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*【bad medicine 】
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〜〜〜百目鬼〜〜〜
今日、うまくいけば時間が出来るからマキに夕食でも奢ってやれる、と思っていた。
たまたま寄った雪哉の店で、雪哉に警告された。
『仕事人間の君が考えてるより、遥かに寂しい思いを恋人にさせてるよ、よくマキちゃん怒らないよねぇ』
嫌味を言われた。…そうだろうか?
マキは、会うと直ぐ跨ってくる…。週3回事務所でバイトしてもらい、その後夕飯を作ってやりセックス…、会えば必ず煽って誘ってくる。それをなんとかしたかったが、気がつけばベッドの中でヤってる。
衝動は治るどころか、常習化してる気がしてならない…。
とある調査依頼が入ってきた時、少し頭を冷やせると思った。マキに駄々を捏ねられると思っていたが、マキは、離れたら離れたで、別に何も言ってこない。忙しくて泊まりは断ってるし、時にはバイト終わりの食事も断って帰ってもらうことも増えた。
だが、マキは大抵あっさりと「分かったぁ♪、お仕事頑張って♪」とさらっと返事する。
雪哉に言われてちょっとは気の利いたことをしないとと思い。雪哉の店で新作ケーキを2種類2つづつ買った。マキは甘いものが大好きで、俺と好みが似てる。だからこのケーキも気に入ると思った。
ケーキを持っていったら、マキの家にはむつと修二と華南が居た。
俺が構わなくても…と少し複雑で帰ろうとしたら、マキは珍しく、寂しそうな潤んだ瞳で見上げてきた上に、しおしおの項垂れた尻尾と、へにょっと下がりきった猫耳が見え、上目遣いで構ってオーラ全開。
今思えば、放っときゃ良かったんだ。
寂しい思いをさせてるのかと思い残ったが、修二と仲良くやってる。イライラが制御できそうになくて帰ることにした。
よりによって修二とベタベタしやがって…
事務所に向かっていた車の中で、マキからの着信、謝ってくるのかと思ったら、受話器の向こうから聞こえてきたのは華南の助けを求める声。
惚れ薬が紅茶に入ってて、マキと修二が絡み出し、むつも飲んじゃってて手に負えない。そんな内容の電話に堪忍袋の尾が切れた。
戻ってみたら、むつが部屋に拘束され、寝室には華南がベッドの足に縛られていて。ベッドの上には、はだけた修二を襲って覆いかぶさるマキが………
百目鬼「お前は修二に何やってるんだ!!」
マキを修二から引き剥がしてベッドから引きずり下ろし、思わず怒鳴ってしまった。
危なくその場でマキを縛り付けにするとこだったが。
修二が俺の背後でビクッと震えたのが分かった。
まずい…あまりここで感情的になると、修二が発作を起こすかもしれない…、湧き上がる怒りがありながら、不思議と周りが見えた。
修二の体は布団で隠したが、白濁で汚れていたから、正気に戻ったのかもしれない、何が起こったのかと視線をキョロキョロさせている。
一方マキは、俺に投げ飛ばされ、露出した下半身も隠さず困惑した表情で俺を見上げている。
マキはまだイけてないのだろう、見るに堪えない状態だった。
俺は舌打ちして、マキを睨み、スーツの上着をマキに投げつけるように下半身に被せ、低い声で叱責する。
百目鬼「ふざけたことしやがって、人の気持ちを遊びに使うんじゃねぇ。華南の手錠の鍵を出せ」
マキ「…」
マキは今にも泣きそうな顔をしながら、もの言いたげに俺を見上げた後、修二の顔色を伺った。
正気に戻ったらしい修二は、布団にくるまり落ち込んだ様子で、それを見たマキは悲しそうに瞳を揺らし、大人しく鍵を出す。それをひったくるように奪って、
直ぐに華南を解放し、華南が修二に抱きしめた。
華南「修二、正気か?」
修二「ごめん僕…」
華南「いいんだ、みんな薬のせいだから、マキもむつも修二も、みんな紅茶に入ってた惚れ薬のせいだから。気にすんな」
華南が優しく修二を包み込む、その腕に安心したように修二の表情がほころんだ。その様子をマキは悲痛な眼差しで見ていた。惚れ薬のせいでしなくていい失恋をしてる。自業自得だ。
大人しくなったマキを、手錠でベッドに繋いで、俺は立ち上がる。
百目鬼「薬が抜けるまでここで大人しくしてろ、お前は遊びでやってるんだろうが、こんな最悪な遊びに修二を巻き込むんじゃねぇ」
マキ「…」
項垂れたマキは反応せず。そんなマキを修二が庇う。
修二「百目鬼さん止めて、マキも飲んじゃってるんだよ、マキがやったとは思えない」
百目鬼「どうせイタズラしようとして、間違って飲んだとかそんなことだろ、こいつはそういう前科がある。いくら修二の友達でも、惚れ薬や媚薬で人を弄るなんて許されない、俺は許さない」
マキ「…」
百目鬼「とにかく、華南、修二をシャワーにでも入れてやれ」
前を汚してる修二が真っ赤になり、それを華南が隠すように抱き寄せる。
上手くいってるのはいいが、あまり目の当たりにはしたくない光景だ…。
俺は修二と華南を寝室から連れて出て、マキを寝室を残し、寝室の扉を閉める。
マキは、項垂れたまま動くことはなかった。
ーパタン
華南「百目鬼さん、あの言い方は…」
百目鬼「もう用事は済んだろ、お前らもさっさとシャワーするなり服着るなりしろ、俺もこんなところ早く帰りたいからな」
早く帰らないと、今の俺はマキに何するか分かったもんじゃない。
しかし、修二が食い下がろうとした。
修二「百目鬼さ…」
むつ「あー!華南寝室で修二と何してたんだよ!」
惚れ薬で〝華南にだけ〟惚れているらしいむつは、布団に包まって華南に連れられる修二を見て、吠える。
華南がむつを宥めてるが、なかなかむつは納得しない、さっさと抜いてやりゃいいのに…。
そしてむつよりめんどくさいのが、1人いる。状況の理解できない矢田が、マキさんは?と聞いてきたが、俺は冷たく吐き捨てた。
百目鬼「マキは寝室に閉じ込めた」
矢田「え!?な、なんでそんな事を!」
百目鬼「薬を紅茶に混ぜて遊んでやがった」
矢田に説明したものの、矢田にはさっぱりの話だ。
華南「違いますよ百目鬼さん!惚れ薬の瓶にはヒビが入ってて、棚の中から紅茶に垂れてたんだ」
華南の言葉に俺は少し首を捻る。
百目鬼「…さっきと話しが違う」
華南「俺はマキがやったなんて言ってない、惚れ薬をマキと修二が飲んだみたいだって言ったんだ」
百目鬼「…」
じゃあ誰がやった?惚れ薬はマキの持ち物だろ…、それに、マキは反論しなかった。
すると、華南と俺の間で、矢田が青ざめガタガタ震えてた。
百目鬼「矢田?」
矢田「す、す、すみません、その瓶って、赤いハート型の小瓶ですか?」
百目鬼「お前、なんで知って…」
矢田「すいやせん!!」
矢田の突然土下座。
その意味に、最悪な予感しかしない。
矢田「その瓶、お、俺が落としてしまって、何処から落ちたか分からず、他に落ちてきたのと一緒に吊棚の中に、俺が入れました!!まさかヒビが入ってたなんて知らなかったんです!すいやせん!!」
百目鬼「はぁあーーーー!!?」
なんだと!?じゃあ、マキは完全な白?!
今すぐ殴ってやりたい衝動があったが、それどころじゃない!衝動を呑み込み、直ぐに寝室へ。
ガチャっと勢いよくドアを開けたら、その音に、マキはビクッと身を縮め、そっぽを向いて顔を必死に隠そうとした。
マキは…、一人、さめざめと泣いていた。
声も出さず、ただただうつむいて…。
どうして…。そんな風に泣く…。
ズキズキと胸が痛む。言葉は直ぐに出てこなかった。
そんな俺の横から顔を出した修二が、そっとマキに近づく。しかし、マキは振り向かずに拒絶した。
マキ「こないで」
修二「マキ…ごめんね、誤解は解けたから泣かないで…」
マキ「………ふふふっ…まさか…、へへっ、汗かいちゃっただけ、気のせいだよ。だからこっちこないで…。惚れ薬、まだ抜けてないから、修二と百目鬼さん達は帰って…」
涙を見せることに異常な拒否反応を示すマキは、修二を遠ざける。
百目鬼「マキ、悪かった…」
マキ「百目鬼さんは悪くないよ、止めてくれて良かった。ありがとう。だから帰って…。百目鬼さんは怒って当然だから…ッ…」
修二「マキ、百目鬼さんは怒ってないよ。勘違いしちゃっただけだから」
マキ「怒ってる…、怒ってるよ…。それに今の僕おかしいから、修二が華南とイチャイチャするの悲しいし、百目鬼さん怒ってるし、モヤモヤぐちゃぐちゃするし、百目鬼さんが…」
修二「…………僕が華南といるのが悲しいの?百目鬼さんが怒ったから悲しいの?」
マキ「…」
マキの反応や仕草は子供みたいで、混乱して戸惑ってる。
直ぐにでも涙をぬぐってやりたい…
百目鬼「悪かった、お前は悪くない。もう怒ってない」
マキ「……ほぉ…んと?」
百目鬼「だから、さっさと抜いて正気に戻れ、手伝ってやる」
マキ「やだ!僕、今おかしいから、修二に気持ち傾いてるのに百目鬼さんを利用するみたいなの嫌だ」
はぁ?
なぜそんな風に思う?
自分は散々利用しろだの使えだの言ってたのに?
俺を利用するみたいで?
だったら誰にやってもらうっていうんだ…
俺以外の、誰に、触らせるって言うんだ!
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