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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛17
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奏一は、困った顔しながら、考えてる。
そりゃ俺の顔は見たくもないだろうが、俺なら何でも力になれる。
そこへまたしてもマキがニコニコと挟まってきた。
マキ「ねぇねぇ、奏一さん、お店が何者かに営業妨害されてるって、修二にも危険な話じゃない?百目鬼さんなら直ぐに犯人捕まえると思うよ♪」
百目鬼「ッ!!」
奏一「なっ!?どうしてそれを…」
マキ「今あの社員さんに聞いた♪♪」
マキが修二の名前を出した途端、奏一の顔色が変わる。
マキのやつワザと修二な名前を出したな…。
マキは、いくら黙れと言っても黙らない、多分俺と奏一の空気を感じ取り、取り持とうとしてるんだ、また、余計なことをしやがって…。
だが、空気が変わったのはありがたい、是非にと奏一に「協力させてくれ」「罪滅ぼし的に無償でやらせてくれ」と言った、だが、奏一はそれを聞いて怒った。
奏一「なめんな、お前は修二と和解したんだろ。俺に罪滅ぼしする必要はない。金は払う、キチンと受け取るならお前に依頼する」
お兄ちゃんとして無理してる奏一。相変わらず修二のためなら何でもする。
百目鬼「…分かった。キチンと契約書を用意して、俺は極力顔を見せないように部下を…」
奏一「聞いてなかったのか、俺はお前に依頼するって言ったんだ」
ああ…。
やっぱり奏一だ…。年下なのに、俺が憧れを抱いた男。家族が誰より大事で、立派に支え、誰もが憧れる凛とした男だ。
百目鬼「……ありがとう」
マキ「…」
俺1人じゃこうはならなかった。
また、奏一と話すことができて、少しでも役に立てる日がくるなんて夢にも思わなかった。
これも全部、お節介なマキのおかげだ。
マキは、勘がいいから、何でも首をつっこむ、どこにいてもその場の空気を和ます力を持ってる不思議なやつだ。
修二の時も…、今回の奏一も…。
そう考えると、マキと出会わなかったら…、修二との和解も、奏一とこうして話す機会を作ることもなかったのかもしれない。
俺は、奏一を前にして、自分でも驚くほど穏やかに笑えたと思う。
マキ…感謝する…ありがとう…
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奏一と正式に契約を交わした後、直ぐに調べに移った。
使えるコネは全て使い、奏一の周辺を洗った。俺の使える全ての時間を使って、奏一の店への営業妨害を調べた。
時には、マキとのプライベートの時間に仕事の電話をする時もある。そんな時マキはいつも大人しく電話が終わるのを待ってた。
こっちは、ストーカー事件と違い、直ぐに動きがあった。営業妨害していた実行犯を捕まえることに成功し吐かせたが、こいつはトカゲの尻尾。切り捨て要因のために何も知らなかった。とりあえず1週間調べ、その成果を奏一に報告した。
百目鬼「首謀者は別にいる。実行犯は小遣い握らされたそこらの不良少年だ」
奏一「首謀者の正体は…」
百目鬼「それはまだ…、暴くのはかなり難しい」
トカゲの尻尾をいくら捕まえても、胴体には繋がらない。だが、分かったこともあった、まだ奏一には報告しないが、怪しい影が動いていた。
だいたいのことを報告し終わったところに、1人の若いスタッフが入ってきた。
羚凰「失礼します。奏一さん、厨房の空調が調子悪いとスタッフが干からびてます」
奏一「分かった。百目鬼ちょっと席を外す」
百目鬼「ああ」
奏一が席をはずすと、その若い男は、俺を睨んできた。完全な敵意だ。
俺がジッと見返しても、その男は俺から視線を外さない。俺は奏一の店でトラブルを起こすつもりはない。その男の敵意を正面から受け止めた。
暫くして奏一が帰ってきた。
奏一「羚凰何してる」
レオン…、今時の名前だな…。
羚凰「いやー、探偵さんのお仕事を見学に…」
奏一「新人が油を売るな、汗して働け」
羚凰「はい奏一さん♪」
何気ない会話をしながら、羚凰とやらが、去り際にこっちを威嚇するように見てから消えた。
直ぐに分かった。
あの男、奏一を狙ってやがる。
奏一が相手にしてるそぶりもない。
あの野郎、奏一になんかしやがったら2度と人前に出れないようにしてやる。
念のために、羚凰についても調べた。
そしたら、彼が元朱雀であることが分かった。
あの睨みは、過去の俺の行いを知ってるってことだ。そおいう睨みだった訳だ。
羚凰って奴が、朱雀に報告すれば、俺は血祭りにあげられるかもな…。
そうなったら、周りを巻き込まないように気をつけなきゃ…、特に、マキ。
あいつは、直ぐいらんことに首突っ込む。
マキのことを考えていたら、俺の携帯が鳴った。それは、金で雇った不良少年からの電話だった。
少年『百目鬼さん、たった今、奏一さんの店の営業妨害を頼まれて小遣い握らされました。握らせた相手の写真送ります』
その写真に写っていたのは、チンピラ風の男。俺は直ぐに、情報提供してもらえる信頼あるやつらに聞いて回った。
すると直ぐに、そのチンピラの飼い主が見つかった。
百目鬼「…随分と物騒なのがバックについてるな」
ヤクザから足を洗った奴らが、ボディーガードのような仕事をしている。そいつらがどうも飼い主のようだ。
そして、調べていくうちに分かったことがあった。
そのボディーガードの会社を頻繁に使ってる奴の中に、〝瀧本〟の文字。
こいつは半年前に、マキに刃物を向けた馬鹿の名字だった。気になって調べたら、その瀧本はマキを襲った瀧本はだった。
マキへの報復?
でも何故その矛先が奏一なんだ?
さらに調べを進めると、瀧本は、マキを襲った直ぐ後に、前歯を折る大怪我を負っていた。それを知った時、嫌な予感がした。
まさかと思い、奏一に報告しながら、何か知らないか?と尋ねると、奏一は眉一つ動かさぬ真顔で
奏一「ああ、俺が、前歯を折ってやった」
と。悪びれず、それで?と言わんばかりに真っ直ぐ俺を見た。…
その反応に唖然としながら
懐かしい反応だった。
奏一は、その整った顔で物凄く短気で、俺が注意しても。「だって、ムカついた」と言ってしまう奴だった。
俺は昔と同じように、ため息ついて頭を抱える。
百目鬼「……………そぉいちぃー…
お前は相変わらず、見た目に似合わず短気すぎる…」
奏一「…あんたは随分丸くなったな」
百目鬼「俺が!?」
それは、俺が変われてるってことか?
でも、奏一とは少しの時間、仕事の話しかしたことがない。
奏一「昔の百目鬼なら、怪我人より先に、怪我させた方を半殺しにしてた」
朱雀時代。俺は仲間を大切にしていた、しかし、一度キレると手がつけられなくなり、その怒りが収まるまで相手を打ちのめす…
俺はそういう奴だった……
だから、今だにキレると我を忘れてしまう。
修二との再会も、もっと穏やかに話をするつもりだったのに、むつと付き合ってると知って頭に血が上った。
その後も反省こそしても、キレると修二に酷いことをした。
むつと華南が奪還しに来た時、内心、これでもう修二に酷いことしなくて済むといった感情もあった。
マキと寝たのも、キレだからだ…
修二の事を吹っ切って、ずっとキレないようにしてたのに、マキと再会して簡単に理性を失う。
マキと半年付き合ったが、今だにマキに対して衝動が増えるばかりで、キレて乱暴に犯してしまう。
なのに何故だろう…
あの時、マキが、刃物を握って怪我したのを俺に隠そうとしたことの方が頭にきてて……
怪我したマキと、怪我したかもしれない修二のことで頭がいっぱいだった。
俺は少しだけ、変わったのか?
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