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ー芽生えー5
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神さんにはその晩大サービスしておいたけど、ちょこっとねちっこく攻められた。「恩返しのチャンスだから、今回返せないなら体で返してくるよ」って言ったら歯軋りしながら引いてくれた。
そして、つよしのイジメの首謀者を懲らしめようと思ったら、思わぬところからストップがかかった。
修二「マキ、今回はつよしの友達に任せなよ」
むうぅぅぅー。
修二を使ってくるなんて、つよしのやつズルいよぉぉ!!
大学の授業中きたメールで、修二家に呼ばれてルンルンだったのに、一気に不機嫌モードの僕。ほっぺを膨らませて頬杖ついてそっぽを向いた。
マキ「つよしに友達いるの?」
修二「うわー、その言い方…」
マキ「だってつよしは同級生とは合わなくて、僕がいた頃は僕ら上級生と仲良くしてたもん。つよしと1番仲良しなのは、一応つよしと同じ学年の双子ちゃんだけど、そいつらのお兄ちゃんが戀兎と仲良しで、結局僕たちと繋がってた。いつもつよしがトラブルに巻き込まれると双子ちゃんが守ってたけど、今回は出てこないってことは、友達じゃなくなったのかも」
修二「今は、ちょっと喧嘩中なんだって」
修二の答えにさらにムッとした、昨日話した時にその話は聞いてない。なんで直の先輩の僕じゃなくて、他校の修二に詳しく話すんだと思ったけど、僕のヘラヘラ笑いを見て、修二が一言付け加えた。
修二「むつが尋問したからね」
マキ「なるほど♪」
むつまで関わってきてるとなると、話が複雑だなぁ。あの子の暴走機関車ぶりは凄まじいからな。
マキ「そういえば、むつは?」
修二「今日は仕事だよ」
マキ「華南も遅いね」
修二「今日は飲み会」
淡々と答える修二。
寂しくないのかな?…。恋人との家に独りきりでいる時間。僕は想像しただけで嫌だけどな。
そういえば、前にもこんな状況があった。そのあとむつの浮気疑惑とかあって…。
むつと華南はもともとノンケだから、今こうして一緒に居ない時間も女の子といるかもしれないのに…。
マキ「飲み会って会社の人と?」
修二「うん、仲のいい人に毎回駆り出されてる」
マキ「女の子もいるの?」
修二「うん、いるよ」
修二が僕の目を見て頷いた。
僕が何を言いたいのかわかってちょっと笑ってすらいた。
マキ「華南って飲み会多いいよね?修二は平気なの?」
修二「飲み会って言ってもほとんど仕事仲間だし、そうゆう付き合いも仕事のうちでしょ。それにちゃんと連絡は貰ってるよ」
柔らかな笑顔で答える修二は、不安を抱いてるようにパッと見は見えない。
マキ「女の子にベタベタ触られて取られちゃうかもー、とかは思わないの?」
修二は、2人と同棲が決まってからも、〝その時はその時〟という考えだった。だけど、むつが浮気したかもしれないってなった時、むつを信じて疑わず、むつを狙う女の前で「むつの心の浮気はありえない」と言い切った。
普段おとなしくて儚いイメージの修二が、凄くカッコいい男に見えたし、そんな風な関係を築いたむつと華南を尊敬した。
修二「どうしたのマキ、百目鬼さんとなんかあったの?」
マキ「あー、誤魔化したな」
修二「誤魔化してないよ、何か悩み事かなって思っただけ」
マキ「それが誤魔化してるの、さぁ答えなさい」
修二「……正直その可能性は考えるよ。でも、華南はカッコいいし優しいから、モテるんだよ」
昔の修二からは想像もつかないくらい、アッサリと白状する。かと思ったら、盛大にノロケて笑ってるよ。
マキ「うわー、今華南が居たら確実に襲いかかってたね。ってか、考えるなら、なんで言わないの?」
修二「言ったろ?飲み会は仕事の一環」
マキ「僕なら言うなぁ、『寂しいから僕の事も構ってニャン♪♪』」
ぶりっ子上目遣いでお強請りしたら、どんな相手だってイチコロだ。
修二「ふふふ。マキは言わないよ、マキは人の気持ちや立場を優先させちゃうからね」
マキ「それは修二だろ」
修二「何言ってんの、百目鬼さんが出張した日なんか、百目鬼さんの居ないところで寂しい寂しいって言ってたじゃん」
マキ「言ってないし!」
思ってはいたけど、そんなこと言う訳ないじゃん!
修二「ずっと寂しそうな顔してたよ」
普段は僕がからかう側なのに、修二がちょっと嬉しそうにクスクス笑ってる。
こんな風に穏やかな修二は好きだけど、何も僕をからかっていい顔で笑わなくても良くない?
マキ「神さんとSEXしたかったからね」
ふいっとそっぽを向いて口を尖らせたら、修二は何かを思い出し笑いしたように笑ったあと、僕に聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
修二「ふふ…。怒ったり拗ねたり…百目鬼さんのこと大好きなマキは、本当にいろんな顔するようになったね…」
修二の声がよく聞こえなくて、そっぽ向けてた視線を修二に戻したら、丁度チャイムがなった。
ーピンポーン♪
エントランスじゃなくて玄関の方のチャイム、修二が立ち上がって玄関に向かってると、鍵を開ける音がして、騒がしく華南が帰ってきた。
華南「ただいまー!修二ちゃん!」
明らかに酔ってる華南のテンション。
僕も気になって玄関を覗くと、華南は女の人に送り届けられてた。
女の人は修二と挨拶を交わし、華南を引き渡してすぐに帰っていった。
仕事の一環って言ってたけど、これはどうなの修二くん?
僕の疑惑の視線に修二は気がついて笑ってる。
華南を連れてリビングに戻った修二は、華南をソファーに座らせて台所に水を取りに行った。
華南「よぉーマキ、いらっしゃい」
上機嫌の華南がニカっと笑ったけど、その服からは女物の香水の香りがしてた。
マキ「ねぇ、会社の飲み会って本当?」
華南「ん?あぁ、社内一のイケメンが結婚して、その祝賀会、もう大変だよ、狙ってたのにって女性社員がみんな荒れちゃってるし、飲まされるし」
マキ「ついでに抱きしめてあげたの?」
僕の質問に意味を理解した華南が、自分の洋服を嗅いでみた。
華南「なことしねーけど、俺、臭う?」
マキ「相当」
華南「…シャワー浴びて来るわ」
ふらりと立ち上がった華南は、台所から戻ってきた修二から水を貰って真っ直ぐ浴室に向かった。
修二は浴室について行って華南の様子を見ながら、お腹は空かないかと聞いたり、タオルや着替えを用意したりめちゃくちゃ献身的。
修二の奥さんぶりを眺めていた僕は、気になって仕方ない。
マキ「ねぇ、修二」
修二「なに?」
マキ「修二は、怒ったりしないの?」
修二には唐突な質問だったのか、目を丸めてキョトンとしちゃった修二。
修二は元々尽くすタイプだから何もかも納得づくなのかな?
修二「…怒らないよ、怒ることなんかないし」
マキ「ふーん。そういえば、修二はヤキモチ焼いたりしないの?さっきのとか…」
修二「…さっきの人は、華南の先輩の奥さんだし、華南の仕事の先輩だよ」
マキ「ふーん」
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