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26〔裏番外〕ゆくえ……
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マキ「ん…」
百目鬼「起きろマキ」
体を揺らしても、なかなか起きないマキ。
まぁそうだろう、昨日は一人でオナニーした後に俺と朝までコースだったんだからな。
マキ「…ど…めき…しゃん…」
百目鬼「おらおら目を開けろ、それは俺じゃなくてミケだ、アホが」
寝ぼけたマキは目も開かず、ミケを抱きしめて俺の名を呼ぶ、俺は猫と一緒か、湯たんぽか…
百目鬼「起きろ、そろそろ時間だぞ。お前の分の朝飯こっち持ってきてやるから起きろ」
マキ「うえ?…起きう」
ショボショボの瞼を一生懸命開けて、口の回らないマキは、一人で朝ごはんは嫌だと慌ててベッドから這い出ようとした。
…無理だと思うが…。
そう口にしようとしたら、マキはベッドからストンと落ちて床にへたり込む。当たり前だと俺は思ったが、マキ本人は、その現状に驚いて目をパチクリさせていた。
マキ「え?えっ?」
百目鬼「まったく…」
マキを抱え上げ、ベッドに戻してやったが、マキはキョトンとしていて、まだ頭が回ってないらしい。
百目鬼「昨日ので腰が抜けたんだよ」
マキ「あっ、ごめんなさい」
百目鬼「なんでお前が謝る。まぁ、今回は俺のせいじゃねぇから俺は謝らないけどな」
マキ「え?」
百目鬼「おい、ちゃんと起きてるか?」
何故か、必要以上に驚いた様子のマキは、頷いてはいるが、キョトンと俺を見つめてる。マキは時々、俺の理解できない何かに驚いたり傷ついたり喜んだり、早くそうゆうのが分かるようになりたいもんだ。…分かるようになるのか?
まぁ、今回は、俺に隠れてオナニーするからこうなるんだ、自業自得だぞ。
そう思いながら、俺はリビングから二人分の朝ごはんを取ってきて、一つはマキにやった。
マキ「…神さん、前髪下ろしたままに普段着なんて珍しいね」
やっと覚醒したらしいマキが、俺の格好に瞳を瞬いた。いつもはスーツにオールバック、まぁ、尾行で変装もするが、家でこの格好は確かに珍しいこと。マキは、俺がなんでこんな格好なのか、まだ、理由を知らない。
百目鬼「ああ、用事ができたからな」
そう、大事な用事がな。
マキ「えーー!!いーよ!大丈夫だよ!!」
大学に行こうとしていたマキが絶叫して、玄関から出ようとする俺を中に押し込んで戻そうとする。
まぁ、この反応、予想はしていた。
百目鬼「お前がフラフラしてるから大学まで俺が送ってやる」
マキ「いいよ!大丈夫だよ!仕事しなよ!」
百目鬼「仕事に影響はない。それとも、こんな怖いおっさんに大学までこられたら迷惑か?」
マキは、例えそうだとしても「迷惑」なんて言わないだろうと思って言った。俺が普段どれだけマキの生活を邪魔しないように気を使ってたか、マキはきっと知らない。というか、最低限に止めていたのを感じ取って、〝百目鬼さんはなんか我慢してる〟と思ってへこんでたらしい、上等だ、俺が何にも遠慮しなかったらどうなるか、その身で味わえ。
そのために、今日動けなくなると分かってて昨日マキを抱いた。抱いた翌日のお前がどんな顔して、どんな艶かしい仕草で、どんなに危険な香りがしてるのか自覚がないらしい。そんな卑猥なオーラムンムンの〝モブ取りホイホイ〟みたいなお前を、〝この俺が〟どうぞ行ってらっしゃいと玄関で送り出すわけねぇだろ。
マキ「迷惑だなんて思ってないよ!。…神さんに僕が迷惑かけるのが嫌なだけだよ」
百目鬼「それは良かった。俺も迷惑だなんて思ってない、杏子には入り時間伝えてあるから仕事にも迷惑はかけてない。それじゃ、行くか」
マキ「えっ、ちょっ…」
マキの細い腕を強引に引っ張ったら転びそうになったので、面倒だから肩に担いで階段を押したら、マキはジタジタと暴れやがる。
そのまま車の助手席に突っ込んで、何故か、マキは顔を赤くする。理由の分からない俺は
果物みたいに赤くなってばかりだなぁ…。
と思うだけだった。
大学の手前でいいと言うマキを無視して、俺は真っ黒な車を大学の正門前に堂々と停めた。もちろん俺たちは注目の的で、マキは恥ずかしそうに縮こまる。
普段のスーツ姿だったらヤクザだと思われたろうが、今日は、ラフ目な清潔感のある格好に、スポーツしてそうな雰囲気の装いをした。年中無休の眉間のシワは下ろした前髪で隠しておいた。
見た目は、大柄な野球選手や、ラガーマンみたいに周りから見えるように気をつけた。
百目鬼「着いたぞ」
マキ「う、うん」
マキは周りの目が気になるのか、なかなか車から降りない、人通りが少なくなるのを待ってるのだろう
百目鬼「…マキ、迷惑だったなら、そう言わなきゃ分からない」
分かっててわざと言った。マキにはもっと思ってることを言ってもらわなきゃ困る。
マキは俺の言葉に眉間にシワを作ってムッとしたかと思ったら、やっぱり顔を赤くした。
何故怒る?素直になれというのが難しいのは分かるが、そこまで嫌なのか…。
と思ったら、急にドアを開けて車から飛び出した。
百目鬼「おい!…」
言い方を間違えたのかと手を伸ばしたら、マキは助手席のドアを開けたまま、かがんでムスッと膨れた顔をのぞかせ怒鳴る。
マキ「いつもと違う神さんにドキドキしたしちゃいけないの?!好きな人に大学まで送ってもらって恥ずかしいと思っちゃいけないの?!みんなに見られて神さんカッコいいって思われたらやだなとか嫉妬しちゃいけないの?!」
百目鬼「は?」
マキ「何にも分かってないのは神さんの方だよ!!僕は神さんが好きなんだよ!神さんの馬鹿ぁあ!
イーー!!」
歯並びのいい真っ白な歯が見せつけられて、マキは子供みたいに怒ってドアを乱暴に閉める。
百目鬼「☆?ま…」
ーバタン!!
は?
乱暴に閉められた助手席のドア。
慌てて運転席のドアを開けたが、マキはあっという間に大学内に走って行ってしまった。
百目鬼「なんだ?…あのクソ可愛い生き物は…」
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