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ー芽生え歌うー19
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コレ言ったら、さすがに呆れると思うんだけどなぁ?
でもいっそ、神さんがビックリするような我儘言った方が、神さんも懲りてくれるかな?
このお願いは、神さんが怒っちゃうようなことだし。
マキ「我儘なことぉ?…」
ソファーの後ろからもたれて横から神さんを見つめてみる。
神さんは大人の余裕を醸し出してコーヒーを飲みながらドンと来いって感じ…
頑張ってる神さんは好きだけど…
僕の本気の我儘は面倒くさいんだぞ。
怒って困っちゃう事なんだぞ。
困らせる事。あの時感じた嫉妬。
本音を口にするのは恥ずかしい。
だから自然と駄々っ子みたいな口調になっちゃう。
頬が熱い、僕、意外と緊張してるみたい。
潤んだ上目遣い。あひる口を尖らせて、もじもじ言葉にしてみた。精一杯お茶目に…
マキ「じゃあ言うけどぉ…。ユリちゃんみたいに昼間の街を腕組んで歩いて一緒にランジェリー選んでくれるぅ?」
百目鬼「はぁイ¨ィ¨ッ!?」
神さんが今まで見た事無いような顔して驚いて、思わずコーヒーをこぼしそうになってた。
あはは、やっぱ驚いてる。
ちょっと意地悪に言ったけど、嘘じゃ無い。
ユリちゃんとデートしてたのを見た時、僕がそうしたいと思った。僕が神さんと腕を組んで一緒に昼間の街を歩いて、僕が一緒にランジェリーを選んで欲しいって…。神さんはランジェリーに興味無いし、女装した僕をあまり好きじゃ無い、それでもランジェリーを選んでくれたら、嬉しいなって。僕とは嫌だろう事をユリちゃんとしたかもしれないって事が嫌だった。
百目鬼「俺は、店には入ってない!!」
マキ「えへへ♪、冗談だよぉー♪」
百目鬼「ッ!。マキ、俺は…」
マキ「うん♪信じるよ。冗談だから気にしないで、ちょっと嫉妬しただけだから♪。神さんはユリちゃんとデートしたわけじゃなくて、お礼に付き合ってたんでしょ?ちゃんと分かってるよ」
百目鬼「ぐッ…」
僕的には意外。
開口一番『そんな馬鹿げた事』って怒るかなぁって思ったから。
百目鬼「う¨ぅ¨…」
僕の我儘は、神さんに甘やかされ続ける事。
これからもずっとずっと一緒にいてもらう事。
マキ「僕は、神さんと一緒にいられればそれで幸せ♪」
百目鬼「ッ!………」
あーあ、難しい顔をしちゃって♪
どうして懲りないのかな?僕に振り回されてばかりなのに。
百目鬼「…………………………
………………分かった。選んでやる」
マキ「!?」
百目鬼「昼間の街を手ぇ繋いで歩いて、下着選んでやりゃいいんだろ!」
マキ「…あの、神さん…冗談だから」
百目鬼「へらへらすんな!俺はやると言ったらやる!」
マキ「何ムキになってんの、あは♪無理しないで」
百目鬼「無理してるんじゃ無い!努力してるんだ!」
うーん、努力が空回りしてるよ神さん。
マキ「分かった、神さんの努力は分かったから…」
百目鬼「お前は何にも分かってない。笑って誤魔化したって駄目だ。俺はお前の些細な本音を取りこぼしたくない。酔った時お前は確かに嫉妬したと泣いた。俺はそれを忘れたりしない」
やだ…、忘れてよ…やだ…
急にカッコよくなんないでよ、困る。
マキ「冗談だから…」
話をそらそうにも、神さんは僕を睨んで捉える。
百目鬼「俺が驚くような我儘言ってみろって俺が言ったんだ。だから俺はお前の我儘を聞く、例え、それが冗談でも、俺が本気だって証明してやる」
マキ「ごめん、怒ったの?冗談なんか返したから。だって僕の我儘はいっぱい聞いてもらってるから。なんでそんなムキになってるの?冗談で返したのは僕が悪かったよ、ごめんね」
百目鬼「いいや、冗談じゃ済まさない。俺は真剣だ」
困る…。
困るよ…。
カッコイイ神さんは困るよ。
百目鬼「お前が言ったんだ」
マキ「え?」
百目鬼「俺は変われる。俺がそうするからだ。俺が好きな奴の事を思って変わろうと努力するから、俺は好きな奴を大切に出来るって」
あっ…
百目鬼「いつまでもソファーの後ろにいないでこっちに来い」
困る…
困るよぉ…
好きって言った、サラッと好きな奴って…
僕の言った言葉を繰り返しただけ
それだけなのに…
ドキドキして心臓痛い…
百目鬼「隠れるな。仕方ないやつだなぁ」
マキ「わっ」
神さんが軽々と僕を持ち上げて、ソファーの上に座らせて抱き寄せてきた。
カッコイイ神さんに迫られると、僕はマキでいられない…ただの僕になっちゃう…
百目鬼「…ほら、体冷えてるじゃないか、ん?湯冷めしたら風邪ひく…、が…、…肌は冷たいのに、お前は相変わらず淫乱だなぁ、さっき散々ヤッたのに…」
神さんに抱き寄せられてくっついてる場所が、僕の邪な心を隠してくれない。しっかり主張して、エッチな子だってバレバレなんだ。
マキ「ごめんなさい」
百目鬼「謝れとは言ってねぇだろ、そんな顔すんな、それは俺の好物の顔だ」
マキ「ふえ…」
百目鬼「話が途中だから、泣くのはそれからだ」
それから?それからって…!?
百目鬼「仕事とはいえ、見られて困るような行動をしたのは俺が悪かった。ユリさんとの事は、俺の考えが足りなかった」
マキ「それは仕事だから」
百目鬼「仕事の内容は言えなくても、〝お礼にちょっと買い物に付き合う〟とは、事前にお前に言えた。そうしたら、お前を傷つけなくて済んだ」
マキ「そんな気ぃ使わないで」
百目鬼「お前はこの後に及んでまだそんなこと言うのか?酔ったお前の方がよっぽど可愛かったぞ」
マキ「ギャ!そのことは忘れて!!」
百目鬼「忘れるわけねぇだろ、お前の本心はしかと聞いた」
マキ「意地悪!」
百目鬼「俺は聞けてよかった。賢史や菫に聞かれたのは最悪だったが、お前が思ってることを聞けて俺は良かった」
マキ「良くないよぉ…」
百目鬼「ユリさんとのこと、お前が嫌な気持ちになるのは当然だ。内緒は嫌だよな、俺も逆の立場だったら言って欲しい。お前が他の男と腕組んで下着屋なんかに入ろうもんなら、俺はその場で止めに入る。たとえ何か理由があったとしても、キレてお前を攫って閉じ込めて言い訳も耳に入らず泣かしてる」
本当に想像したんだろう。
神さんの顔はとても怖い顔になって、拳を握ってワナワナ震えてる。
僕が男の人と二人で歩いてなんかいたら、マジで賢史さん呼ばなきゃいけなくなっちゃうかもしれない。
百目鬼「だから、お前が嫌だったことはもうしない。仕事でどうしてもの時はお前に事前に言うし、詫びもする」
マキ「そんな…大袈裟な…」
百目鬼「お前は、すぐへらへら誤魔化す、俺が鈍感なのを利用して怒らせて話をそらす。俺には見分けがつかない嘘か本音か。だったら、俺は受け止めてやる。冗談だろうとやってやる、俺は真剣だ。お前の願いは出来る限り叶える。俺は無理はしてない、これが俺の目指す恋人像だ。好きな奴を大事に大切にしたい、俺にはそれが出来るんだろ」
狂う程愛されたかった…
マキ「……………」
変わらない愛情が欲しかった。
1番になりたかった…
百目鬼「大人を舐めんな、いつまでも誤魔化されないぞ」
この人の、神さんの心の中で1番愛される存在になりたかった。
百目鬼「不器用だ馬鹿だと思ってるかもしれないが、俺は俺なりにお前を理解してるつもりだ、そりゃーまだまだ足りないだろうが、だったらお前も誤魔化すのをやめろ、心の中で思ってることをとりあえず言え、じゃなきゃいつまでも、冗談を本気にして恥ずかしい目に合わせるぞ」
我儘を言えと言う神さんが、懲りて言わなくなればと思った。
恥ずかしい我儘を言えば、神さんは怒ってこの話は終わると思った。
だけど神さんは、僕を抱きしめて言った
願いを叶える…と…
僕はちゃんと我儘なこと言ってるから、これ以上我儘言えと言わせないために言った我儘が
何故か、
僕の誤魔化しを封じることになった。
百目鬼「昼間の街を手を繋いで歩いて、下着を選んでやる!俺は本気だ!」
神さんの3回転半は、時々4回転になってすごい威力を発揮する…
僕のライフは…
跡形もなくなっちゃった……
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