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(番外編)純愛♎︎狂愛32
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奏一さんが恥ずかしがって空気が柔んできたところで、なんでも相談に乗りますよってニコニコして、男同士の聞きづらい事でしょ?って迫るたら、奏一さんが申し訳なさそうに聞いてきた。
奏一「マキ君って、本当に男の子?」
真っ直ぐそう聞かれ、僕は瞳を瞬き、笑ってしまった。
マキ「あは♪僕ってそんなに可愛い?♪」
にっこり小首を傾げ、僕は丁度良いと思った。男同士について説明するために使えると思った。自分の体と、そこに残る痕を…
僕がワンピースから腕を抜き、脱ぎ始めたら、奏一さんは童貞男みたいにワタワタ慌てて可愛らしい反応をしていたが、上半身裸になった僕を見て、固まった。
僕の色白の肌についた、様々な〝痕〟に喉を引きつらせる。
僕の白い体には、〝紅い痕〟と大きな〝歯型〟そして、腕には〝拘束の痕〟が赤く痛々しく付いていた。
マキ「奏一さん、ビックリした?ごめんね」
奏一さんの脳裏には、修二の過去の姿が過ぎったのだろう。真っ青だ。
マキ「奏一さん、息止めちゃダメだよ」
奏一「ッ分かった!男なのはわかったから、服を着ろ!!」
目を逸らした奏一さんは、どんどん顔色が悪くなる。
僕の体の痕に恐れを抱く奏一さんの名を優しく呼びながら、彼の前に膝間付き、女の子座りで奏一さんの手を取った。触れた瞬間ビクッと怯えたようだが、僕はニコッと微笑み柔らかに包むようなに言った。
マキ「奏一さん、大丈夫だよ、これは、僕が大好きな人と抱き合った痕だから」
奏一「ッ…」
マキ「ほら、僕の目を見て」
握った手を僕の頬に導き、柔らかな頬に触れさせ包み込むように手を添えて微笑む。
奏一「…目が…」
マキ「ふふ、こっちが本当の色。僕はクォーターだから。奏一さんが固まってる間に黒のカラコン外したんだ」
奏一「…」
マキ「ふふッ、奏一さん、深呼吸して、手が震えてる」
吸って吐いてとゆっくり囁き、奏一さんがゆっくり深呼吸して落ち着くのを待つ。
奏一さんに知ってもらわなきゃいけない。
こういう愛が存在すること。
過去に修二が監禁された時、アレには少なからず〝愛しいが故〟という複雑な感情が存在したこと。アレは、同意ではないので許されないが、憎んでやってんじゃないと知ることで、少しは違うと思うんだ。
そして、息の落ち着いた奏一さんへ、優しく見つめて囁いた。
マキ「ビックリさせてごめんね。
でもこれは、大好きな人につけてもらった痕なんだ、僕にとってはどれも愛しい痕。抱きしめてもらった証なんだよ。奏一さんだって女の子とSEXした時キスマークくらいつけるでしょ?」
奏一「……するが…、歯型と…ッ…、拘束はしない」
マキ「奏一さん、僕はね、SEX依存症なんだ」
奏一さんが、なんの話しだって顔した。
それも想定内。
マキ「ふふッ、お医者様がね♪、愛情に飢えてるのを体で埋めようとしてるって言ってた♪。だから、僕はね、こうやって痕つけてもらうと凄く落ち着くし、拘束プレイとか独占されてる感じが凄く嬉しいんだ♪。だから、これは強要されたんじゃないよ、僕がして欲しいこと♪。
でもね、僕の好きな人はね、本当はこんなことしたくないの。会えばSEXばかりなのも嫌なんだ、本当はもっと普通に付き合いたいって。でもね、僕がダメなんだ、いっぱいSEXして、いっぱい抱きしめてもらって、いっぱい痕つけてもらって、いっぱい束縛して貰わないと、自分に自信がない…。見えない気持ちはいつ消えてしまうか分からないでしょ?だから、怖くて、今は優しい彼の心が、別のところへ行ってしまう気がして。僕の好きな人はもっと心を通わせようって言ってくれるけど、僕には…、この痕が薄れてしまうと…自信が持てない…怖い…」
こんな風に、強く愛されたい愛されないと嫌だと思ったのは百目鬼さんだけ。
百目鬼さんになら、変わることのない愛情を貰いたい、貰えると思った。誰からも必要とされない僕自身を、百目鬼さんなら愛してくれると思った。取り繕った都合のいい誰かのたのための僕じゃなくて、ありのままの僕を…
百目鬼さんが望む恋人のあり方を叶えたい、そのためにセックスに依存しちゃいけないって…、思えたのに…
百目鬼さんは、僕を好きにはならない…
僕は、初めて人に心情を話す。奏一さんの心を動かすには。心でぶつかっていかなきゃならない、同情や哀れみ、なんでもいい、懐に入り込むために…
マキ「僕は、ずっと好きな人のそばにいて、束縛されて毎日SEXして痕をつけてもらってないと、ダメな奴なんだ…。マゾじゃないんだけどね。大好きな彼の優しさを食べて生きてるの♪♪
奏一さんは、僕みたいなゲイでSEX大好きな子は気持ち悪い?」
奏一さんは複雑に考えた後、言葉を一度飲みこんでから、慎重に口を開く
奏一「……気持ち悪くはないが…………」
嘘だ。
受け入れがたいって顔しながら、一所懸命言葉を考えてる。その証拠に視線は右上だし、無意識に口元を手で隠すみたいな仕草をしてる。
マキ「ふふっ、嘘つき。〝意味分かんない〟〝気持ち悪い〟って顔してる」
奏一「それは…、いきなり脱いだりされたら意味わからないだろ、…それにそういう傷見るのが苦手なんだ…。だから気持ち悪いなんて差別したわけじゃ…」
マキ「奏一さんは、修二と似てるね。…この場合修二が奏一さんに似てるのかな?数回しか会ってないよく分かんない僕なんかに、気を使わなくていいのに」
奏一「君は…修二の友達だろ」
マキ「ねぇ奏一さん、疲れない?そんな風にアレコレ考えて気を使うの。本当は〝男同士なんか気持ち悪い〟って思ってるんでしょ?」
奏一「なっ!?俺は!そんなこと思って無い!!俺は、差別なんかしてないし、気持ち悪いなんて思ってない!!」
3回しか会ってない僕にそんなに必死に弁解しちゃって…。優しさは小日向家の遺伝なんだろうか?。でも、奏一さんは、ずっと修二とは違うところで、ゲイってものに悩んでたんだな…
奏一「…俺が、差別してるように見えるのか? それとも、修二がそう言ったのか?」
根っこはそこだ。
修二を理解して受け入れてるかって不安が、いつの間にか膨大に膨らんで、別の悩みに変化してる。
僕はゆっくりと、その根っこを手繰り寄せ、奏一さんに教えてあげる。修二の本当の気持ちを…、そしてゆっくりと、根っこを辿って伸び散らかった悩みを一個一個別々にしていく。奏一さんの悩みは、どれも修二を心配な故の悩み。でも、元は一緒でも、バラして考えるべきだ。そして、根っこの先にぶら下がってる最大の問題に…
マキ「修二を理解できてるか?百目鬼さんを許せるか?そこから始まって、今は、〝男を受け入れられるか〟って悩んでない?」
奏一「え!?」
マキ「違う?」
奏一「…あ…それは…、その…、なんで見当違いなんだ。俺は、ゲイのセクシャリティーを理解したいと…」
行き過ぎ…真面目すぎ…優しすぎ…
マキ「…奏一さんは男と恋愛したいの?」
奏一「…ぁ…それは…、今、色々考えて…」
恋愛を…色々考えてる…
奏一さんの言葉に、胸が締め付けられて、息が止まりそうだ…
死にそうな自分の心を押さえつけ、話しを続ける。
これは、奏一さんのため。
僕の大事な友達の修二のため。
僕の大好きな百目鬼さんのため…
マキ「全部バラシて考えなきゃ。修二を理解出来てるか?、むつと華南との付き合いを許せるか?
男同士の付き合いに理解あるってことと、男同士でお付き合いを出来るっていうのは、全然違うことなんだよ」
躊躇するな、顔に出すな、百目鬼さんの幸せに邪魔なものは全て取り除かなきゃ…
それが、僕であっても…
マキ「奏一さんは、男を受け入れられるか悩んでる。〝色々考えてる〟?。男同士がどんなか気になって色々考えるのは、恋に悩んでるから?
受け入れたいと思ってる相手は、
〝百目鬼さん〟?」
奏一「……」
奏一さんは絶句して、固まってる。
僕は、奏一さんの反応を一つも逃さないように、ジッと見つめた。
男同士の恋愛について、困ったようにしていた奏一さん、途中赤らんだり眉間にシワを寄せたりしていたが、その相手が百目鬼さんかと聞くと、固まったまま暫くして頭を抱えた。
僕は、1人で無駄に緊張してる。
この答えYesなら、百目鬼さんの長年の想いと、罪との両方が解決してきっと幸せになれる。
この答えがNoなら、せめて和解出来るように奏一さんの心を和らげたい…、そしてNoであってほしいと思ってしまう自分がいる…
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