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(番外編)純愛♎︎狂愛34
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奏一「何度見ても不思議で綺麗な瞳の色」
にゃっ!?
めっちゃ近い!!近いです奏一さん!
修二と似てるのに修二より凛々しい感じでカッコイイ顔が、ほろ酔いで近づく…
マキ「そ…」
奏一「すっげーいい匂いがする…。ふふっ、彩しゃんみたい」
〝あやしゃん〟?
酔ってるのか、緊張が解れたのか、奏一さんは僕の首元をクンクンして、フフフッと笑った。
何この人、可愛い。
マキ「フルーツの香水です」
奏一「へぇー、フルーツかぁ、だからほんのり甘いのにホッとするような…」
納得した奏一さんは、僕から顔を離し、あぐらをかいてリラックス気味。
あっ、今更思い出した。
修二って薬が効きすぎる体質だった、もしかして、奏一さんもそういうのあるのかな?僕の部屋普段アロマ焚いてるから匂い残ってるし、この香水もリラックス系だし、紅茶もそうだし、さらに奏一さん酔ってるし… 効き過ぎ?
それにしても奏一さんって可愛い…普段のクールで怖い感じからは想像つかないんだけど…、イメージ的には虎?虎にマタタビみたいな感じ?酔うと可愛くなっちゃう人なのかな。
奏一「見た目も匂いも、もし男と恋愛するにしてもそういう感じだと思うし…、ぜーんぶぶっちゃけて言うなら、やっぱ今の俺には男は厳しい」
マキ「いいと思いますよ、ぶっちゃけましょう♪、言葉を選んでたら正確には気持ちが伝わらない」
砕けた感じで話す奏一さん。きっと普段はこっちなんだろうと思いながら、僕の知ってるクールで怒ると怖いお兄さんのイメージからかなり外れている奏一さんを、面白いなぁと思いながら話しを聞いた。
奏一「女顔の君ならなんて、気分を害すること言ってたらごめんよ。でも、全部ぶっちゃけて取っ払って別々に考えても、百目鬼となんてありえない。俺は、男となんて考えたことないから、男男しいあんなヤクザ顔からなんて入りづらいし、好みじゃない」
うん♪奏一さんかなりぶっちゃけてる♪
実は結構口悪かったんだね。
ってか、百目鬼さんは、あの怖い顏がカッコイイのに…
奏一「それに、セックスもノーマル思考だから、君が裸にまでなって教えてくれようとしたことはなんとなく分かるけど、そうゆう愛し方しかできないのも、そうゆう愛され方しかできない人がいるのも分かったけど、俺は普通のやつしかできないし、普通がいい。男と恋愛は厳しいし、するにしても相手に百目鬼は無い」
マキ「…」
意外な素顔の奏一さんに気を取られて、僕はすっかり本題からずれてるのを思い出した。
マキ「えっと…、百目鬼さんにじゃなかったら、誰との恋愛について悩んでるの?」
そう、奏一さんが男と恋愛できるか?について悩んでることは、確実のはず。
奏一「…ぁ…」
思い出したのか、急に、ボンって顔を真っ赤にした奏一さん。どうやら、奏一さんも忘れてたみたい。
奏一「えっ…と…」
真っ赤になって湯気を出しながら、必死に顔を隠す、リンゴちゃんな奏一さん。
何この人!可愛いんだけど!外見は大人っぽいけど、中身は修二にソックリ!
奏一「そ、そ、それは…」
マキ「それは?」
男同士の恋愛に悩んでる=百目鬼さんだと決めてけていた僕。どうやら早とちりだったみたい。
恋愛については悩んでるようだけど、相手が違うみたい。考えが全くなかった。想定外。
奏一さんは、百目鬼さんを好きなわけでも好きになりそうでもなかった…
奏一「その…マキ君が色々体張って話してくれたとこ悪いんだけど…」
マキ「ああ…いいですよ、言いたくないならしょうがないですよね…」
凄くきになるけど、なんとなく〝あやしゃん〟が気になった。
でも…
百目鬼さんじゃなかった…
話しが途切れて沈黙した途端、僕は不安からフッと解放された。
緊張していた糸が切れ、自然と体の力が抜ける、ピンと伸ばしてた背筋がへたっと丸まった。
僕は、嫉妬から馬鹿みたいな勘違いで勝手に悩んで自滅してたみたい…
アハハッ…馬鹿だなぁ僕…
僕が脱力してうな垂れたのを、奏一さんは、話してもらえないから落ち込んだと思ったみたいで、うな垂れた僕に「うぅっ」て狼狽えた。
奏一「と、と、とりあえず、服着ようか…」
奏一さんは僕の服を優しく着せてくれながら、ちょっと緊張してるみたい、顔が赤いまま…、そしてファスナーを上げてくれながら、肩の噛み跡を見て、恐る恐るなぞった。
奏一「痛くないの?」
マキ「あは♪全然痛くないですよ♪」
奏一「…………君もさ、本当は分かってるんだよね」
急に、奏一さんの眼差しが切なくなった。
マキ「なに…を?…」
奏一「彼氏の気持ちを信じられれば、痕をつけなくてもいいって、君はMってわけじゃないって言ってたよね?不安を体で埋めようとしちゃうんだよね。俺に言われたくないだろうけど、彼氏のこと信じてあげたら?」
え…
突然の言葉に驚いたけど、奏一さんは修二のお兄ちゃんだ、そう思ったら、なんか納得して、言葉が胸に響いた。
とても痛い言葉だ
気持ちを信じる…
気持ちなんか聞いたことないよ
奏一「俺は、傷つけたくない彼氏と同じ意見になるから、好きな子には、傷なんかつけたくないし、傷を作って欲しいとかセックスばかりなのは、彼氏の気持ちを信じてないからだろ?だったら、やっぱ寂しいよ」
寂しい…?
奏一さんは、僕の彼氏の正体を知らないから、半分くらい見当違いな事言ってるけど、奏一さんの言わんとしている事は心に響く。
奏一「彼氏は知ってるの?セックス依存のこと…」
マキ「いいえ…」
奏一「君の彼氏がどんな人か分からないけど、君と分かりあいたいって言ってくれてるんでしょ?だったら、話してほしいな」
マキ「なんで…そんな事…」
奏一「いや、さ、マキ君が体張って、俺や修二の悩み事に親身になって考えてくれるのは凄く嬉しい、ありがとう。
だけど、俺はアブノーマルセックスはちょっと引いちゃうよ、だから、軽蔑とか気持ち悪いとかじゃない…」
奏一さんは、いつの間にかお兄ちゃんみたいな喋り方になってた。
動揺してるのは僕の方、奏一さんは、気持ちを立て直してた。
ってか、スッキリした感じ?
奏一「アブノーマルが分からない俺を、気持ち悪いと感じてるって、君は決めつけてる気がして…」
マキ「…」
奏一「マキ君、修二に似てる所もあるなって思って。ほら、さっき自分の事話してくれたろ?あと、その、寂しそうな瞳がさ」
奏一さんが僕の頭に手を置いて、ヨシヨシと撫でる。
百目鬼さんより少し細めの手が、百目鬼さんより遥かに優しく撫でてくる。
お兄ちゃんってイメージそのものの、優しい優しい瞳をして…
奏一「君が俺に教えてくれようとした事、何となく分かった。なんか、ちょっと気持ちが楽になった。ありがとう。
だからさ、言わせてよ。マキ君も、ちゃんと自分の気持ち、彼氏に言いなよ。俺みたいなアブノーマルが苦手な人間にも考える時間頂戴よ。勝手に、気持ちが消えちゃうなんて思われてるなんて、寂しいよ」
マキ「ッ!」
何?!
何でいつの間にか僕の話し!?
奏一「俺はさ、修二が1番苦しんだ時、何もできなかった。悩みを話してもらえなくて、抱きしめる事しかできなかった。でも、家族だから、話してもらえなくても、支えていいって、支えさせてくれよって強く思えた」
マキ「奏一さんは、ちゃんと支えてましたよ。修二が言ってましたから」
奏一「でもさ、彼氏とかってさ、血のつながりも無いから1から絆を作らなきゃいけない、だから、支えていいかな?俺でいいかなって悩んだりしないかな?もし、マキ君が彼氏の気持ちが離れていってるって感じるなら、それはマキ君が打ち明けてくれないからじゃないかな?」
マキ「…ぇ…」
奏一「俺は、修二に打ち明けて欲しかった。あの時の俺が受け止めきれたとは言い切れないけど、言ってもらえないことがずっと辛かった。一緒に考えたかった。マキ君を通して、俺は修二の気持ち知れてよかった。だからさ、マキ君も俺を通して彼氏の気持ち考えてあげてよ。マイナス思考厳禁で」
この人…怖い人だ…
修二が何であんなに強いのか…分かった…
奏一さんだ…
奏一さんは凄い人なんだ…
そっか…百目鬼さんはこういうところが好きだったんだな…
マキ「………無理」
奏一「どおして?君の彼氏は君と分かり合おうとしてくれてるんでしょ?」
マキ「そうだけど…」
違うんだ奏一さん、アブノーマルで悩んでるのは、彼氏の方だし。百目鬼さんは僕といると修二や奏一さんを思い出す。僕の存在そのものが百目鬼さんを苦しめる、しかも諸々言えない事情があるのにこんな親身になってもらっても困る…
奏一「俺が彼氏だったら、聞いて一緒に解決したいし、不安なら、そうならないようにしたい」
マキ「それは、奏一さんならそうかもしれないけど…、僕の好きな人は、そんな器用じゃないから…」
奏一さんの悩みを解決したかったのに、普通だったら、みんな自分の悩みで手一杯で、僕は、私は、ってなっちゃって人の悩みなんか考えてる余裕ないのに、僕の話した内容きちんと聞いてて、考えてくれてた。
修二もそういうとこあるけど、奏一さんの方が何枚も上手って感じ…
奏一「そう、でも、心の中に溜め込んでも、根っこが土の中に潜って行くだけなんだろ?」
マキ「ッ…」
奏一「マキ君は、修二の言った通り、人の気持ちを考える優しい子だけど。人の気持ちが君の想像通りって事ばかりじゃない、マキ君の悩みは、もしかしたら彼氏を困らせるかもしれない。だけど、打ち明けてくれた勇気を、彼氏も考えるんじゃないかな?俺は、ぶっちゃけ確かに男同士はまだよくわからない、だけど、修二が真剣に恋をして、むつや華南と一緒に暮らしたり、百目鬼に酷い目に遭わされたけど、百目鬼の気持ちを考えて許す修二を尊敬するし、俺は百目鬼が許せないけど、許したい。人の気持ちって一つに簡単にできないんじゃないかな?曖昧にどちらとも言える感情も存在する。許せるか許せないか、でも、許したい気持ちや許してやれない気持ちも存在する」
マキ「…」
優しさの中に凛としたものを持った柔らかな瞳が、僕をジッと見つめてる。
奏一「マキ君が裸になってまで教えてくれたこと、俺は感謝する。今、とても気持ちが楽だよ。だから、マキ君も、一度取っ払って考えてみたら?」
僕は、色んな人の悩みに触れてきた。
みんな最後は悩みが解決して喜んでくれた。
だけど、こんな人今までいなかった。
僕のことまで考えてくれる人。
この人は凄い人なんだ。この人の周りに人が集まる気持ちがよく分かる。修二が、〝兄貴は凄いカッコイイし厳しいけど、優しいんだ〟って言ってる気持ちが良く分かる。
ただね…奏一さん…
話したとして…解決はしないんだ…
アブノーマルで悩んでるの、彼氏の方だから…。それに…好きだって言ってもらった事無いし…。
僕が、セックス依存症だと百目鬼さんが知ったら、さらに拗れると思うんだよね…
百目鬼さんはセックスしたくない、僕はセックスいっぱいしたい。
それに、誤解も生むと思う。
〝俺を好きだからセックスしてたんじゃないんじゃねーか〟って思わない?
僕は、百目鬼さんが好きだからセックスしたいし、触れたかった。
だけど、百目鬼さんはそうじゃないんだ…
百目鬼さん…今、何してるかな?
会いたくて仕方ない
会って抱きしめて欲しいよ…
それだけじゃ済まないけど…
どうしたら…いいのかな…
正直に話したら…許してくれるかな?
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