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危険な俺たち〜修二〜
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むつ「だー!!危ねえぇー!!」
むつは返ってきた答案を前に盛大に安堵した。
赤点ギリギリの点数、笑えもしない30点あと1点で追試の点数だった。
週明け最初の1日で返ってきたのは2教科。どちらも首の皮一枚と言った所だ。
むつがこんな感じでは、華南の事が思いやられる。
修二〝くしゅん!〟
むつ「あれ?修二風邪か?」
不意に出たクシャミ。昨日からずっと出ていた。
むつ「もしかして土曜日の雨のせい?って俺じゃん!!」
修二「あっ、違う違う、帰りは雨降ってなかったから」
むつ「マジか?マジなのか?」
修二「本当だし、華南に聞いてみろよ」
土曜日に出かけた時、むつが寝てしまったことを酷く気にしてる様子だったむつは、朝からめちゃくちゃ不機嫌だ。僕ちゃんと華南はそれなりに楽しかったし、華南は普段と様子の違うむつをからかって遊んでた。
…いつもより何か考えながら動いてる様子に何と無く予感はあった。
デートのつもりなのかな?って。
むつ「修二、いつもの飲んだか?」
修二「うん、飲んだよ」
薬の苦手な僕は、風邪のひきはじめには生姜湯に蜂蜜を入れたものを口にする、体をあっためたり、喉の痛みを和らげたり自然の成分が僕には合ってる。今朝もちゃんと飲んできた。
雨は、日曜日から降り続き、今日も1日降っている、だいぶ気温が下がり、肌寒くなってきた。
最近は暖かくなったからしまってたカーディガンを引っ張り出して着ている。予防はバッチリ。
学校指定の紺のもあるが、ダサいし、俺はレモンイエローのカーディガンを昔から愛用している。
【こっちん様イラスト参照】
修二「むつ、5限体育だから着替えに行こうよ」
修二が体操を取り出して支度をしているが、むつは机に突っ伏したまま動こうとはしない。
外の雨のせいで、今日は体育館を使ってやるから、むつは乗り気じゃないみたいだ。
体の硬いむつは、機械体操が苦手だ、だから今日は参加しないつもりなんだろう。
むつ「俺、パース」
修二「はいはい」
修二は机に張り付くむつを置いて教室を出ることにした。
着替えは普通教室なのだが、僕ちゃんと、むつには、教室で着替えが出来ない訳がある。修二は、いつも通りに教室から近い、あまり誰も使わない美術準備室に入り込んだ。
六畳ほどの広さの部屋は、絵の具やらなんやらの油っぽい独特の匂いのする、キャンパスやら銅像やら、幾つかある棚に積まれ、辺りは物で埋め尽くされている。部屋の唯一1箇所の窓のカーテンを引っ張り薄暗くすると、修二は着ていたカーディガンとワイシャツを脱いで着替え出す。
体の何箇所かが赤紫になっている、修二は一番目立つ鎖骨の赤紫の跡が薄くなってきているのに安堵した。
華南が付けたキスマーク、わりと気を付けないと見えてしまう、他にも胸やら太ももやら、華南とむつに付けられたキスマークだ。
ったく、華南のやつこんな目立つとこにつけやがって、
制服は大丈夫、第一ボタンまで閉めてネクタイをキチンとしてれば見えないが、体操着は微妙だ、一応隠れてはいるが、ふとした瞬間に見えるんじゃないかと気が来じゃない。
修二〝くしゅん!〟
あーダメだわ、クシャミ止まらない…
脱ぎ捨てた制服の下に埋れたカーディガンを取り、体操着の上から羽織る、「伸び盛りだから」と母親が買った鮮やかなレモンイエローのカーディガンは、修二には丈も袖も長めだ、高1の時に買ってもらい今日までに少しはマシになったが、体操着の上からで羽織ると、短パンが見えずらく、華南がいたら鼻血ものだ。
美術準備室にあるデッサン用の家具の中にあるアンティーク調の姿見を覗いて、鎖骨の跡を確かめる…
?「大丈夫見えてないよ♪」
修二「え!?」
突然背後から声がして振り返った
ぎゃーーーーーーーーーーー!!!!
なんでいるのォーーー!!??
修二と同じ男子校の制服を身にまとった人物は、銅像に持たれて立っていた。何体もあるどの銅像より綺麗な顔立ち、中性的でハーフのような整った容姿、赤いフチの眼鏡を掛けて、フワッとした癖っ毛を後ろで束ね、ニコニコと笑っているその左目には泣き黒子がある。
修二はその人物を知っている、
知っているが、
うちの制服を着ているはずがない。
?「絆創膏あげようか?」
修二「マ、マキ!な、な、なんで?」
マキ「メール、無視するんだもん♪」
ニッコリ微笑んだマキに、修二は嫌な予感しかしなかった。
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