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〔裏番外〕狂愛??<純愛20
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震える細い手が、必死に俺にしがみついていた。俺も離すまいと腕の中に隠すように抱き込む。
マキが細いのは前からだが、腕の中のマキは何故かやたらと小さく見えた。
この小さな温もりを、失わないように…
俺は結局。
またマキを捕まえた。
『後悔するぞ』
『しない』
俺の腕の中でマキは、瞳を潤ませて、離れないというように力一杯しがみつき、切に願うように『側にいたい』と言った。
いつか、この愛しい瞳が、俺の狂愛に耐えられず嫌悪の色に染まって、俺から逃げる日が来るかもしれない…。
俺の爪と牙が、マキの綺麗で無垢な心を傷つけて泣かせてボロボロにしてしまうんじゃないか…、散々そう思ったから手放したのに…。失うのが怖いからそばに置きたくないのに、この手に抱いてないと落ち着かないなんて矛盾してる。
それでも、マキは願ってくれた。
側にいたい…と…
人を傷つけてばかりの俺の手の中に、マキがいる。
普段はへらへらしながら不敵な笑みを浮かべて人をおちょくったりしているマキが、俺の腕の中で涙をいっぱい溜めた瞳で、俺に焦がれ真っ直ぐ見つめて求める。
色白の綺麗な体をフルフル震わせ。華奢な細い腕が俺にしがみつく。
昂りきった気持ちが溢れて熱い唇を重ね合わせ。何度も何度もキスをした。いつもだったらすぐに挿入に持ち込むマキが、キスしか知らない少年のように、羞恥に顔を火照らせ、瞳は蕩けて涙を溢れさせてる。
俺たちは、まるで初めて同士の少年みたいに、キスだけでイッてしまいそうなほど興奮して抱き合ってた。焦れた体を密着させてお互いの温もりを感じながら、きつくきつく貪るように抱き合った。
気持ちを通じあわせたら、何もかも上手くいくんじゃないかという期待もあった。
現実はそう甘くない。
俺の願いは虚しく…、途中で理性がぶっ飛んで、マキをめちゃめちゃに抱く。
マキは久々だったみたいで、少しキツイのか、いつものように大きな声で喘ぐより、歯をくいしばるように顔を真っ赤にして顔を背けるばかり。
『ッ…んうッ!…ひッッ!はぁう…』
『キツイのか?』
『ちが…、ああッ!あっ!見ないでッ!んはぁ…んうう!!やぁ…ぁあッ!』
マキの瞳をずっと見ていたかった。マキは涙目のとろけた瞳で首を振る、キツそうだと思いながら、暴走した俺が止まる訳もない。
結局、マキは朝まで俺に何度も貪られ失神した。
早朝になってやっと酔いと興奮が覚め、マキを解放してやれた時、マキはベッドでぐったりしていた。
マキを再びこの手の中に手に捕らえて満たされながら、ぐったりするマキを見ると胸が痛む。
俺のこの暴走癖は、治らないのか……
マキを…、壊してしまいそうだ……
乱れた髪を整えるように撫でてやり、意識のないマキをそっと抱きしめた。
百目鬼「ごめんなマキ、もう、離してやれない…」
ぐったりとして気を失ってるマキが答えるはずもないが、細い体を潰してしまわないように…、壊してしまいたくないと何度も繰り返し祈った。
そう反省したはずなのに、朝日が昇って辺りが賑やかになりだした頃。寝室に現れた賢史にブチ切れて追い出し、マキを優しく風呂に入れてやるだけのはずが、マキの中から溢れた俺のものにマキが肩を震るわせ感じているのを見て、また理性がキレた。
マキを朝から泣かせてしまった。完全に足腰立たなくなったマキを綺麗に洗い、修二の家に避難させた。
暴走癖が悪化してる………
賢史との急用を済ませ、車に戻ったら、携帯にマキからメールが届いていた。
『お仕事お疲れ様です。今晩、何時でもいいので少しだけでもいいので会って話がしたいです。お時間下さい。』
やけにかしこまった文章に、ヒヤッと緊張して嫌な感じがした。まさか…、もう後悔したのか…?
しかし、最後の文章に、その不安は柔らぐ。
『百目鬼さんに会いたいです。マキ』
その言葉に、少しだけ安堵する。
もう、後悔したんじゃないかとビクビクして情けない。
足腰立てなくなったマキを見て、むつがまた吠えて、マキが何か言ったのかと心配してしまう。
昨日は、夢中になり過ぎた…
俺の腕の中のマキを見たら、抑えが効かなかった。やっぱり、俺がやりたいようにしたり言いたいことを好き放題なんて無理なんだ…。
マキに負担をかけるより、フラストレーションでもなんでも溜めても、我慢してた方がマシな気がする…。
俺が本気になったら、もっともっとマキを独占しちまう…マキに言った監禁の話も嘘じゃない…
賢史「おお、早速嬢王様からラブメールか?…って。なんだ、その色気のないメールは」
百目鬼「見るなッ」
賢史「女王様は今時の若者だろ?絵文字の一つも使わないわけ?」
百目鬼「………いつもは…もっと」
いつもは、もっとふざけた絵文字がいっぱい入ってる。
賢史「…うわっ、不吉ぅぅ」
賢史にからかわれながら、もしかしたら本当に不吉な話なのかもしれない。とも思った。
だけど、俺は、最後の文章が心の中に響いていた。
〝百目鬼さんに会いたいです〟
マキは、自分から時間を作って欲しいとか、会いたいとか言ったことがないに等しい。
過去に一度だけ、時間を作って欲しいと言われた時、『修二の誕生日プレゼントを買いに水族館に行きたい』、という理由をつけ、本当は自分の誕生日に俺と過ごしたいからだった。
あの時も確か…やたらとかしこまってやがった。
気を引き締めてからマキに合わないと、油断したら、また跨がられるかもしれないし…。今の俺は、ほとんど制御は効かない…、跨られようものなら、理性がキレてまたマキが失神するまで抱いちまう自信がある…。
昨日、マキを抱いた感触がまだ残ってる、あの潤んだ瞳で切に求められた…俺は未だに浮かされたままだ…。
気を引き締めないと、マキが跨って来るより先に、俺の方がマキを襲っちまいそうだ…。
気持ちをほんの少し口にしただけで、こんなにマキに飢えてる……。
自分の貪欲さに呆れる。
仕事を早くに切り上げ。
というか、この後マキと話をすると言ったら、檸檬と杏子が、こんなとこにいないでさっさとマキのところへ行って来いと叱られ追い出されたと言った方が正しい。
2人は、昨日俺とマキがすでに会ってるのを知らない…。はずだ…。菫の手が回っていなければの話だが…。
自分の家に帰るのに、少しだけ緊張しながら、三階へ上がっていくと、マキが1人で玄関の前で待っていた。
百目鬼「水森泉はどうした?」
マキ「車で送ってくれて、今さっき帰ったよ」
マキの表情は、少し強張っていた。
一体どうしたんだ…。
やっぱり後悔……
…その考えはよそう。
とにかく玄関を開けてマキを中に入れ、リビングのソファーに座らせた。
百目鬼「何か飲むか?」
マキはソファーでうつむきながら首を横に振る。
そして、ズボンの布をギュッと握りしめ、緊張気味に言った。
マキ「百目鬼さん…聞いていい?」
百目鬼「どうした…」
緊迫した雰囲気に、心臓がバクバクいってる。
昨日、思いを伝え合ったはずなのに、何故こんな緊迫した空気になってるんだ。
やっぱり…後悔……
マキ「あ…、あのね、百目鬼さん。…昨日のこと覚えてる?」
百目鬼「は?」
覚えてるも何も、今朝、無理だというお前を抱いただろうが…
マキ「……お酒…飲んでたでしょ…」
不安げに上目遣いで俺を見るマキに、この状態を賢史が見たらそれ見たことかと爆笑されそうだと思って、自分にげんなりした。
百目鬼「昨日は酔ってない。お酒は確かに飲んだが、量は調節してた」
不安がるマキの隣に座り、目を見てしっかり答えてやる。
百目鬼「昨日のことは何一つ忘れてない、ちゃんと覚えてる。俺の側にいてくれるんだろ?」
その言葉を聞けて安心したのか、不安に揺れていた瞳がキラキラ光りだした。
マキ「よ、良かった…、酔ってて言ったこととかだったらどうしようって……、時々記憶無くすからちゃんと確認しとかないとって、賢史さんが…」
テメェーのせいか!賢史この野郎!!
百目鬼「…後悔してないか?」
マキ「えッ!?何で!!」
百目鬼「いや、話があるって言われた時、気になった…。昨日は…、お前も菫やむつに嵌められたんだろ?」
マキ「…確かに聞かされてなかったけど、百目鬼さんに話をしなきゃって、思ったからした…、あの気持ちは本当だし、今も変わらない、後悔なんかしない。百目鬼さんと離れてた時の方がいっぱい後悔した」
百目鬼「…そうか」
そっと頭を撫でてやると、潤んだ瞳で俺を見上げながら、マキの表情が嬉しそうに綻んだ。
俺の手を愛おしそうに擦り寄るマキに、たまらない気持ちが溢れてどうしようもない…
百目鬼「…マキ」
名前を囁くと、上目遣いの瞳がうっとりと見上げてくる。その一つ一つの仕草が、愛おしくてたまらなかった。
マキ「えっ?…んぅ…」
そのまま顔を近づけると、マキは目を見開いて驚き、なぜだか焦りだす。
唇が重なると、驚きに目を丸めて固まってた。
キスしたら、魔性に変身するのかと思ったが、マキは目を丸め顔を真っ赤にしてて面白い。そのままゆっくり舌を絡めると、まるでキスするのが初めてみたいにアワアワしてておかしかった。
唇をそっと離すと、マキはゆでダコみたいに真っ赤になってやがった。
百目鬼「なんか、可愛い反応だな」
マキ「ッ…ぅ…ぁ…だって…だって…」
百目鬼「ん?パクパクして面白いな、今日は酒入ってないぞ。ん?」
マキの顎をすくってもう一度キスしてやると、マキは益々赤くなって拗ねだす。
マキ「百目鬼さん…そうゆうとこズルい…」
百目鬼「ん?」
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