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百目鬼から見たマキ…
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百目鬼「俺がお前と付き合ってんのは、セックスのためじゃねぇぞ!!」
マキ「そ、そんなこと思ってないよ…」
それが思ってない面か!!
百目鬼「俺はもっとちゃんとお前を知りたい、お前がすぐそっちに持ってくんだろ!」
マキ「…そうだね、ごめんなさい」
ッ!!。駄目だ…、俺が感情的になったら、マキは閉じ籠る、可愛くない方のマキが出てきて心理戦で負ける。マキは俺の過去を知ってて、弱点を心得てる。だが俺はマキの事何も知らない…。
…俺を好きだと言いながら、俺を内側に入れない、拒絶する…。
マキのことが知りたいのに。こいつの抱えてるものを知りたいのに。どんな風に育ったのか、どんな恋をしたのか、何故、無邪気な顔と冷めた心を持ち、犠牲的で愛されることに飢えてるのか…
マキの事が知りたい。知りたいのに会えば朝まで体を重ねてしまう…。話をしたいのに、ヘラヘラ笑って誤魔化される。腹が立ち、そして暴走する。…その繰り返しだ…
俺はマキの全てを知りたいのに…
修二『百目鬼さん、相手の全てを手に入れるのは無理だよ。百目鬼さんも隠すでしょ?』
それでも…全て欲しくなる…
手に入れられたくて、泣かせてしまう…
修二『たぶん…マキは、僕と百目鬼さんみたいに何か抱えてる。気持ちが分かるから、僕の心を見透かすみたいに分かったんだと思う…。マキは何時も僕の不安をむつと華南に言わせるんだ…僕は死ぬ程嫌だった、自分を曝け出すのが。マキもそうなんだと思う。だから、僕の不安や恐れ、先々の心配事も全部先回りして、僕の不安の芽を摘んだんだ。マキは僕と同じなんじゃないかな?』
マキは修二と似た考えを持っている。
だから、修二の思考に当てはめれば、腑に落ちる物があった。
修二は俺と再会した時、むつと華南と付き合いたてで、幸せなはずなのに不安定だった。付き合えてることが、むつと華南の気の迷いで終わると思い込み、卒業と同時に終わるんだと思ってた。
マキも、付き合ってるって現実だと思えてなくて、すぐに終わる夢だと思ってるのか…
何でだ?会う約束はいつも俺から取り付けて、怒らないように優しくしてる。確かに会ってもセックスばかりで、デートは今日が初めてだが…。
今日の水族館、マキからの誘いだったから、やっと素直になる気になったのかと思ったが、甘かった。
マキは〝今日のデートの裏〟に、何か隠してる!馬鹿にしやがって!ふざけるのもいい加減にしろ!!
湧き上がる怒りを抑え、冷静にマキを追い込む。
百目鬼「そうやって憎たらしく隠して、俺がキレるって分かってて黙ってるつもりか?」
マキ「…」
百目鬼「お前はSEXの数はこなしてるがまともな奴とヤッた事ねぇんだろ」
マキの「…」
百目鬼「人には向き合えだの話し合えだの言うのは、自分がそうしてこなくて後悔したからだろ、憎たらしい顔してヘラヘラしやがって、どうして可愛いまんまでいられないんだ」
マキ「…ごめんね、こんな奴で。黙ってれば美人で可愛いってよく言われる」
百目鬼「ざけんな!人形みたいに作り物みたいな顔で笑いやがって。顔が良くて美人でもそんな偽もん良くねぇ!誘惑して誤魔化して憎たらしい魔性の〝フリ〟!違うだろ!もっとあんだろ!お前ってやつの中身が!チラチラ小出しにしてねぇで全部見せろ!こっちは小出しにさせるたび心臓もたねぇんだよ!俺はお前のそういうとこがムカつくし、可愛くて困んだよ!」
マキ(ぇえ?…かわ…?ムカつくんじゃないの??)
百目鬼「もっと普通にしてろよ、普通の方が可愛いとこあるのに…。今日のことだって、何で前もって言わない、前もって言ってくれればちゃんとしたんだぞ」
俺は、早く言えばスケジュールを調節出来た〝水族館行くのを〟って意味で言ったが、隠し事がバレてると思ってるマキは別の意味に捉えたらしく、俺を思いっきり睨んできた。
マキ「そういうの大っ嫌い。僕が言ったからやったみたいなの。可哀想みたいな同情も、そんなのいらない!僕は一緒に居たかっただけだもん、今日顔見れたらそれで良かった!知らなくて良かったのに…」
だから何を!?
マキ「それにややこしいじゃん、書類上では3月2日なのに、本当の誕生日は2月29日で、今年は閏年じゃないから28日とか…」
はぁああ!??誕生ビイイイッ!?
マキ「百目鬼さん知らなかったし、祝ってっやってとか言われたんでしょ!そんな同情絶対やだ!それに…本当の誕生日は出生届けの日が違うとか、絶対何でか聞くでしょ?説明が面倒だ……し…、…え??」
マキの言ってることがショッキングすぎて、知ってるフリを続ける事が出来なかった。
マキは、俺の驚いた顔を見て、自ら自爆した事を悟った。
マキ「…あ…れ?…」
百目鬼「誕生日……だと?」
マキ「あれ…れ?あは♪、修二…から…聞いたんじゃないの?」
修二!?
修二には言ったのか!!
自爆に困惑で表情が崩れたマキを、俺はギロッと睨む
百目鬼「今知った」
マキ「あ…ぁは…、最悪…」
百目鬼「っざけんなッ!!!!!
最悪なのはこっちだ!!!!」
マキ「ひゃぁッ!……」
ドカーンと落雷が落ちたところで、水族館の店員が止めに入った。
すっかり忘れていたが、ここは水族館の駐車場。閉園時間で見回りに来ていた店員が、百目鬼とマキが車で口論してるのを見て、危なく警察を呼ばれるところだった。
誕生日だと!?
何で言わねぇんだ!!
しかも出生届と本当の誕生日が違うなんて、本人の口から聞かなきゃ知りようがねぇじゃねぇか!!ざけんな!!
出生届の方の誕生日は知ってたさ!3月2日だ!ちゃんと知ってたんだぞ!!くそったれ!!
こんなんでどうやって笑顔にするんだ!?
どうやって、好きになれって言うんだ!!
ープルルルル♪プルルルル♪
檸檬『ハイ、百目鬼探偵事務所…』
百目鬼「檸檬か」
檸檬『え¨?ハイ、百目鬼さん何でそんな不機嫌なの?殺人でもしてきたみたいな声だけど…、デートじゃ…』
百目鬼「今すぐ一階に降りてきて俺の車を見張ってろ」
ドスの効いた低い低い声に、檸檬はゾッとして、直ぐに下へ降りて行った。
一階の駐車場には、殺気立つ鬼の百目鬼がいた。
百目鬼が強面で不機嫌なのはいつもだが、近年こんなに怒ってる顔を見た事がない。
本当は、今日のデートのあれこれが聞きたかったが、それどころではない。命の危険を感じる。檸檬はゴクッと唾を飲み込み、百目鬼の指示に黙って従う事にした。
百目鬼「檸檬、誰も車に近づけさせるな。特に矢田。そんで、車の奴を絶対逃すな、逃したら…分かってるな」
檸檬「ッ!了解っす!」
百目鬼「あと、触んな」
檸檬「うっス!」
鬼の形相の百目鬼が2階の事務所に上がっていく。姿が見えなくなると、背後の車が気になった。『奴を絶対逃すな』鬼の形相でいったい誰を捉えてる?
恐る恐る車を覗くスモークガラスの向こうには…
檸檬「ゲッ!!マキちゃん!!?!」
後部座席に横たわるのは、女装姿のマキが猿轡に手足を縛られ、ぐるぐる巻きで監禁されていた。
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