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(番外編)純愛>♎︎<狂愛25
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僕らの座ったのは、U字型のソファー。
左から順番に、奏一さん、僕、つよし、むつ、修二、華南の順で座ってる。
他の人は、別のソファーに檸檬さん、杏子さん、矢田さん、賢史さん、百目鬼さん。
そしてカウンター内に菫ママと、カウンター席に雪哉さんと烏磨さん。
菫ママの店のカウンター前の席を使い始まったパーティーは、今日もどんちゃん騒ぎ。
開店したばかりで今は他のお客さんが居ないから、お姉様方もそれぞれお気に入りの男性の側で楽しんでる。
つよし「そ、そそそんなに食べれません」
つよしの隣に座ってるむつが、つよしの食べ物をお皿に盛ってくれてるんだけど、テーブルにある料理全種類を取り皿三つに無理無理山盛りにしてる。
むつ「食べねぇーから大きくならねぇんだぞ!」
ふふ♪♪小さいむつ君に言われたくないと思うな♪
マキ「つよし、僕と半分こしよう♪」
つよし「あ、ありがとうございます」
マキ「飲み物はね、メニューに無いノンアルコールカクテルもあるからね♪」
僕の声が聞こえたのか、賢史さんが「え?俺が作る感じ?」と、イヤそうな顔してた。賢史さんにも大変お世話になったからお礼しなきゃいけないんだけど、賢史さんのノンアルコールカクテル美味しかったんだもん。
マキ「ふふ♪料理はどれも絶品だよ♪この店のママさんは、元板前だから♪」
つよし「そ、そうなんですか?どうりでどのお料理も綺麗で美味しそうだと…」
マキ「ふふ♪つよしは和食好きでしょ?毎朝納豆定食食べて、夜は魚系が多いいよね?」
つよし「はい、和食が好きです」
マキ「菫ママの煮魚食べたらきっと感動するよ♪♪」
つよしに煮魚を勧め、つよしが小さな口に一口入れると、前髪で隠れた顔がパァアアっと明るくなった。
つよし「お、おおおいしいです!!」
マキ「あとね〜、この煮っころがしも美味しいんだ♪ふふ♪はい、あーん♪」
つよし「ッッ!!」
つよしの顔がブアッと赤く染まる。恥ずかしがり屋のつよしは、反応がいちいち可愛らしい。
懐かしいなぁ♪こうやって、つよしにちょっかいかけてると、れんとがピシャッと怒るんだよなぁ♪
懐かしさに学生気分でいた僕は、すっかり忘れてた。つよしを守る保護者は今はいないけど、逆に僕の方には居るってことを…
百目鬼「マキ」
頭上から、低い低い低音ボイスがドスンと降ってきた。
つよしに煮物をあげようとした体制のまま、僕はフリーズ。
や、ヤバい…
ソファーの背もたれ側から、地響きを立てて、百目鬼さんが僕を睨み下ろす。
ーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
百目鬼「つぶつぶいちごミルク飲むだろ」
怖い顔と裏腹に、百目鬼さんの手に、こないだ賢史さんに作ってもらった、生イチゴを潰して牛乳と砂糖と混ぜた美味しい美味しいいちごミルクがあった。
つよしと僕の間を裂くように、ズイッといちごミルクを僕に手渡す。
いちごミルクには、またまたハートの形に切られた苺が添えてあった。
あれ?
変だな?百目鬼さんが賢史さんの作ったコレを僕に手渡すなんて…。嫉妬深い百目鬼さんなら、添えてある苺捨てちゃいそうなのに…
と思ってカウンターの方を見ると、カウンターには、雪哉さんと菫ママが何か作業をしてるけど、賢史さんはいない。
不思議に思って、もう一つの席に視線を移すと、そこには、檸檬さんと杏子さんと矢田さんに絡みながらお酒を飲む賢史さんが座ってた。
え?
賢史さんが席にいるってことは…
このハート付きの苺ミルクは…?
マキ「…百目鬼さんが作ったの?」
キョトンとした顔で百目鬼さんを見上げると、相変わらず不機嫌な百目鬼さんが僕を睨みながら
百目鬼「味はこないだと同じだ」
ムスッと返されてしまい、僕が味は大丈夫か疑ったと思われちゃったみたい。
僕が聞きたいのはソレじゃ無いんだけどなぁ…、この、ハートの苺、百目鬼さんが切ったのかな…って思ったけど。
つよし「…」
それを言葉にしようとしたら、僕の心臓がドキドキ言い出して言葉にならなかった。
百目鬼さんがハートの苺!!
百目鬼さんって時々行動も言動も予想外過ぎて、心臓に悪いんだけど!!
むつ「あっ!ずりぃー!俺もこないだの飲みたい!!」
百目鬼「お前はなんだったっけ?」
むつ「…美味しいやつだよ!…なんてやつだったかは、忘れた…」
百目鬼「わかった、同じので良いんだな」
むつ「そう!同じの!!」
百目鬼「修二と華南は?あと、〝むつの友達〟くんは?」
つよし「ッッ!!ぼ、ぼぼぼ僕は、まだ、あ、ありますから…」
百目鬼「…そうか」
百目鬼さんは、露骨につよしを睨みつけ、つよしが真っ青になって今にも気絶しそう。
百目鬼「賢史、リクエスト入ったぞ」
賢史「俺!?」
百目鬼「こないだと同じ美味しいノンアルコールカクテルを作ってやれよ」
百目鬼さんの凄みの効いた視線に、賢史さんは、ハイハイと仕方ないなといった風に立ち上がる。すると、むつがはしゃいで、また作ってるところを見たいとカウンターに移動し、修二と華南も連れて行かれた。
僕のいたテーブルは、つよしの隣がぽっかり空いて、その席に、なんと百目鬼さんが座り出した。
百目鬼「…」
つよし「(ビクビク)」
マキ「…」
奏一「…」
気まずい…。
百目鬼さんが不機嫌なのは、僕がつよしにあーんって食べさせようとしちゃったからだけど。でも、それと、なぜか奏一さんも不機嫌なんですけど!!
マキ「あは♪百目鬼さん、この子僕と同じ学園にいた岩龍剛くん、寮で同室になったこともあるんだよ♪♪中学三年生♪可愛いでしょ♪」
つよし「は、は、初めまして!岩龍剛です!」
つよしはガタガタ震えて今にも倒れそう。
百目鬼さんは、怖いオーラ出まくり。
百目鬼「…初めまして」
まさか…、こんなちっちゃいつよしを威嚇してるの??
つよしは未開発の子ネコちゃんなんだから、何も警戒しなくていいのに…
マキ「つよし、この人は百目鬼神さん♪目つきは悪いけど、とっても優しい人だから♪ね?百目鬼さん♪♪」
百目鬼「…目つきは生まれつきだ」
睨まないであげてほしいと念を飛ばしたら、百目鬼さんになんとなく伝わったのか、百目鬼さんは、鋭い視線を和らげて逸らしてくれた。
つよしにまで嫉妬しちゃったの?
それで苺?
百目鬼さん、僕も言わせて。
あーもー!!
今晩、寝かしてあげないんだから!!
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