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〔裏番外〕狂愛♎︎<純愛38
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〔裏番外〕狂愛>♎︎<純愛
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マキ「わぁああーーー♪♪♪」
マキは、広々とした芝生の広場を両手を広げて駆け出した。
マキ「自然がいっぱぁーい♪♪綺麗ーー♪♪」
ここは、以前、修二を連れてきた自然公園。
駐車場のそばにオープンカフェ、芝生の広場に噴水とその奥にデカイ遊具、さらに歩けばボートのある湖もある。
再会した修二を怖がらせないために、広々として明るい場所を探し、自分の気持ちを伝えるために無理やり連れてきた場所。
その場所に、今、マキといる。
約2年前、どうしても修二を手に入れたいと思っていた気持ちは、今は、マキを手に入れたい気持ちになった。
あの時、俺の目の前にいたのは、むつを巻き込むんじゃないかと怯えながら、俺を睨みつける修二の怒りの瞳。
今、俺の目の前にいるのは、公園にはしゃぎ、可愛いと絶賛する犬コロと遊ぶのが楽しみだと、俺に笑顔を向けるマキの喜んだ顔。
この2年、劇的に俺の周りが何もかも変わった。修二も、奏一も、賢史や事務所の奴ら…。6年近く引きずった思いと罪悪感も、マキが全て変えてしまった。
今俺の心を占めてる大半は、修二に対する感情でも、奏一に対する感情でも、過去の過ちに対する罪悪感でもない。
どうしたらマキを俺の隣で笑わせてやれるか…。マキの笑顔と本音を独占できるかだ。
百目鬼「マキ、日焼け止め塗ったか?9月だが日差しは日差しは強いぞ!」
マキ「もう夕方になるから大丈夫だよぉー」
真っ白な肌でよく言う…
マキは芝生をグルッと一周走ると、車のところまで戻ってきた。車の中には、ペット用のボックスの中にいる子犬のキングが、今か今かと外に出たくてウズウズしてる。
マキ「百目鬼さんありがとう♪♪キングがいるから公園に連れてきてくれたんだね♪♪ふふ」
本当に嬉しそうに無邪気に笑うマキ。
ずっと缶詰じゃ可哀想だし、それに、これだけ広きゃ、謎の着けねらう奴のしっぽを掴めると思った。案の定、白の軽自動車が着いてきやがった。
百目鬼「ちげーよ、夕方からなんて公園くらいしか行けねぇーだろ」
マキ「ウフフ♪♪」
百目鬼「ニタニタこっちを見るな」
マキ「はーい♪♪」
マキは満面の笑顔で、はしゃぐキングの首輪にリードを着け、足元に降ろそうとした。
百目鬼「マキ、駐車場出るまで抱っこしてろ、そんなちっこいのチョロチョロしてるの見てるこっちが怖い」
マキ「…うん♪」
マキはパチクリ瞬いた後、良い返事をしたが、犬コロは地面に降ろしてもらえそうで降ろして貰えず不満そう。
マキ「待っててキング、直ぐにいっぱい遊べるからねぇ」
百目鬼「待て待て、飲み物いらないか?」
マキ「僕はどっちでも良いよ」
百目鬼「そうか、なら買うからカフェに寄ろう。そしたらあっちの奥にドッグランがあるから、犬コロはそこまで我慢しろ、歩道はリード離せないからあっちでたっぷり暴れさせろ。家の中で暴れられたら面倒だ」
マキ「……」
百目鬼「なんだ?」
マキ「ふふッ♪♪」
突然吹き出すマキに、俺が眉間にシワを寄せると、マキが俺の腕に絡みつきニコッと微笑む。
こんな公共の場でそんな顔するなんて、まだ、喰われ足りないらしい…。
マキ「百目鬼さんやっぱ凄く可愛いなぁと思って♪♪」
百目鬼「お前は趣味が悪い」
マキ「ふふ♪凄く良い趣味でしょ♪♪」
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マキと犬コロは、楽しそうに駆けずり回り、芝生を転げ回り、頭と体が草だらけ…。
しまいにゃマキは裸足…。
犬が2匹いるみてぇーだ……。
マキ「百目鬼さぁーん♪、裸足になったらぁ?気持ち良いよぉ〜♪♪」
おい、俺が裸足で駆け回ったら、やばい奴になっちまうだろ…、檸檬が知ったら笑い死ぬぞ。
マキは、ドッグランで子犬と戯れ、遊具を制覇し、たっぷり公園を堪能した。
マキ「はぁー、真夏だったら水浴びしたいよねぇ」
百目鬼「お前どこまで無邪気なんだ」
髪の毛にも服にも葉っぱだらけ、犬コロと全く同じ。まぁ、ガキンチョみたいに全身汚れちまいやがって。
俺が頭についた葉っぱを取ってやると、マキは嬉し恥ずかしそうにはにかんだ。
うっ…
ここは、公共の場公共の場…
くそッ!そんな風に照れるなんて犯されてェのか!前は平気でヘラヘラしてやがったのに…。
マキが変わったのか?
俺が変わったのか…
兎に角、マキは日に日に凶悪になっていく。いくら毎日ヌいて獰猛な猛獣化が減ってたとしても、マキが俺の理性を軽々と壊して回る。
分かってたことだ…。こうなるって分かってて、離れたくないとマキの腕を掴んだ。
今度こそ変わるんだ。
マキを大事に、笑顔にしてやるんだ…。
マキ「ウフフ♪百目鬼さんアウトドア好きじゃなさそうだよねぇー♪」
百目鬼「好きじゃねぇーな」
マキ「事務所のみんなでバーベキューとかしないの?」
百目鬼「やるのは菫の店でドンチャン騒ぐだけだな。バーベキュー好きなのか?」
マキ「うーん、バーベキューが、っていうより、みんなで一緒って楽しいよね。僕、修二たちと知り合うまで大勢で鍋とかお祭りとかやったことなくてさ、ふふ♪、泉は騒がしいの好きじゃないし、先生様も静かな人だし、だから、大勢でワーっていうのはうるさいだけかと思ったけど、修二たちはすっごく笑えるから♪楽し……」
百目鬼「…ほぉ」
仕方のないことだとは思いながら、ついつい低い声が出る。マキは思い出話をしただけなのに、あの3人との仲良すぎる光景が過って、ついつい顔が引きつる。
マキは俺がメラメラしてるのに気がついて慌てたのか、ピョコン!と猫耳としっぽが現れワタワタしだした。
マキ「あは♪…でも、百目鬼さんといる時の方が楽しいよ♪♪」
ぶりっ子スタイルで媚を売られ、「わざとらしい」と、軽くおデコを突っついた。マキは「本当だもん」と言ってきたが、それでも、マキが修二たちと一緒にいるのが楽しくて心を許していることには変わりはない。
百目鬼「そろそろ日が沈むな」
マキ「えー、早いぃー」
百目鬼「楽しかったか?まっ、そんな草だらけで楽しくないわけないな」
マキ「うん♪♪すっごく楽しかった♪♪ありがとう百目鬼さん♪キングも楽しかったって♪ほらキング、百目鬼さんにお礼言って♪」
マキは、犬コロを抱っこし俺に向けて一礼させながら、おかしな声でアテレコする。
マキ「〝どーめきしゃん、ありがとワン♪〟」
「ウ¨ー、ワンワン!」
犬コロはお礼どころか、俺に向かって唸って吠えやがる。やっぱ、邪魔コロだ。
マキ「こら、キング。ありがとうって言うんだよ。百目鬼さんもそんな睨まないであげてよ」
百目鬼「俺は生まれつきこんな顔だ」
マキ「もう、素直じゃないんだから」
俺は素直だ、素直に邪魔だと思ってる。
百目鬼「マキ、お腹空かないか、カフェにテイクアウトできるうまい焼き菓子が売ってる」
マキ「本当♪食べたーい♪」
百目鬼「奢ってやるから俺の分も買ってこい」
マキ「ありがとう百目鬼さん♪」
百目鬼「俺はカフェの横のトイレに行ってくる」
マキ「うん♪行ってきまーす♪♪」
美味しい焼き菓子と聞いて目がキラキラ輝いてる。本当に食いしん坊で無邪気で、可愛すぎる魔性だ。
だからだろうか…
…。
さて、犬コロも邪魔だが
もっと邪魔なのが2匹。
尾行してるのは2人。
さっきの白い軽自動車に乗ってた奴らだ。
今までは、マキがいなかったから、なりを潜めて尾行までしてこなかったが、やっと尻尾を出しやがったな。
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