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15〔裏番外〕ゆくえ……
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こいつは馬鹿なのか?
マキの食べたい物を聞いてるのになんで俺の好きなものなんだ?
そんな事まで合わせるのか?
百目鬼「……お前の食いたいものを聞いてるんだが…」
マキ「怒っちゃ嫌♪そんなしかめっ面しないでよ、神さんの好物が食べたいって言ってるじゃん」
百目鬼「だから、俺のじゃなくて、お前の好物を…」
マキ「…だからいってるじゃん食べたいもの♪、神さんの好きな料理が食べたいんだもん」
どうやら、本気で俺の好物を食べたいらしいマキは、拗ねたように可愛らしいアヒル口を突き出しての上目遣い。
百目鬼「俺の好きなもんって…」
マキ「お家でよく食べてたのでも良いよ♪そういうの食べてみたい♪」
ああ、そういうことか…
マキが言わんとすることが何となく分かった。
俺のよく食べてたものか……
いままでの料理は、マキの好きそうな夕食を料理本から調べて作ったものが多かった。後は、実家の定食で作り慣れたものとかだったからな…。
後で実家に電話してみっか。
マキは、お願いが通って嬉しそうにして、大学に行く準備をしながらニヤニヤしてた。そしていちいち、それをキングに報告しやがる。
キングを抱っこして、夕飯の話や今日は大学に行くことを話しかける。キングは相変わらず、相槌のように鳴いて、マキにじゃれついてた。
それをいつまでもやってるから、俺は時間だと言ってキングを引っぺがす。
百目鬼「いつまでやってんだ!遅刻するぞ!」
マキ「まだ大丈夫だよ。もう、キングを返してよ」
百目鬼「ダメだ、初日なんだから早く行け、大学着いたらメール寄越せよ、それから無駄に色気撒いて変なの釣ってくんじゃねぇーぞ、俺に大学に顔出されたくないだろ?それからお節介も禁止だ、余計なことに首突っ込んだりせずに早く帰ってこい!寄り道すんじゃねぇーぞ」
マキ「ふふっ♪はぁーい♪」
ニコニコ嬉しそうに笑ってて、本当に分かってんのかと疑いたくなる。
キングをゲージに戻して、マキをグイグイ玄関に押しやった。
取り敢えず、まだ外は暑いが、マキの服装は露出を無くし、UVカットの薄手のパーカーに長ズボン、目も黒のカラコン入れて大きめのダテ眼鏡を着用。ここまでしても、マキの人を惹きつける色気が漏れ出てる。
百目鬼「…お前、その卑猥なオーラなんとかなんないのか…」
マキ「ふふ♪神さん心配性だなぁ、僕気配消せるから安心して♪」
百目鬼「じゃあ今すぐ消せ」
マキ「今は無理だもん♪神さんと一緒にいるから♪」
百目鬼「煽るんじゃねぇ馬鹿野郎が、大学に行けなくするぞ。さっさと玄関から出ろ!」
マキ「ふふ♪監禁する?♡」
百目鬼「するか馬鹿が!さっさと行っちまえ!」
小悪魔化してる馬鹿マキの首根っこを引っ付かんで早々に玄関から放り出す。マキはそれでもニタニタ笑ってやがって腹が立って仕方がない。
玄関全開で、マキを睨みつけて追い出した。
百目鬼「さっさと行っちまえ!」
マキ「もう、乱暴だなぁ…」
そう言いながらもニヤニヤして腹立たしかったが、俺は内心ソワソワしてた。マキを大学に行かせることが心配で仕方がない、あんな夢を見た後じゃ仕方がないが、変なのになんかされんじゃないかと想像しちまう。それに、俺の家からマキがこれからずっと大学に通うのかと思うと何だかこそばゆい。
百目鬼「マキ」
マキ「なぁに?」
百目鬼「…気をつけて行ってこいよ」
マキ「…………」
玄関の扉を開けっ放しでマキを見送り、ここでマキが〝はーい、行ってきます♪〟って言えば送り出し終了だったのに、マキはなぜがキョトンとして固まった。
それからまたしても悪戯な小悪魔の顔してニコッと笑って俺の首にまとわりついてきた。
マキ「神さん、行ってらっしゃいのチューは?」
百目鬼「はぁ??…ざけんな、さっさと行け」
マキ「ほっぺでも良いから、ね?」
百目鬼「ね?じゃねぇーだろ!さっさと行け!」
マキ「えー!!修二とむつと華南はやってるんだよぉー、僕もしたい♪」
百目鬼「知るか!」
そんな情報聞きたくねぇぞ!
マキ「ねぇねぇ、ほっぺで良いからぁ、ちょこっと♪お願ぁい神さぁん♪」
この馬鹿は、自分が人からどんな風に見えるか熟知してる。可愛らしく小首を傾げた上目遣いで瞳をうるうるさせながらのおねだりポーズ。そこに幻の猫耳まで生やすんだからタチが悪い。
この場で押し倒されても文句は言えねぇぞ!この小悪魔魔性が!!
マキは、ほっぺを俺の口元に寄せながら、俺からのキスを待っている。
俺は、自分家の玄関で何やらされてるんだとため息つきながら、瞳をキラキラさせながら、ほっぺにチューを待ち望むマキに負けて、渋々ほっぺに一瞬唇で触れてやった。
マキ「あは♪神さん大好き♪♪」
マキの満面の笑顔をよそに、俺はいやな予感がしていた。
まさか…毎朝ねだられやしないよな…
その時だ…
俺にとって最も恐れてることが起こった。
賢史「さすが女王様。神をここまで骨抜きにしちまうとか恐ろしいー。神君何やってるんですかぁ??」
ニタニタしながら現れた賢史は、今にも吹き出しそうに口元を押さえて階段からこっちを覗いていた。
百目鬼「ッ!!!」
マキ「ふふ♪賢史さんおはようございまーす♪」
頭真っ白で固まる俺とは対照的に、マキはニコニコ賢史にあいさつしてやがる。
賢史「おはよう女王様、朝から刺激的だねぇ」
マキ「ふふ♪良いでしょう♪ラブラブなんだよ♪」
賢史「ブッ!ラブラブだってよ!ギャハハハハ!」
笑い転げる賢史に、今日ほど殺意を覚えたことはない。
百目鬼「てめぇー賢史!!」
賢史「ギャハハ!ヒィー腹痛い!ギャハハ!!」
百目鬼「ぶっ殺す!」
賢史「ギャハハハハ!!」
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