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(番外編)純愛>♎︎狂愛
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百目鬼さんに抱き込まれ、連れてこられたのは、菫ママの家からほど近い百目鬼事務所。
僕を掴む腕は痛いほど強くて、階段に差し掛かると、百目鬼さんは僕を肩に担ぎ上げ、ズンズンと階段を上がって百目鬼さんの自宅の3階へ連れ込まれた。
バタン!と、玄関を乱暴に閉め、中に上がりこむ、通路を抜けたリビングに入ると、その有様にビックリした。
部屋の中は、片付けてはあるけど、部屋の隅にゴミ袋の山。燃えるゴミと、空きカン。
テーブルには、昨日飲んだだろうビール缶がいくつも置いてあった。そして何やらテレビの前に、ビデオデッキとビデオテープの山。
何かを調べていたのか、何人もの顔写真…。
この人達、賢史さんが調べていた朱雀の人たちだ…。ほとんどの人に、赤いチェック印が付いてる。これは…?
百目鬼さんは、僕をソファーの隅に座らせ、自分は反対の隅に座り頭を抱えだ。
百目鬼「クソッ……」
百目鬼さん…、僕を連れてきたは良いが、後悔してるのかな?
百目鬼「……賢史の野郎…」
端でブツブツ言ってる百目鬼さん。
僕は、片付いてはいるが荒れ気味の部屋を見渡してから、ずっと頭を抱えている百目鬼さんを見つめた。
マキ「………あの…」
百目鬼「マキ」
話しかけようとしたら、ハッキリした口調の低音ボイスで名前を呼ばれてドキッとして思わず肩が跳ねた。
マキ「はい…」
百目鬼「……俺は、本当に危険なんだ…」
百目鬼さんは頭を抱えたまま、その重い口を開く…
百目鬼「……怪我は?…」
マキ「え?」
百目鬼「怪我は治ったのか?」
マキ「あっ、うん」
僕の答えに、百目鬼さんは安心したように息をつく。
背中を丸めて視線を逸らしたままの百目鬼さんは、なんとも抱きしめてあげたくてたまらない。
百目鬼「…俺は…、お前といると何をしでかすか分からなくなっちまう時がある…」
百目鬼さんの怯えにも似た告白は、苦悩を意味していた。
百目鬼「今だって、ダメだと思いながら、賢史の野郎が触るのを我慢できずに連れ去った」
両手を眺め、コントロールが効かなかったと言った百目鬼さんは、悔しそうにその両手で拳を握る。
マキ「…どうして、駄目なの?」
百目鬼「お前の安全を守れない。お前は勝手に動くし、俺はキレるし…」
マキ「どうしてキレちゃうの?」
百目鬼「…お前が…、俺の心を乱す。制御不能なほど乱して、俺はコントロール出来なくなる、閉じ込めて、鎖で繋いでやりたいほど………、……可愛くて仕方ない…」
可愛い…?
閉じ込めてしまいたいほど?
それって……
僕はそっと手を伸ばす。
項垂れて苦悩する百目鬼さんの膝に、そっと触れてみた。
百目鬼さんの大きな体がビクッと震えて、ゆっくりと、僕の方に振り返る。
その瞳は、獰猛な猛獣のギラリとした光と、その奥に恐怖に怯える色が隠れてる。
見つめ合っただけで、お互いが昂るのが分かる。心臓の音がバクバクと早いのが、双方聞こえてるみたいに、ジワジワと込み上がる気持ちは、期待感に変わる。
マキ「…どうして…、可愛いの?」
交わった視線はお互いを引きつけるように、僕は百目鬼さんに吸い寄せられ、百目鬼さんはそれを拒まない。
百目鬼「……後悔するぞ」
座ってる百目鬼さんに、僕はひざ立ちで見下ろすようにしながらピッタリとくっついて、お互い視線は絡み合ったまま…
マキ「しない…」
その言葉は、甘い囁きに変わる。
百目鬼「するさ…なんの解決にもなってない…」
拒みながら、その大きな手が僕に触れ、近づく僕たちは、その不思議なほどの昂りが交わるように吸い寄せられ、僕の髪が百目鬼さんの顔に触れるほど近い。
マキ「…もしも、百目鬼さんが…」
あと少しで鼻先が触れるのに、百目鬼さんは僕の瞳をじっと見つめ、逃げようとはしない。
百目鬼「…俺が?」
その低音ボイスは、甘い痺れをもたらして、僕を酔わせ…
マキ「百目鬼さんが、そばに居てくれるなら2度と我儘も勝手なこともしない、いい子にするから…」
だから…
マキ「僕を要らないなんて言わないで…」
鼻先を掠めて唇を寄せると、僕の世界は突然反転した。
ドサっとソファーに押し倒され、甘い空気だったはずの百目鬼さんは、睨むように、発情した猛獣のように僕を欲情した瞳で見下ろし、両手で僕を抑え込んだ。
マキ「ッ!」
百目鬼「俺が欲しかったのは、いい子なお前じゃない、俺が欲しかったのは、お前の中に住む本当のお前だ!」
マキ「えっ!?でも…」
僕が勝手なことするからって…
百目鬼「俺がずっと苦しかったのは、お前でいっぱいになっちまうからだ。お前の事ばかり考えて、お前を監禁したくなるからだ、誰にも触れさせず、誰にも見せず、そう思ってしまう自分に嫌気がさすからだ。俺は結局昔と変わらない、相手を縛って泣かして喜んで、俺はお前から奪うことしか考えてない…」
百目鬼さんの熱い眼差しが、その声が、僕の胸を高揚させて締め付ける
マキ「百目鬼さんは変わったよ、絶対大丈夫だよ」
百目鬼「お前は何も分かってない…」
マキ「分かってる」
百目鬼「分かるわけない、俺は我慢してたんだ」
マキ「うん、百目鬼さんが僕を必要としてくれるなら、我慢しなくていいんだよ。僕のあげれるものは全部あげる」
両手を広げて百目鬼さんを抱きしめようとしたら、百目鬼さんの瞳が揺れた。
百目鬼「お前は、やっぱり分かってない」
猛獣の瞳が悲しそうに歪んで、奪うように唇を重ねてきた。その熱い唇に、僕の頭は沸騰しそう。なのに、あの欲情仕切った瞳とは裏腹に、そのキスは優しくて、久々の百目鬼さんとのキスは、無精髭が触れて擽ったいけど、そんなの直ぐに気にならなくなった。
百目鬼さんの熱い唇に、僕らは盛りのついた動物みたいに荒い吐息で繰り返しキスを貪った。
百目鬼「お前は、分かってない」
百目鬼さんの熱い唇が舌が、僕を求めてくれてる。息が止まりそうなくらい嬉しくて、興奮する。
百目鬼「俺が欲しいのは…」
百目鬼さんの大きな手が僕に触れて撫で回し、僕を抱き寄せる。
百目鬼「お前の全てだ…」
渇望と怯えを含んだその声は、僕の心を震わせ、僕は溶けてしまうんじゃないかと錯覚するくらい…
マキ「嬉しい…」
なんでもあげる…
後悔なんかしない…
百目鬼さんが求めてくれるなら…
全部あげるから…
百目鬼「マキ…」
マキ「求められて後悔なんかしない…、僕は百目鬼神さんの全部が好き…」
潤んだ瞳で見つめて、全身全霊で伝えた…
今、重なってるこの唇も
この体も…
この鼓動も…
この心も…
夢じゃない…
後悔なんか絶対しない…
マキ「だから、僕にも百目鬼さんを下さい…」
百目鬼「…お前が思ってるほど、俺は小さくない、溢れて溺れるぞ…」
マキ「あの時みたいに…言って…」
甘い懇願に、その瞳は僕を捉えて抱きしめる腕が強まる。
百目鬼「マキ…、俺に溺れろ」
重ねた唇は、言葉どうり僕を溺れさせ、息継ぎする暇も与えないほどに絡みつく…
熱い…
百目鬼さん、百目鬼さん…
もっと…
もっと欲しい…
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