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33〔裏番外〕ゆくえ……
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翌朝目が覚めると、俺の腕の中に、マキはいなかった。
代わりにあったのは、俺のおでこの上にミケの猫パンチ。
ーゲシッ
百目鬼「ぐっ…。ミケ…重い」
両足を俺の頭に乗せてググッと背伸びするように背中をしなやかに反らせ、ミケのほとんどの体重が俺の額に乗せられていた。
百目鬼「あれ?…マキが居ない…」
寝室を見渡してもマキの姿はなくて、慌てて記憶を呼び起こした。
昨日は、食器を洗い終わったマキを寝室に連れてって…
マキ『ッ…んはぁ…んん…』
百目鬼『3日間オナニーしなかったんだな、さっきは濃かったな…』
マキ『はぁん…、んっ、んはぁっ…んん』
百目鬼『どうしたマキ、声を我慢するな』
いつもより顔を枕に隠したり、唇を噤んで声を抑えているような気がして、バックで繋がったまま、後ろから抱くようにマキの体を引き上げた。
マキ『あっ…』
百目鬼『3日間弄ってないからキツイのか?』
マキ『ううん、気持ちいいよ』
百目鬼『そうか…』
油断したら、暴走しそうで必死だった。
回数だって2回くらいで制限するつもりだったのに。
一度マキの体に触れたら、俺は滾って溢れ出す。
マキが声を抑えるから、やたらとベッドの軋みが耳について、その音を聞きながら、これ以上激しくはダメだと自分に言い聞かせてた。
そうだ…。
昨日は結局2回で終わらせられなくて、最後は俺が寝落ちしたんだ。
マキを満足させてやろうと思ったのに、俺が満足して寝ちまうなんて、なんてかっこわりぃ。
マキの奴どこ行った?
直ぐにリビングに出ると、そこには着替え途中のマキが居た。
マキ「おはよう、神さん。丁度良かった、今起こそうと思ってたんだ」
百目鬼「おはよう。お前1人で起きたのか?」
昨日は、朝まではしてないが、何度もマキを抱いたのに、マキは最近では珍しくシャキッとしていた。
いつもの甘い余韻というか、お色気ムンムンの卑猥なオーラは出ていない。
マキ「シャワーしたんだ。昨日は途中だったから…」
百目鬼「す、すまん」
マキを気持ちよくしてやろうとして俺の方がスッキリして寝ちまうとか最悪だろ…
マキ「ふふ、可愛い顔して謝らないでよ。神さん疲れてるんだよ。こういうの、僕は神さんの寝顔を堪能できたから嬉しいよ…」
百目鬼「すまん、今直ぐ、朝ごはん作る」
いつもだったらとっくに着替えてて、マキに暖かい朝食を用意しやってるのに…
いくら出張を早く終わらせようと詰めて仕事したとはいえ、結果マキの前で寝落ちじゃ意味がない。
マキ「気にしないで、僕、昨日神さんがくれた焼き菓子食べたから。…雪哉さんに美味しかったですってお礼言っといてね」
百目鬼「…、マキ、拗ねてるのか?」
マキ「なんで?」
百目鬼「お前が、フレンチトースト要らないって言ったことない…」
マキ「ふふ、そりゃ、食べられるなら食べたいけど、神さん時計見た?僕、今出ないと遅刻しちゃう」
百目鬼「は?」
時計は、マキの出かける時間を10分程過ぎてる。
百目鬼「すまん!車で送る!」
マキ「だ〜め、今からじゃ出社時間に間に合わないでしょ」
百目鬼「杏子に電話して…」
マキ「だ〜め、神さん子供みたいな我儘はダメだよ。本当にギリギリだから、僕行くね」
マキは、乾ききってないしっとり髪をなびかせて、玄関を飛び出した。
百目鬼「…子供みたいな我儘…」
確かに出勤時間をずらすのは、俺の事務所だから出来ること…。でも、もう檸檬も頼りになる探偵になりつつあるし、営業時間に間に合えば問題はないんだが…
まぁ、確かに…遅刻は遅刻か…。
百目鬼「ん?…そういえば…今日はいつものやつ強請ってこなかったな…」
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百目鬼「おはよう」
杏子「おはようございます」
檸檬「っはよーございまーす!」
マキを見送った後、俺も支度をして出社した。
1日早く戻ってきたことを、杏子と檸檬がニヤニヤしながら迎える。
百目鬼「3日間変わりなかったか?」
檸檬「ありまっせーん!」
百目鬼「何をニヤニヤしてる」
檸檬「だってー、4日の出張を3日で済ましちゃうなんて、よっぽどマキちゃんを1人にしたくなかったんだなぁと思ってぇ」
百目鬼「アホか!たまたま有力情報が入ったんだ。それに、マキには少ない日数を言って予定が延びたと言いたくなかったんだよ、餓死しちまう」
マキはきっと、俺が帰ってくる日は玄関に張り付いて待ってるに違いない。
杏子「人間は2、3日じゃ餓死しませんよ、コンビニもありますし、食べ物に困ることはないと思いますが」
檸檬「杏子は鈍いなぁ、百目鬼さんは、自分の作った飯じゃないとマキちゃんが食べれないと思っちゃってんだよ、百目鬼さんの貴重なデレに水差すなよ」
杏子「あら、それは私としたことが…」
百目鬼「そこの姉弟ちょっと黙れ!」
杏子・檸檬「はーい」
このクソ煩いガキどもがっ!!
矢田「あー!!百目鬼さんおかえりなさい!!」
チッ、別の意味で煩いのが来やがった。
矢田「1日早く終わるなんて流石っす!」
疲れてる時、矢田の声は頭に響く。
矢田「いやぁ〜、昨日帰られたなら丁度良かったぁ」
いつになく満面の笑顔の矢田。照れ臭そうに頭をかいてやたらにモジモジしてる。
気色悪い。
矢田「マキちゃんに渡しておいた差し入れ届きました?」
百目鬼「は?」
矢田「あれ?まだ受け取ってませんか?お疲れだと思って元気になるものを差し入れしたんですが…」
俺は今、恐ろしいことを聞いた気がする。
百目鬼「ッ…、差し入れ…って…茶色い紙袋の…」
矢田「そおっす!それっす!百目鬼さん最近欠伸ばかりされてるし、菫ママに相談したら、百目鬼さんは〝毎晩残業に忙しい〟から精がつく物がいいっておっしゃったから、ちょっと奮発して高い〝栄養ドリンク〟買っときやした!」
…………………………。
俺、マキになんて言った?
百目鬼『チッ。嘘ついてまでこんなもん作りたかったのか、帰ってきたら俺に食わそうとしてたのか?』
マキ『…こんなもの作って、ごめんなさい…。もうしません…』
泣きそうな顔して俯いたマキの顔を思い出し、ありえないぐらいの衝撃が走って鋭利な刃物が胸を突き刺すほどの痛みを覚えた。
ツッ…!!
矢田「あり?百目鬼さん顔真っ青っすよ?」
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