるどころか絡みついて…
百目鬼の腕の中で甘くとろけて匂い立つ
百目鬼「くッ……ッッ………」
どうして?
どうして?
マキ「アッ…奥ッ…イイッ!……百目鬼さん…どぉめぇきさぁん……あぁ………んあっ…イっちゃう…どぉめきさんッ…イっちゃう!………あはぁアッッ!!」
何度目か分からないマキの白濁は、マキのお腹や胸に飛び散り、ベッドに垂れて汚していた。後ろからは収まりきらない百目鬼の熱が、まだ挿入されたままの場所から、トロトロと溢れて止まらない。
とろけたマキの瞳は虚ろで。ハァハァとだらしなく開きっぱなしの口からはどちらのものか分からない唾液が伝い落ち、体は小刻みに痙攣してまだ余韻で痺れていた。
ぐったりとしたマキに、ズキリと胸が痛むが、これは賭けだった。
マキを受け入れてから〝逃げたい〟と言われても、逃がしてやれる自信はない…
乱れた髪をそっと撫で、虚ろな瞳に問いかける。
百目鬼「俺はお前じゃ滅茶苦茶にしちまう。俺が欲しいのは、俺が望むのは、相手の全てだ。お前は人に好かれるし優しいし器はデカイ、魅力的だ、だが、お前は全てを晒さない、俺に全てを寄越す気はないだろ?」
マキ「…」
百目鬼「俺と付き合うって事はボロボロになるって事だ。心の内を晒すのは時に傷つくし、弱みを晒す痛みがある。俺は、次に好きになる人間を大切にしたい、お前は俺に素直になって相手を信じろと言ったが、お前は俺を信じて胸の内を晒せない。俺を信じられないからだろ?
俺もお前を信じられない、信じるには俺はお前を知らなさすぎる。お前は見た目と中身が違いすぎる、子供みたいに弱い内側を隠して強がって。好きだと言いながら俺を拒む。
本当のお前を知りお前を好きになるにはお前を見せてもらって好きになる時間が必要だ。可愛いいと思うだけじゃお前を受け入れてやれない……お前は脆くて儚い花みたいだ…。
俺じゃあお前を傷つけるだけだ…………
傷つけ合うだけなら………修二の友達のお前とは付き合ったりできない……」
マキ「………………………」
マキ…。
これが俺っていう馬鹿な野郎だ…
お前の真っ直ぐぶつけてくる愛情を拒みながら、その愛情を他の奴に渡したくないとか卑怯な事を思って…お前に手を出して…傷つけて…
お前が離れていくと分かった時、惜しくなった。最低だろ?
ほっとくという選択肢もあったのに…
お前の友達に警告された
他人が仲介しなきゃやってけない関係なら、初める必要はない
もっともな話しだ…
だけど、これで本当にお終いにするんだと思ったら…、足が勝手に動いてた…
いてもたってもいられず会いに行って
見つけたと思ったら暴漢に襲われてやがって
目を離すとすぐトラブルに巻き込まれてる
誤解を解こうと近寄ると
俺を拒むお前を見たら耐えられなくて
卑怯にもキスして引き戻した…
責任をとらなけりゃならないと思いながら…
付き合ってみるって手もあるかもしれない。だけど、付き合っちまったら、お終いだ。
マキは可愛い…ダメだと分かってて手を出したんだ…きっと…手放せなくなる
そうしたら…
マキの将来を潰す気がした…
俺は…自分の中の衝動を制御できない
マキを飼い殺しちまうかもしれない…
修二の時のように…
その時マキが逃げようとしたら…
俺はマキを逃してはやれない…
もっともっと慎重にならなけりゃならない…
マキは俺を好きだと言いながら、
心の中に入れてはくれない…
俺の愛情は狂気だ。
マキは修二から聞いたかもしれないが、聞いたのと実際に自分が当事者になるのとじゃ、全然違う。
マキは俺を可愛いだの信じればなんとかやれるだの言ってるが、もし本当に俺の気持ちがマキへ向いてしまったら…
マキは逃げるんじゃないか…
俺の狂気に耐えられず…
なら…
マキに教えるまでだ…
逃げられる今
俺の狂気を…
マキ「……百目鬼さん…」
乱暴に犯されて、気怠げな表情のマキが、妖艶に微笑む。
マキ「一つだけ、何もかも取っ払った正直な気持ちを聞かせて?」
百目鬼「…」
マキ「僕が百目鬼さんを好きな事は、百目鬼さんにとって嬉しいこと?それ以外?」
百目鬼「…」
ジュピター色の瞳が真っ直ぐ見上げてきてる。
何もかも取っ払って…
取っ払っうことが、
一番難しい問題だ。
だが…
百目鬼「………嬉しいさ」
マキ「………」
俺の答えを聞いたマキは、今までで一番優しい瞳を向け、嬉しそうに微笑んだ。
マキ「百目鬼さん、今、ワザと酷く抱いたでしょ?僕さ、何度も言ってるけど、あんな程度じゃ壊れないから。それにね。僕は、百目鬼さんが修二のことで今だに苦しむのは良くないなぁと思う、きちんと反省して、修二への気持ちを整理した上で大切な人として思い続けるのは良いことだと思うよ♪だって、修二はそれだけ魅力的な奴で。大切にしたい素敵な奴だって思える相手がいることは素敵でしょ?それにね…」
少しだけ視線を下げ、しみじみした様子で憧れるように言った。
マキ「百目鬼さんが狂う程修二が好きだったこと…やり方は間違ったけど、気持ちは真っ直ぐ何年も真っ直ぐ思って片思いしてた愛情が、修二を諦めた今も、修二の幸せを願うように残ってて、ずっとずっと大切に1人の人間を思える熱量が羨ましいと思ったんだ。僕はそんな百目鬼さんだから好きになったし、そんな風に狂う程愛されたいと思っちゃったんだ」
この子供は……何を言ってるんだ?
狂う程愛されたい?
俺の狂愛を知ってて…
そうされたいだと?
ぐッ……無理だ…
俺は…俺はこの手で、この気持ちで
修二を食い殺すところだったんだ…
それを羨ましい?
百目鬼「ッ…なに言ってんだ…」
マキ「ふふ、百目鬼さんにそれ言ったら、修二は酷い目にあったんだぞって、怒られると思ったから今まで言わなかったけど。僕はずっと羨ましかった。揺らがない愛情で思い続けてもらえる修二が……」
自分の中の動揺を必死に抑えながら、マキの悲しそうな瞳を見逃さなかった…
百目鬼「…マ…キ?」
マキ「百目鬼さん、続きシよ?今度は僕が上ね♪」
そう言ってニコッと微笑むマキは、百目鬼の首に腕を絡めた。
マキ「キスの続き、朝まではまだまだ時間あるよ?まさかアレで終わりなつもり?ふふ♪二十代ならまだまだできるよね♪百目鬼さん♪」
百目鬼「!?お前!何考えて…」
マキ「百目鬼さんが好き。それだけ」
ぐいっと顔を近づけてチュッとリップ音を響かせてキスをする。渋い顔をする百目鬼をマキはニッコリ微笑んで見つめた。
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