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キングの冒険8
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マキ「すっかり懐いたね」
マキの声にハッと我に返った。
俺は、礼とみみに交互に抱っこされ遊んでもらい、すっかりご機嫌にお腹を出して寝っ転がってた。
マキ「やっぱ、キングは男の子だから、女の子好きなんだね」
し、しまった!!
マキ!誤解しないで!浮気じゃない!浮気なんかしてないんだよ!こいつら俺のツボ抑えるの上手くてついつい!
キング「クーンクーン…」
みみ「ふふ、キングはマキちゃんの方が良いって」
俺がマキに擦り寄ると、女子2人が笑った。
マキは優しい笑顔で俺を迎えて抱きしめて、ボソッと呟く。
マキ「寂しいけど、その時が来たら、ちゃんと可愛いお嫁さん探してあげるからね」
おヨメさん?なにそれおいしいの?
ねぇねぇマキ、美味しいもの?
礼「ああー!愛し合う2人!でもキングには許嫁がッ!およよよ…」
礼が変な動きをして、みみもマキも笑ったけど、俺には何のことかサッパリ分からない。やっぱ礼は変な奴だ。
マキ「さて、そろそろ帰ろう」
みみ「マキちゃんどうやって帰るの?確か電車でしょ?電車乗るならキングをケースに入れなきゃだし」
みみの質問に、隣にいた礼が興奮気味に割って入る。
礼「お迎えがくるのッ!?」
マキ「ふふ、今日は来ないよ。お仕事忙しいから」
礼「あぁ…残念…」
ああ、百目鬼のことか、礼は百目鬼のこと知ってんのかな?
礼は知ってる風だったけど、みみは知らないのか首をかしげてる。
みみ「礼ちゃんなにそんな興奮してるの?」
礼「ミィちゃん知らないの?こないだ黒い車に強面なスーツ姿のお兄さんがマキちゃんを迎えに来てちょっとした騒ぎになったのよ」
みみ「へー、知らなかった。マキちゃんのお兄さん?」
礼「違う違う、うーんと、年は30代くらいでマキちゃんの知り合いだって。でもさぁ、マキちゃん今まで見たことないほど可愛い顔して駆け寄ってったからぁ、もう私キュンキュンしちゃったぁー♪例えるなら、恋する乙女的な」
みみ「礼ちゃん、妄想しすぎだよ」
礼「あぁ…、ミィちゃんにも見せてあげたかった。その人すっごい怖い顔なんだけどね、こう…、その目が、俺のマキに近づくなぁ!って言ってるようで、むしろ可愛いのよ。あの日もマキちゃんウザいのに囲まれてたんだけど、その人が現れた途端蜘蛛の子を散らすようにみんな逃げてっちゃって、その人すっごくかっこよかったんだから」
みみ「へー、私も会ってみたかったなぁ」
マキ「…」
ふーん。あの鬼みたいな顔した百目鬼をカッコ良いとか可愛いとか言う奴がマキ以外にもいるんだ。
やっぱ礼って変わってんな。ってか、百目鬼が怖い顔してる理由当たってるし。どうせ嫉妬して睨み殺さんばかりにモブドモを蹴散らしたに違いない。
礼「私もまた会いたかったぁー」
マキ「ふふ、あの人忙しいから。
近くに友達が住んでるから、その子にケース借りるんだ」
礼「マキちゃんの友達?マジ!見たい!マキちゃんの友達なら、イケメンでしょ!」
マキ「ふふふ、うん、イケメンだよ」
マキが楽しそうに笑ってる。
こんな風に笑うのは、きっとかなりの仲良しの相手のことだ、つまり…
ゲゲッ!?それってあいつら3人のことじゃ…
*******************
華南「マキ」
大学の最寄駅には、犬用のケースを手にした華南の姿があった。
華南たちの家とマキの大学はまぁまぁ近いらしい。
華南!華南!会いたかった!
俺は尻尾をブンブン振って喜びをアピールする。華南のおかげでマキと出会えた。
華南には感謝してるけど、優しい華南のことはもともと大好きだ。
マキ「ふふ、華南に会えてキングが喜んでるよ」
華南「ハハッ、マキもキングも元気そうだな」
マキ「僕とはこないだ会ったばっかりじゃん、寂しかったの?ふふ♪」
大学にいる時より楽しそうなマキが悪戯っぽく笑う。
マキにとって華南たちはかなり心を許した特別な友達だ。
華南「ハハッ、それより毎日構ってもらってるみたいで…今が冬でよかったな」
そう言って優しい表情の華南が、マキの首元のタートルネックを上に引っ張るように正した。
マキ「…分かるの?」
華南「分かるさ、お前から言っとけよ、虫除けも程々にしないと返って虫を誘うってよ」
マキ「…えへへ…。でも、あると…嬉しいから…」
マキがタートルネックを両手で引っ張りながら、ふにゃっと照れ笑いして頬を染める。
マキは、百目鬼の前と百目鬼のことになると、こうやって花が綻ぶみたいに笑ったり照れたりするんだ…
大学では見せなかった、可愛い表情のマキが少しだけ顔を出す。
そんな表現を見せるのは、華南と修二…
そして俺の天敵のむつ…
むつ「お前相変わらずキスマークだらけだなぁ」
デリカシーも何もないし、こいつはマキと一緒にお風呂に入ったりマキの胸触ったりセクハラオヤジなんだ!
むつ「なぁなぁところでマキ。お前の後ろで柱に隠れて悶えてる女どもは何者?お前の知り合い?」
相変わらず俺様な態度のむつ。
優しい華南と修二と一緒に住んでる奴なのに、こいつは自分勝手で我儘で、なんで華南たちと一緒にいるのか俺には分からない。
マキ「大学の友達だよ。僕がイケメンと会うって言ったら会ってみたいって」
むつ「!」
イケメンって言われて口元が緩ませながら、身だしなみを気にしだすむつ。
イケメンってお前のことじゃないから、華南のことだから。と、俺がツッコんだところで、犬の俺の言葉はむつには伝わらない。
マキ「こちらは、みみちゃんと礼ちゃん。僕と同じ大学の一年生だよ」
マキがお互いを紹介して、みみと礼と華南とむつが挨拶を交わし合う。それをニコニコ見届けたマキは、キョロっと辺りを見た後、むつと華南に質問した。
マキ「ねぇー、修二は?」
むつ「来てるぜ。今ちょっと奏一さんから電話があって…」
華南「ああ、来たよ」
華南が指差した方角から、携帯を握りしめた修二が駆け足でこっちに来るのが見えると、マキは、嬉しそうに修二駆け寄って飛びついた。
マキ「修二ィー❤︎❤︎」
修二「わっ!あはは、マキ、おかえり。キング見つかってよかったね」
マキ「うん❤︎ありがとう❤︎」
ひっしと抱きついて、好き好きオーラ全開のマキ。
修二は、マキのことをなんでも分かる。特別の中の特別 。
マキは修二のことが大好き。
俺も羨ましいと思うくらい仲良しで、悔しいけど、マキが心で泣いてばかりの時、泣けないマキを泣かせてあげて心を軽くしてあげられたのは修二だった。
だから、マキと修二がラブラブなのは仕方ない。犬の俺じゃ、マキの悩みを聞いてやることしかできない…。
そんな修二とマキのラブラブぶりに、華南は微笑ましそうだけど、心の狭いむつはムッとしてて、みみと礼の女子2人は、両手を握りあって悶えてた。
礼。(キャーーーーーーァァー❤︎!!)
みみ(キャーーーーーーァァー❤︎!!)
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