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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛7
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結局、食事会は、何事もなく終了。
付けねらう人影は感じられなかった。
まぁ、1日でどうこうなるとは思ってなかったし、遠くから見てた可能性もある。
その日、事務所に戻り、マキに経過を報告させた、マキも何も感じなかったそうだ。
様子を伺いに来た賢史に、それを話し、俺たちは菫ママの店に向かった。
今日は、マキが先ほど夕食を済ませてたので、作る必要がないしな。
仕事の話しをしながらお酒を飲み、今後について話していた、すると、俺の携帯が鳴り、席を外すことに。賢史のもとにマキを残すのは嫌だが、菫ママの目の光るところで悪さはしないだろうと思った。
暫くして席に戻ると、賢史がマキに絡んでた。
マキもニコニコして嫌がるそぶりがない。
賢史「まぁ、飲めよ。俺が注いだんだぞ」
マキ「僕を酔わせてどうしたいの?」
賢史「んー、百目鬼と付き合ってないなら、お持ち帰り希望だ。なんてな。百目鬼と何ともないなら一杯付き合えよ」
賢史!!
マキに何してやがんだ!!
百目鬼「マキ、お前は何歳だったっけか?」
ソファーに座るマキの背後から、恐らく酒の混ぜられたコップを取り上げた。
マキ「えへ♪気分はピチピチの20歳♪」
二ヘラっと答えたマキに、メラメラと怒りが湧き上がる。
酔った姿を賢史に見せるのか!!
お前は何も分かってない、自分の容姿が周りに与える影響を!
百目鬼「アホ!実年齢だ!」
マキ「19」
百目鬼「だったら甘いジュース飲んどけ!これは没収だ!菫から新しいジュースを貰ってこい、ついでにつまみも」
ギロッと睨らむが、マキは「はーい♪」と軽く返事をして立ち上がった、が!
いきなり賢史がマキの腕を引っ張り、抱きかかえた。
賢史「まぁーまぁー、神もいちいち俺から女王様を遠ざけるなよ、付き合ってないんだろ?」
俺のもんに触んじゃねぇ!!
百目鬼「付き合ってないが、先生様からの預かり物だ、離せ」
低く唸っても、賢史に通用するわけがない、こいつは、俺の反応を見たいだけなんだ。
賢史「まったまた、マキちゃんこの半年で随分色っぽくなったよ?誰かとたっぷりエロエロセッスクしてんじゃないのか?」
こいつがエロいのは元々だ!!
賢史がマキの体をいやらしく触りながら腰に手を回し、ニヤニヤ。
いい度胸だ賢史。汚い手で触りやがって。
マキもマキだなぜ逃げない。まんざらでもないってか?構ってもらえて嬉しいのか?
こいつら、ふざけやがって!
賢史「なんで隠すわけ?ってか俺はてっきり2人はめでたくゴールインてな具合に、4月から同棲すんのかと思って楽しみにしてたのによ。せっかく邪魔してやろうと思ったのに、マキちゃん今1人暮らしなんだって!」
ウザい!
百目鬼「お前はそんなにゴシップ好きだったか?」
賢史「孤高の女王様に興味が出たって言ったろ?それに神には昔何度かMっ子紹介してやったろ?」
百目鬼「ッ!」
思わずマキを見たが、マキは無反応。
賢史「それとももう半同棲状態で隠れながらエッチしまくり?やっぱマキ様のテクは凄いんだろうな、経験豊富だもんな。毎晩大変だな」
百目鬼「馬鹿か、こんな奴と一緒になんか住めるか!」
マキと一緒に住むだと?!
こんな奴と一緒に住んだら精液吸い取られて干からびる。それに…
マキと毎日一緒なんて、俺を〝殺す〟つもりか!
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結局、檸檬の忠告も虚しく、また、マキを遠ざけてる。
見てしまったら、結局流されるからだ。
俺は今忙しい、俺は今忙しい。
檸檬「また〜。百目鬼さん、昼飯をカップ麺で済ませないでくださいよ」
百目鬼「俺は忙しい」
カップ麺をズルズル啜りながら答えると、檸檬は渋い顔をした。
うるさい、言いたいことはわかってんだよ。
百目鬼「俺はこの後出かけるから、後は檸檬に任せる」
檸檬「おかえりは何時ですか?」
百目鬼「今日は帰らない」
檸檬「…、マキちゃんが来る日なのに?」
百目鬼「…」
檸檬「そんなことばかりして、マキちゃんに嫌われても知りませんよ」
ッ…!
その言葉にズキッと胸が痛んだ。
マキが俺を嫌う?俺から離れる?
ゾワッと嫌な感じのものが竜巻のごとく現れ、心の中を煮えそうなものと、刺すような痛みに支配された。
離れるなら、手遅れにならない内に…
ずっとそう言い聞かせてきた。だけど、俺が手放すのとは違う、マキが俺を嫌うのは全く考えてなかった。
マキが、俺を嫌う…
ハハッ。俺は、マキは俺を嫌わないって思ってた…、そんな風に思ってたなんて驚きだ。
俺は、この手で、あいつを乱暴にする事しかできてないのに…
マキが俺から離れたがったら逃してやろう、ずっとそう言い聞かせてたのに。
俺は、マキは俺のことずっと好きなんだって思ってやがったんだ…
だから、こんなに胸が痛む…
ズキッズキッ
もう…とっくに、逃がしてやれないところまできてやがった……
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ストーカーの方は進展なし。
マキが姫香さんと姉妹のふりして買い物しても、犯人の気配は現れず。
俺は、遠くから2人を見守りながらオープンカフェにいた。
買い物のコースは決まっているし、俺みたいなのがうろついたらマキを現場に使った意味がなくなる。
俺は、姫香さんのつけてる盗聴器から、2人の会話を聞いていた。マキは、姫香さんが盗聴器を持っているのを知らない。賢史なりに、マキの安全も考慮してだったんだ。
マキは流石というべきか、本当に姉妹みたいに姫香さんと会話し、妹の振りも難なくこなしている。だから、2人の微笑ましい会話をコーヒーを飲みながら聞いていた。
姫香「ついつい、目がいっちゃうんだよね、輝樹さんに似合うかなぁーって」
マキ「ふふ、素敵。お姉ちゃん心底輝樹さんが好きって感じで凄く可愛い♪」
姫香「またー、からかわないでよ。輝樹さんがね、母が倒れてからずっと色々差し入れとかお花とか母にプレゼントしてくれてね。お返しはしてるんだけど、離れてる間にまた、私や母のこと思ってくれてるのかと思うと、ついね。結婚式も私の都合でこじんまりだし、なんかいいお礼がないかなぁって」
姫香さんも輝樹さんもとてもいい人で、賢史が手伝おうとした気持ちがよく分かった。
早くストーカーを捕まえて、安心させてあげなきゃな…
マキ「…あのさぁ、結婚記念に時計はどう?」
姫香「え?」
マキ「時計はね、良いの買えば一生物になるし、〝あなたと同じ時を生きたい〟って意味もあるんだよ♪」
姫香「素敵ね」
は?
マキの言葉に背筋が寒くなった。
耳を疑い、携帯で調べた。
すると、直ぐに表示された。
『贈り物の腕時計は、束縛や独占欲の現れ』
その文字を見て、愕然とした。
マキは心理学を勉強してる、だから、コレを知ってたんだ。知ってて、受け取って毎日腕時計をつけてるんだ。
〝あなたと同じ時を生きたい〟?
それって…
マキを縛ってるってことか?
俺は、知らず知らずに、マキを雁字搦めにして束縛して独占してるのか?
目の前が真っ暗で、過去に修二にした仕打ちがフラッシュバックした…
俺は…
しかし真っ暗な気持ちに構わず、2人の会話は続く、イヤホンは、2人の声を強制的に俺に届けた。
姫香「贈りたい相手がいるの?」
マキ「え、なんで?」
姫香「今とっても愛おしそうな可愛い顔してた。……その腕時計をくれた人?」
見えないが、マキは、今日も俺のやった腕時計をしている。
ドッと緊張した。まさか〝束縛や独占欲〟の象徴だなんて知らなかった。マキは、一体どんな気持ちで毎日あの腕時計をつけてるんだ?
いつも嬉しそうにしてたが…、もしかして…
悪い予感に心臓が締め付けられ、それでも容赦なく、イヤホンから声が聞こえてきた…
マキは…
恥ずかしそうにうなずいて、はにかんだ。
マキ「…うん、…好きな人から貰ったの…」
ッ…
耳から聞こえてきたのは、マキの照れた声。
声だけで、どんな顔したのかまでは分からないが。
姫香さんに「照れて可愛い」と言われ、マキは、言葉に詰まった。
あのマキが…。
マキ「ッ…」
マキ…
マキ……
今直ぐ抱きしめたい…
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