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(番外編)純愛>♎︎狂愛
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マキには、心から笑える相手と幸せになって欲しい…。
百目鬼さんにも、心から好きだと言える相手と幸せになって欲しい…。
2人をよく知るからこそ、2人には、苦難を乗り越えて欲しい…だけど、その苦難が大きければ、苦痛も大きく。長引けば、その悲しみも長引く…。
僕とマキはお風呂から上がり、交代でむつと華南がお風呂に入っていった。
マキは、Tシャツに短パンに着替え、髪を濡らしたまま、リビングの犬の居るゲージの前に張り付いた。
マキ「ふふふ、みんな同じ方向いてる」
修二「マキ、髪乾かさないと、ドライヤーかけてあげるからおいでよ」
マキ「……。はぁ〜い♪、自分で乾かしまーす♪、むつに怒られちゃうから♪ふふふ♪」
いつもワザと怒らせる癖に…
マキと僕は髪を乾かし、畳の部屋に布団を引いた。引き終わったらまたさっそく犬の居るゲージを眺めてる。
僕は、お風呂でマキの気持ちを聞いてから、ずっと考えていた。マキになんて言えば、マキがこの苦しみを乗り越えれるのか…
修二「マキ…」
マキ「ん〜?」
修二「マキ…、僕、色々考えたけど、僕は、マキの本音が聞けて嬉しいと思ってたよ」
マキは、犬を眺めていた視線を僕に向けた。
修二「好きな人が出来たら弱くなったり、独占したいと思うなんて普通だよ、僕もいっぱいそう思ったし、女の子たちにもいっぱい嫉妬した。マキは、素直になろうと努力してるのはわかるけど、百目鬼さんは、マキがさっき言ったみたいなこと全部知りたいんだよ。大人の都合とか、忙しいのに、とか、そんなの関係なく、我儘放題言って欲しいんだよ。百目鬼さんはそう言う感情全部ひっくるめてマキの気持ちが欲しかったんだよ」
どう言ったら、伝わるか、頭のいいマキは、直ぐに言葉の抜け道を探してしまう。でも、言葉は難しい。気持ちを伝える手段でありながら、その伝達は100パーセントじゃない。100人いたら100通りの考えや受け止め方がある。気持ちを伝える手段でありながら、その言葉は、口から発せられた時点ですら100パーセントじゃなくなってる。
マキは慣れないながらも素直になってきてた。その変化は少しずつでも確実に変わってきてた。マキは素直じゃないとは言わない、でも、全部話せるほどの素直ではなかった。百目鬼さんはそれが分かってしまうから、もっと素直に…と言ったのだろう。ほんの少しのマキの素直な言葉を百目鬼さんも気付かなかった訳じゃない、だけど、百目鬼さんの目指す形には遠くて、そこに対する不満が、きっとマキの素直な言葉を取りこぼしてしまって。そして取りこぼした分きっとさらに伝わらず、誤解を生んだに違いない。
修二「百目鬼さんは、不器用な人だから、マキが100パーセントでぶつかったら、もしかしたらうまく受け止められないかもしれない。その不器用さはマキも分かってるんでしょ?、それに百目鬼さんがそうしたいって言ってるんだから、いっぺん全身全霊でぶつかってみたら?」
マキ「…ふふ、凄いこと言うね」
修二「怖い気持ちは分かるよ。僕だって散々ごねて立ち止まってきたからね、飛び込むのがどれだけ怖いか分かるよ、だけどさ、僕の時だって、マキは飛び込めって、素直になれって僕に言ったじゃない」
マキ「…あれは、修二が飛び込んでも大丈夫だと思ったからそう言った」
修二「そんなの分からないじゃん」
マキ「現に大丈夫だったろ?」
修二「結果論だ。上手くいかなかったかもしれない」
マキ「…むつ君も華南も、修二を好きだった。手放さなかった。そんな彼らが、修二を嫌いになるなんてないと思った。それに、むつはこうと決めたらそれを曲げたりしない。修二は知らないかもしれないけど、むつはかなり君に夢中だったよ」
修二「僕は、昔だけど、百目鬼さんと一緒に過ごしてる期間に、百目鬼さんがどういう風に恋するのか見てきた。兄貴を好きで好き過ぎて、気持ちを伝えることもできなかった時を見てる。今の百目鬼さんは、その時みたいに苦しんで言えないでいる気がするんだ」
マキ「…」
修二「マキ、僕は、マキの力になりたい。マキが100パーセントでぶつかってこれるような友達になりたいよ」
マキが目を大きく見開いた。その瞳は僕を見つめたあと瞬いて、そして、何故か、笑った。
マキ「ふッ、…ふふふふ♪」
修二「…」
マキ「修二は、僕がどんな人間か忘れちゃったのかな?」
修二「?」
マキ「僕ね、SEX大好きなんだよ。SEXなしじゃいられないほどね。百目鬼さんと会う時もどうやったら抱いてもらえるかって思ってた。知ってる?百目鬼さんと付き合ってる時、百目鬼さんから僕に手を出してきたのって、片手で足りちゃうんだ。それ以外はぜーんぶ僕が襲ったの。百目鬼さんと会えない日は毎日オナニーして極太バイブのマイケル君使って盛らないように抜いてたけど、会うとダメ、直ぐ股がるんだ」
マキは言いながら、僕の方に歩いてきて、僕に体も唇も触れるギリギリまで近づく。
マキ「最近の僕が何考えてるか知ってる?」
百目鬼さんのことを考えてるようにしか見えない。僕はマキから視線を外さずジッと見つめ返す。
マキ「…食欲戻ってからの僕は、性欲も復活しちゃって♪この部屋でどうやってオナニーしようか考えてたんだ♪」
修二「えっ?」
マキの瞳は鋭い妖しさを含み、僕にも詰め寄る。
マキ「ふふ、それだけじゃないよ、最近はセフレの人にも連絡してる、やっぱ本物じゃないと満足できないしね」
修二「嘘だ」
マキ「あは♪携帯見せるよ♪」
きっとマキの気に触ることを言ったんだ…、マキは僕を試してる。
修二「僕は、僕の感じたマキを信じてる」
マキ「馬鹿じゃないの。僕の何を信じるの?」
修二「マキは、今直ぐ百目鬼さんに抱きしめてもらってSEXしたいんだろ?」
マキ「エッ?」
驚きの声を漏らしたマキが固まった。僕が、そんな言葉を言うとは思ってなかったみたいで、僅かに動揺した。
修二「マキは、百目鬼さんが大好きだ、今も会いたくて会いたくて仕方ないし、大好きだからこそ触れ合いたい」
マキ「あの…修二君、真顔でそういう事言わないでよ…」
修二「違わないでしょ?」
マキ「…」
試されたって引くわけない。僕はそれなりにマキを知ってる。それに…
修二「それに、好きな人とSEXしたくて何が悪いんだよ」
マキ「…修二君…君が言っちゃうの?」
修二「誰だって言うよ!むつや華南は毎晩妄想してるよ!毎晩されたら困るけど、毎日愛し合いたいって思ってもらえて嫌なわけないじゃん!」
マキ「………兄弟って、やっぱ似るんだね…。修二くん顔真っ赤だよ…」
修二「う、うっさい!」
恥ずかしいとか言ってらんない、マキの尻をひっぱたくには、それを避けては通れない。
修二「僕は真面目に言ってるんだよ!100パーセント本気なんだから、マキも本気で話せばいいじゃん!性欲強くてもいいじゃん!僕だって、むつや華南と出来なくて何度も一人でするよ!それのどこがいけないの!?」
マキ「…えぇ…、修二のお口から聞くとなんて恥ずかしいぃ」
修二「おい!」
マキ「…ふっ、100パーセントね…、僕がぶつかってったら修二は引くと思うけどな♪」
修二「引かないよ今更」
マキ「ふふ、僕が100パーセントでぶつかってたら修二は絶対後悔する、百目鬼さんみたいに…」
修二「僕は後悔しないし、百目鬼さんも後悔してない、ってか、ぶつかってもいないのに言うんじゃありません」
マキ「あは♪奏一さんみたい」
修二「兄貴がいたらとっくに鉄拳2発は飛んできてるよ」
マキ「ふふ♪言えてる♪」
マキはケラケラ笑って、それから大聞き息を吸ったあと、ニッコリ微笑んで言った。
マキ「修二にお願いがあるんだけど、断ってもいいよ」
修二「言う前からそういう事言わないでよ。ってか、断らないし!」
マキ「あはは♪それはどうかな?僕のお願いはね…」
ニヤリと笑ったマキは、僕ちゃんを布団に押し倒し、覆いかぶさった。
マキ「修二の、エッチな姿が見たい♪♪」
え?
マキは、僕のパジャマの中には手を滑り込ませて、ニコリと妖艶に微笑んだ。
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