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(番外編)純愛♎︎狂愛6
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次の日、むつの勤めるマッサージ店に行き、女の子を家に呼ぶことについて釘を刺しておいた。
だけどむつは、あまり重要視してないみたい。
まったく先が思いやられる。
探偵のバイトの方は進展なし。
姫香さんと姉妹のふりして買い物しても、犯人の気配は現れず。
女の人と買い物とかしたこと無いからちょっとどうなるかと思ったけど、姫香さんと普通に楽しんでる。姫香さんは本当に良い人で、婚約者の輝樹さんを愛しているんだなぁって色んな場面で感じる。
だって、買い物して目にとまるのは、みんな男性物。全然自分のとか見ない、「なんかプレゼント探してるの?」って聞いたら、「つい目がいっちゃうの」ってキラキラした笑顔で恥ずかしそうに言った。
可愛いなぁ、僕もこんな風に純粋だったら、少しは好きになってもらえたかな?
マキ「あのさぁ、結婚記念に時計はどう?」
姫香「え?」
マキ「時計はね、良いの買えば一生物になるし、〝あなたと同じ時を生きたい〟って意味もあるんだよ♪」
姫香「素敵ね」
姫香さんは凄く喜んで、時計店へ。
姫香さんが選んでる間、僕もキョロキョロ見て回る。
すると、運命の出会いが…。
僕がジッとショーケースを覗いていたら、姫香さんも一緒になって覗いてた。
《世界に一つ、オーダーメイド腕時計》
飾ってあるのは個性的な時計ばかり、シンプルなのも2.3個ある。値段は3万くらいから。
世界に一つだけ…。百目鬼さんに買ったらつけてくれるかな?でも、ただ買ったんじゃ怒られそう…。でもでも、百目鬼さんの誕生日10月でまだまだだし…。4ヶ月も先だ…
姫香「贈りたい相手がいるの?」
マキ「え、なんで?」
姫香「今とっても愛おしそうな可愛い顔してた」
………僕?
姫香「その腕時計をくれた人?」
姫香さんが僕の腕時計を指さす。
ドキッとして、でも、相手を言うわけじゃないから隠す必要ない…よね。
マキ「…うん、…好きな人から貰ったの…」
姫香「や〜ん、照れちゃって可愛い」
マキ「…」
姫香「オーダーメイドで注文するならさ、お揃い風も良いよね」
え?
それは思いもよらない提案だった。
姫香「お揃いだと露骨すぎて困る場面もあるから、似せて作ってもらって、ペア風?
って、男の人は嫌かな?」
お揃い風。百目鬼さんにも青の文字場の時計…
うわぁあ♪それいいなぁ…♪
そういうの作れたら素敵だろうなぁ♪
姫香さんはじっくり考えたいからと、また今度他の店も見てみることにして、今日の任務は終了。
一応ブログにも載せ見えない犯人にアピールしてはいるんだが。
写真は相変わらず届くけど、その姿は確認できない。
僕が女装するのに使ってる服は、菫ママから借りている。使った服を洗濯して次の服を借りに店に行くと、開店前の店にはお姉様方が何やら盛り上がっていた。
マキ「こんにちは、何してるの?」
キャサリン「やん♪マキちゃん、今日も可愛いわねぇー、羨ましい!!」
マキ「ありがとうございます、キャサリンさんもその新しいネイル似合ってますよ♪」
キャサリン「流石マキちゃん!気づいてくれたのねぇ♪。んふふ。マリンがね、いい男見つけてね、皆んなで誰がタイプか盛り上がってたの」
マキ「へー」
キャサリン「マキちゃんはどんな人がタイプ?」
マキ「僕は…」
答えようとしたら、すかさずカウンターから菫ママが突っ込んできた。
菫「やだぁ〜キャサリンは鈍感ねぇ、マキちゃんは神が好きなのよぉー」
キャサリン「えっ!?百目鬼さん!?」
マキ「…(鈍いんじゃなくて、菫ママは勘良すぎ)」
キャサリン「やだぁー、あんなブッキーなロマンの欠片もないのがいいなんて、幸せになれないわよマキちゃん。男は王子様みたいな人じゃないと、百目鬼さんて強くてかっこいいけど、プロポーズとか居酒屋でしちゃいそうじゃない?
私は可愛い男の子がいいなぁ♪茶髪のやんちゃ系のおチビちゃん♪つっぱってる感じが堪んないの、私が癒してあげるぅー!!」
ん?茶髪のおチビ?
菫「キャサリン、年下の若いのばかり狙うから、あんたいつまでも処女なのよ、化石になっちゃうわよ」
キャサリン「いくら菫ママでも、背負い投げぇー」
マキ「年下茶髪のおチビって随分特定されるね」
キャサリン「ああ、だから、マリンがね、出勤途中の道路工事の現場にいるマッチョな殿方の写真撮ったの、その中に奇跡的に私の好みの〝年下のやんちゃ系茶髪の男子のおチビちゃん〟が居てね、マキちゃんも写メ見せてもらいなよ」
マリンさんの写メを見せてもらい、僕は唖然とした。
だって、そこにはなんと〝むつが写っていた〟。
昼間、修二と華南と過ごせるように転職したむつが、なぜか、また夜のバイトをしてる。
嫌な予感がする。これはほっとけない事態だ。
修二に聞く?いや、修二はきっと知ってたとしても話さないだろうし…、変に刺激しないほうがいい。となると、このむつを捕まえた方が早い。
直ぐにマッサージ店に行ったら、むつはクビになってて、なんと女性社員と色恋で揉めたとか…
案の定、相手はあの二つ結の女だった。
夜中の工事現場にいるむつを捕まえて菫ママの店に拉致って話を聞くことにした。
菫ママに場所を借りる代わりに、チャイナドレスを着せられた。これがまたスリットが凄いことになってて、百目鬼さんが居たら完全アウト。
むつはといえば、終始死にそうな顔。
最初はガツンと言ってやるつもりだったけど、普段煩いくらいキャンキャン吠えるワンコロが元気ないと、なんか調子が狂う。
取り敢えず、温かいものをお腹に入れさせ、むつの事情を聞くことにした。
むつは、怯えたように「…修二が…なんか言ったのか?」「華南?」と聞く、どっちからも何も聞いてない、と答えると、僅かに安堵し泣きそうな顔してた。ビックリするくらいの憔悴ぶり。
話を聞いたら、酔って女とヤったかもしれないって、覚えてなくて女と揉めて、職場にまで影響してクビになったと、まぁ、悲惨な事態。
不器用な天然獣は、まず職を探し、そこをどうにかしてから〝浮気を謝罪する〟と言った。情けない言い訳はしない、キチンと謝って許してもらうと…。浮気の記憶も無いのに、馬鹿な獣君。
叱ろうと思ったのに、そんな必死で情けなくなっちゃうなんて。
…僕に浮気疑惑が起こったら、百目鬼さんはどうするかな?「汚い淫乱やろう」ってバッサリ切り捨てられそう…。取り付く暇も無いだろうなぁ…。
僕が浮気なんてあり得ないのに…百目鬼さんは常に僕を疑ってる。
話しを聞いてもらえないのって辛いよね…
マキ「真実を話すべきじゃない?むつの真実を、覚えてないなら覚えてないで、カッコつけた言葉使わないで、問題が起きたら片方の意見だけじゃなくて両方聞かないと。その前後何があったか言ってごらんよ。僕が聞いてあげるよ。むつ君には借りがあるし…」
むつ「…俺、お前に何か借りたっけ?」
マキ「ふふ♪おバカさんだねぇ〜」
僕と百目鬼さんを付き合えるようにしてくれた。こんな大きな恩はない。
それに…
むつは、浮気なんて器用なことできないと思う。
マキ「…美樹だっけ?あの子むつのこと狙ってたんだよ」
むつ「は?」
マキ「確かめたいことがあるからさ、むつ君美樹ちゃんともう一度会って話してきなよ。『二人っきりで話しがしたい』って言えば美樹って子、絶対会いに来る筈だから♪♪」
僕はニコニコ笑った。
心の中はドス黒い復讐心に満ちてる。
僕の大事な友達の恋路を邪魔するなんて、いい度胸だなぁ…。
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