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18〔裏番外〕ゆくえ……
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マキ「神さん…、僕、先に寝室行くね…」
遠慮がちに呟いたマキは、俺が乾かしてやった髪から風呂上がりのいい匂いをさせて、俺と選んだパジャマを身にまとい、可愛らしく小首をかしげてニッコリ微笑む。そして寝室に向かおうとしたが、俺はそんなマキを直ぐに止めた。
百目鬼「待て待て!」
マキ「…ん?」
百目鬼「ん?じゃねぇんだよ、可愛い顔してごまかすんじゃない。キングを抱っこして寝室に行くな」
なんで?キュルンってな感じで可愛い面で小首を傾げるマキは、俺に注意されると分かっててやってる。
マキ「神さんまだ寝ないでしょ?」
百目鬼「だから、可愛い顔してもダメなもんはダメだ。俺も行くからキングを戻せ」
キングをゲージに戻させてマキを連れて寝室に移動してベッドに入る、いつものように腕枕をして、寝かしつけようとしたら、マキはスリスリ寄ってきて艶を含んだ瞳で見つめてきた。
百目鬼「おい、大人しく寝ろ」
マキのジュピター色の瞳を隠すように手で押しのける。だが、マキは俺の指を唇ではんで甘噛みしてきやがる。
マキ「…大人しく寝るの?今日も寝るだけ?」
物欲しそうな顔して、妖艶に見つめてくるマキは、俺の指に猫みたいにじゃれついて、魔性スイッチが完全に入りやがった。
百目鬼「おい、だから可愛い顔して煽るな」
軽く睨みを利かすが、マキはふふっと悪戯っぽく笑って俺の足に足を絡めて更に密着して来やがるから、俺の中の獰猛な猛獣が牙を向く。
この野郎!
明日も大学だろうが!!
マキ「可愛い?我慢しなくていいんだよ?」
百目鬼「可愛くない」
マキ「…そっか。じゃあ寝るね♪」
グッ…。
ヘラッと笑顔を向けられて、慌ててマキの前髪を撫で上げる。マキは胡散臭い柔らかい顔してやがってますます怪しい。
マキとヨリを戻して、毎晩だった行為。大学が始まってから、マキの様子を見ながら減らした。
マキは、最近セックスの後、動けない日が増えた。
乱暴に扱わないように気をつけてるつもりだが、一度始まってしまうと、朝まで離してやれない。
だから…、なるべく負担にならないようにしたつもりだが…
マキ「ん?」
胡散臭い笑顔をするマキは、マズイ。
百目鬼「違うぞ、明日は大学だろう」
マキ「うん」
百目鬼「不安か?」
マキは、セックス依存症だと先生様に聞いた。
不安が原因らしい…。
俺は、マキを知って歩み寄りたかった。マキを支えてやれるなら、そうしたいと思う。
しかし…、俺は、言葉選びが下手くそだ…
奏一や修二のように、相手を癒す言葉を言えず、傷つける。
「不安か?」と聞いた瞬間マキの目の色が鋭いものに変わる。
マキ「なにそれ…」
百目鬼「ッ…」
何か言ってやらなきゃと思うのに、適切な言葉が思い浮かばない。
俺に、人を癒す才能がない…
俺のたった一言が、どんな風に三回転半してマキに伝わってしまったというんだ?
マキ「…、ふふっ♪僕、今幸せだよ。だからお願い、変な気を使わないで」
笑顔の拒絶。
キュッとしがみつかれたが、それは、拒んでいるように感じて仕方がない。
腕の中にいながら、遠いいマキの心。
返ってこない腕時計…
俺は、マキに何か悪いことをしてしまったんだろうか?それともやはり、マキの中には踏み込ませて貰えないのか?
時間をかけて少しづつ、俺たちのルールを作ると決めた…。
だが、歯がゆくて仕方ない…、苛立ちが広がって、檻の中の猛獣が暴れる。
俺のものなのに…
何もかも俺のものなのに…
まだ俺のものにならない…
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マキ「えへへ♪…じゃぁ…じ…神さん♪、行ってきまーす♪」
平日は毎日俺がマキを見送る。この光景も慣れてきた。たが、いつまでも慣れないこともある。
マキ「ねぇねぇ。行ってらっしゃいのチューは?」
百目鬼「グッ……」
キラキラ嬉しそうな瞳が、毎日上目遣いで俺を見上げる。毎朝毎朝衝動を抑えるのに必死で、そんな俺を見てマキは楽しそうに笑いやがる。
可愛らしい顔して俺の首に絡みついて、キュルルンと凶悪な可愛さで俺に迫ってくる。
肌を重ねなかった日の朝、これほどの拷問はない。
マキ「んふふふ♪猛獣ちゃんになっちゃいそう?」
百目鬼「いい根性してんな、大学行けなくなるぞ」
マキ「大学は行くよ♪お勉強したいし、神さんサボりとか嫌いでしょ?」
百目鬼「ああ、サボるなら追い出す」
マキ「ふふふ♪追い出されたくないし、大学の勉強は大事だし、そんな真面目な神さん大好きだから、行ってらっしゃいのチューして♪」
朝のこのやりとりだけは、全く慣れないし、むしろ回数を重ねほど、むず痒くて…恥ずいッ!!
マキ「じゃあ、ほっぺでいいから…」
百目鬼「ッ…」
マキの柔らかい頬に、唇を1秒触れるだけ、それだけなのに、俺は破裂しそうだ!
マキ「ふふふふ♪そんな嫌そうな顔しなくても」
百目鬼「…勘弁してくれ…」
マキ「イ♪ヤ♪。とっても可愛いんだもん♪」
毎回毎回楽しそうなマキは、満足そうに俺から離れる。
マキ「そうだ神さん♪、今日、修二のとこ寄ってから帰ってくるから♪」
百目鬼「あ?」
マキ「ふふ♪そんな嫌そうな顔しないでも、神さんが仕事が終わる時間には帰ってくるよ♪」
百目鬼「迎えに行く」
マキ「大丈夫♪帰りは奏一さんが送ってくれるって♪」
奏一ッ!?
百目鬼「俺が迎えに行く!」
マキ「…」
思わず強く声が出て、それに驚いたマキがキョトンとした。
ああ…、またやっちまった…。
マキ「ふふふふ♪分かった♪帰る時電話するね♪」
俺は子供か!?
マキにフォローして貰ってばかりで…
だから、腕時計が貰えないのか?
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