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ー芽生え歌うー2
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うわぁーーーーァァーーーー!!!
僕のバカ僕のバカ僕のバカ!!
僕のバカ僕のバカ僕のバカ!!
マジィィーーーーーーー!!!
記憶は、なぜか鮮明に…
自分の醜態ほどテレビを見るようにハッキリと
そして、神さんの甘すぎる囁きは
今も耳に残って鼓膜を震わせ
僕の心臓はダブルパンチの羞恥に大爆発
言うつもりなかった!
言うつもりなかった!
言っちゃダメだった!
言っちゃダメだった!
絶対ダメだろッッッ!!
仕事だって分かってたのに!
仕事だって分かってたのに!
翼くんの事もユリちゃんの事もッ!
ましてや〝ためだった〟の話までッ!!
最悪だッ!最低だッ!
どんだけめんどくせぇんだ!!
ドン引きだよ!!
神さんドン引きだよ!!
絶対言っちゃダメなやつじゃん!!
あ¨ーーーーーーーー!!!
ーコンコンッ
百目鬼「マキ?…大丈夫か?鍵閉めるなよ、ドア開けろ」
アア¨ーーーーーーー!!!!
優しい神さんごめんなさいごめんなさい!!
僕は悪い子です!!
ほんと、マジごめんなさい!!!
頭を抱えて顔から火を噴いて、僕は無意識にブルブル震えが止まらない。
マキ「ッ!!…へ、…へーき…れす…」
ギャアアア!!
〝へーきれす〟ってなんだ!!
〝れす〟ってなんだッ!!
羞恥、焦り、情けない、恐怖、怒り。
かつてこんなに複雑な感情の嵐に侵された事など無いに等しい。
心が乱れた時は、何もかも切り離してなかった事に出来てた。自然とそうしていたのに、今の僕の頭は洗濯機のようにグルグルグルグル選択されて羞恥に溺れてる。
百目鬼「マキ、本当に大丈夫か?」
マキ「へーき!」
へーきじゃない!へーきじゃない!
神さんになんて謝ればいいんだ!
神さんは不器用で鈍いけど、一回聞いた事は忘れない。気にしてくれて改善しようと努力してくれちゃう!
あんな我儘な事言ったら、神さんの葛藤を増やすだけだ!!
百目鬼「マキ、水やるから開けろ」
マキ「へーき!」
ッッッ!!
ダメだった!!
頭痛くて気持ち悪くて頭が回らない!
いやっ、回りすぎてグルグルしてるの間違いか。
あーん!!
愚痴と泣き言の晒した上に、〝ためだった〟発言までするなんて!!
死ね!僕なんか死んじゃえばいいんだ!!
百目鬼「マキ!」
うわーん!!
こんなにめんどくさい奴になるつもりじゃなかったのに!!
僕はただ!
毎日幸せで!神さんの側に居れて幸せすぎて、少しでも返したいと思ってただけで!!
料理と、お仕事の手伝いしたくて、ついでにでいいから、お手伝いさせてくれたら、少しはそばにいる時間増えるかなってほんの少し思ってただけで!仕事の邪魔するつもりじゃなかったのに!!
こんなこと、清史郎さんの時は一度もしないいい子でいたのに!!
いい子でいたのに!
いい子だったのに!
百目鬼「マキ!!」
神さんの苛立ちの声が聞こえてるようで聞こえてなくて、僕の頭は羞恥と反省で手一杯でいたら、カチャッて鍵の開く音がして、外からドアをこじ開けられちゃった。
百目鬼「おい!全然平気じゃないだろ!こっち来い!」
怖い顔した神さんが、トイレで蹲って大反省中の僕を起こしてくれようとしたけど、僕は神さんに合わせる顔が無い。
マキ「ッ!むり…むりぃぃむいむい!」
俯いて抵抗するも、ガクガク震える体は、もう自分じゃどうしようも無いくらい恐怖で冷や汗と恥ずかしさの熱でグルグルグルグルして訳が分からなくなってた。
百目鬼「完全に二日酔いじゃねぇか、一体どんだけ飲んだんだ。出すもん出したなら横になれ」
ドスの効いた声で眉間にしわを寄せながら、神さんは僕を心配してくれてて、あぁ、やっぱ神さんは優しいしカッコいいし…
って思いながらも、体はブルブル震えて強張って抵抗する。
マキ「むいむい!」
百目鬼「むいむいってなんだ」
怖い顔しながら困り顔の神さんが、僕の両手を引っ張ってトイレから出そうとしてくれてるけど、僕は絶賛羞恥の嵐の中で、神さんが見れなくて、泣きそうで、泣きそうな自分が嫌で嫌でブンブン首を振ってたら、フッとリビングの方から臭ってきた油炒めの匂いに込み上がる何かを堪えた。
マキ「むいむい…、ウ¨ッ…、あぶ…ら…の匂い…」
百目鬼「す、すまん!」
神さんは悪く無いのに…。
謝らせるなんて僕は最低だ。
神さんはオロオロした後、バタバタ慌てた様子で窓という窓を開けてから、普段締め切ってて使わない僕用にしてくれてた勉強部屋にモーフを引いて、壊れ物を扱うみたいに優しく抱いて移動して、僕を横にしてくれた。
寒く無いように掛け布団も引っ張ってきてくれて、僕はぬくぬくのお布団の中、神さんが心配そうに背中をさすってくれて、目の前には水や普段神さんが飲んでる二日酔いのドリンクやら用意してくれて、お礼を言わなきゃいけないのに、僕は恥ずかしくて怖くて声が出なかった。
うずくまる中、フッと思い出す。
小さい頃、風邪を引いても、そばには誰もいなかったこと。
別にそれを悲しいと思ったわけじゃ無いけど、清史郎さんもお手伝いさんも物静かで穏やかだったったなぁってこと。
神さんは、あーでもないこーでもないって百面相しながら、バタバタドタドタ歩き回って、窓開けてくれて布団出してくれて、水持ってきてくれて、背中さすってくれたと思ったら思い出したように立ち上がって二日酔いのドリンク持ってきてくれて、優しく声をかけようって深呼吸してるのが、凄く心配してくれてて、慣れてないんだなって感じがして、なんだか楽しいような嬉しいようなあったかい感情が胸の中に生まれてた。
神さんが好きだ…。
再確認する。というか、何度も恋する。
神さんが好き、神さんが好き。
好き過ぎて、困るくらい溢れて…
ーチュッ
突然、おでこに温かいものが触れた。
それが、神さんからのキスだと分かった瞬間。
頭の中が爆発した。
マキ「ッ!」
百目鬼「大丈夫か?顔赤いな…熱か?それとも酒残ってるのか?…あぁ、水か…水飲めるか?」
優しく前髪をかきあげておでこに触れ、熱がないことを確認した神さんは、僕にコップの水を勧めてきた。
だけど僕は横になってて、さらに神さんのデコキスに頭がパンクしてフリーズしてたら、神さんは何を考えたのか、自らコップの水を口に含み始めた。
え?まさか!?…うそっ!?
一瞬の出来事に動くことができず、神さんは水を含んだ口で僕にキスして口移ししてきた。
マキ「ッ!ッ!……ぷはっ」
水、水、水なのに甘くて目眩がする。
百目鬼「ヨシヨシ、もう少し飲もうな」
やだ!溺れちゃう…
抵抗は声にならなくて、すぐに神さんの口に塞がれた。
百目鬼「ん?…まだ飲むか?」
神さんから聞いたことないような囁くような優しい声。僕の濡れた唇を拭うようになぞりながら、チュッとキスをしながら聞いてくるんだ。
と、溶ける。
百目鬼「もう一口か?ん?」
ヨシヨシ頭を撫でられて、僕の意識は神さんの甘すぎる行動にドロドロにされててクラクラ頭がついていかない。
もう一度重なった唇から甘い水が注ぎ込まれ、そのまま神さんの熱い舌が僕に絡まってきて頭の中が痺れる。
マキ「ンッ…」
百目鬼「ん?…うっとりしやがって、本当にキスが好きだな、こうしてれば楽になるか?ん?」
二日酔いはキスで治るみたいな言い回しをされて、何度も何度も神さんがキスしてくるから、僕の体らじんじん痺れて、甘い甘い空気に酔って切なくなった。
百目鬼「どうした?…もっとか?」
ダメだよ…
これ以上したら…
欲しくなっちゃう…
ムズムズする欲で足がモジモジしましたのが神さんにバレてる。
百目鬼「可愛いな…」
マキ「ッ?!?!」
誰!?
目の前でキスしながら笑いかけてきたのは、カッコよすぎて甘すぎる、今まで見たことないほど柔らかく笑った神さんの微笑み。
百目鬼「ヨシヨシ、添い寝してやるから、眠れそうならもうひと眠りしてろ、それまで、こうしててやる」
そう言って、甘い甘いキスをされた。
甘やかす唇に
僕は…
心臓が爆発して吹っ飛んで
さらにパニックに陥ったんだ。
ねぇ、修二。
心臓って壊れちゃうみたい……
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