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めんどくさい俺たち〜華南〜
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学校は案の定あっちこっちで、雷太と修二とむつの三角関係が囁かれていた。
かろうじて、むつと修二に話しかけて真相を聞こうなんて奴はいない、克哉以外は。
雷太は今日も昼休みの屋上に現れた。なぜか弁当持参で。
修二「うわっ、スッゴイ、これ全部雷太が作ったの?」
雷太「はい!柴田先輩に食べてもらおうと思いまして!」
むつ「誰がココに来ていいって言った!!帰れ!!」
高1男子が作ったとは思えない立派な弁当。それをむつに差し出し、雷太は積極的にアピール中。
雷太「修二さんが入ってもいいって」
むつ「おい!何で名前で呼んでんだ!」
雷太「修二さんがいいって…」
むつ「だめだ!俺が許さない!」
雷太「分かりました!名前で呼ぶの辞めます!」
従順な雷太。まるで犬コロみたいだ。
スポーツの上下関係の従順さか…雷太は普通にいい子だった。
吉良「違うね、アレは修二を利用して睦美に構ってもらってるね」
華南「それ、昔、吉良さんが使ってた手じゃないっすか?」
吉良「睦美ぃ〜!プレゼントあるよぉ〜!」
うお!話をごまかしやがった。
むつ「やった、吉良さんサンキュー!」
吉良「それと、はい、チケット」
吉良さんは、A4サイズ位の紙袋と、こないだのホテルのタダ券を取り出した。
華南「なんすかその袋」
吉良「勉強道具」
むつ「秘密!」
怪しい…吉良さんが勉強道具だなんて怪しすぎる。
むつ「修二!またタダ券貰った!土日で行こうぜェ!」
修二「ゴメン、今週は兄貴の店出るんだ、7月に3号店出すから、今新人研修してるんだ」
むつ「へぇー。じゃ、華南、土曜に食べに行こうよ」
華南「お、イイね」
吉良「アレ?睦美、俺は誘ってくんないの?」
むつ「吉良さん修二の兄貴苦手じゃん」
吉良「そうでした」
目を細めて笑う吉良さん。なぜかそこには雷太がするっと入り込む。
雷太「僕も行きたいんですけど、あいにく土日は部活が…」
むつ「誘ってねぇーよ!」
中々図太い雷太、これは中々諦めそうもない。
…めんどくさいことになりそうだ。
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土曜日の11時、開店と同時に入れるように行くと、何やらスタッフがいっぱいいて、何故か半分女の子ばっかりだった。
修二「いらっしゃいませ」
むつ「何アレ」
修二「3号店のスタッフ、女性だけの店にするんだって」
むつ「…へー」
またまたむつさん、眉間にシワ寄ってますよ。
むつが覚えた嫉妬は、今や誰彼構わず発動する。見てて飽きないけど、そろそろ修二が可哀想な気もする。
料理長「修二君、お友達?」
修二「あっ、夏さん、はい、金髪が同じクラスのむつ、こっちのデカイのが、華南っていいます」
料理長「イケメンがいるって女の子が騒いでるよ」
修二「むつ、華南、この人3号店の料理長やる、夏さん」
料理長「宜しくね、今日は美味しいの作るから。それじゃ、ゆっくりしてって」
修二「僕ちゃんも行くね、注文決まったら呼んで」
華南「はーい」
随分パワフルな感じの人だ、むつのお姉さんに雰囲気似てるか?
俺とむつは修二の働くカウンターに座り、それぞれ注文を済ませる開店時間を10分過ぎると、パラパラお客が入り始め、スタッフも修二も忙しそうになってきた。
新人女性スタッフ達は、そこそこ仕事をこなし、時折修二を呼び止め質問している。新人教育係なのか、色んな子に声をかけられ、せかせか働いていた。
隣に座ってたむつは、それはもう不機嫌で、15分もしないうちに食事を済ませ、店を出た。
馬鹿だなぁむつ。修二は女のことなんか、なんとも思ってないのに…。
そういえば、奏一さんいなかったな。
そうして久々商店街を何しようかと歩いていたら、前方に嫌なものを見た。
建物の角に1人を追い込み、2人の柄の悪い男達が声を荒げている。
しかし俺とむつが、嫌なものだと思ったのは、柄の悪い男たちではなく、絡まれてる人物の方だ。
なんせ、俺たちはそいつを良く知っている。
絡まれてるのに、うっすら笑みを浮かべ。そうなると、なぜ大人しく絡まれてるのか疑問だ。
そいつは、下手したら俺たちより強い。そして何処かしこと出没し、未だ持って正体不明の男。
そして、言いたかないが、俺たちのキューピット的な存在にになった人物だ。
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