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めんどくさい俺たち〜むつ〜
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敗北…
メロメロにしたかったのに、俺が夢中になっちまって敗北感が広がる。
しかも、1回って言ったのに、結局1回じゃ終わらなかった。
あの日は行為が終わった修二は、逃げるようにして帰って行った。
心がざわつく。
約束破ったから修二は怒ってるかも…。
しかし、俺の心配はたぶん大丈夫だッたんだろう。
次の日の土曜を会わずにメールだけですごし、日曜の夕方、バイト終わりの修二からメールが来て、俺の部屋に修二の方からやって来た。
見慣れたはずの修二の顔に、俺は妙なざわつきを感じて落ち着かない。
修二は、しれっとした顔してまたアルバム覗いてたが、修二のうなじは赤いし、俺が近づくとビクッと体を固くした。だから、シたいのかと思ってキスすると、お決まりの「待って」が再び。イラっとして構うもんかと押し倒したら、最後はやっぱりメロメロなった。
一週間、ほぼ毎日のように修二とヤった、日月と続き、修二はやっぱりはじめは「待って待って」から始まって最後はメロメロ。結局エロエロだったのは、金曜の夜だけ。
さらに、意外だったのは、華南が2回しか参加してこなかったこと。エロ魔人がいったいどうしたのか?
今日はいよいよ姉貴が赤ちゃん連れてご帰還だから、昨日はいっぱいイチャイチャしといた、俺は華南みたいに回数もたないから、濃厚なのをなるべく長く持たせるように努力した、流石に修二もフラフラしてたな。
修二の気怠い表情のせいか、修二を見てるとドキドキと落ち着かない
日々、甘く変わる修二を見て、俺は満足してた。
だから、気づかなかった…。
体育の時間、いよいよ全員でピラミッドを作れるようになっていたが、あまりもたずに、もろくも崩れる。
1番上の俺は潰されはしないが、毎回急落下に嫌気が差していた。
その時だ。
克哉「修二!!」
克哉の緊迫した声に、全員そこを見た。
克哉「修二!しっかりしろ!修二!」
克哉が、倒れてる修二の腕をとったが、だらんと垂れていて意識が無いのだとすぐに分かった。俺は弾かれたように修二に駆け寄る。真っ白な修二の顔色にヒヤリと冷たいものが背中を伝った。
直ぐに体育の先生が駆け寄って、克哉と一緒に担いで保健室へ移動し、俺もついて行って先にドアを開け、保健室へ駆け込んだ。
ベッドに寝かせても修二は気を失っていて、体育の先生はアヤちゃんにバトンタッチして直ぐに保健室を後にした、残してきた生徒のことがあるからだ。
間も無く授業終わりの鐘がなるからと、俺は付き添いを許されて、克哉は修二の着替えを取りに行ってくれている。
ベッドに横たわる修二の隣の椅子に座って、俺はジッと修二を見守った。
アヤちゃんが一通り修二を見終わって、大きなため息をつく。
忽那「…むつ君、やり過ぎです」
え?
呆れたような、少し厳しい声に驚いて思わず聞き返した。
アヤちゃんは珍しく顔をしかめて、修二の脇に座った。
忽那「男の体は、挿入されるように出に出来てません。だからするなら、負担はを配慮してあげないと…、体壊しちゃいますよ」
え?なんでアヤちゃんが知ってる?
修二が話した?
それとも…
忽那「聞いてますか?」
むつ「…聞いて…る」
忽那「…別に私は君たちの付き合いをどうの言ってるんじゃないですよ。恋愛は自由ですから。ただ、私は保険医ですから、体を大切にできないなら口を挟みますよ」
厳しくも優しい声。でも、俺の頭はグルグルしていた。
何で知ってる?
修二が話したのか?
あの秘密主義の修二が?
いくら保健室に通って仲がいいからって、アヤちゃんに?
どこからどこまで?
もしかして今までも色々相談してた?俺には悩みなんて話したことないのに?
幸い、修二のはただの寝不足の貧血だった。
意識もすぐに回復した。
だが、俺の方は悶々としてイライラしてズキズキと心が痛む。
この一週間うまく行ってたと思った。気持ちも体も満たされて、修二が一つくらいは気持ちを口にするようになってた。
でも、無理してたんだ。
修二が素直になってきてるって勘違いしてたんだ。
修二は、俺の言ったことに従う。
自分の望みは言わない。
今までどうりのはずなのに…気持ちが見たくて結局、修二が素直になったんじゃなくて俺の望みを叶えてたってことか…
…なんか…、なんだ?なんでこんな気を使って空回って…なんなんだ?
なんだか付き合う前より…居心地が悪い。
俺…、どうすりゃいいんだ?
キーンコーンカーンコーン
帰りのホームルームが終了して、バラバラと生徒が立ち上がると、谷崎が修二の隣に来た。
谷崎「修二、この後残れ、話がある」
修二「は~い」
修二が軽く返事したのに、谷崎は静かに教室を出る。
なんだ?谷崎のやつ妙に深刻だな…
体育会系のでかい声を潜め、修二を指導室に呼んでた。
修二「むつは先帰ってて、後で行くし」
むつ「でも…」
修二「平気、アヤちゃんに鉄分配合の飴もらってるから、部屋で華南と待ってて」
それは、話が長引くということだろう、でも、谷崎は内容を言ってないし、様子がいつもと違う。気になるに決まってる。
むつ「分かった」
俺は返事だけして、教室を出る修二と別ルートで指導室に向かう。華南には教室で待機するようにメールした。
二つある指導室。身をかがめ、ドアの上半分のガラスに姿が見えないように気をつけて、息を殺して耳をひそめる。
ボソボソ声が漏れてる部屋に近づき、ドアに耳を近づけた。
谷崎『…違う、無難な話しをしたいんじゃない、お前大丈夫なのか?』
修二『ただの寝不足ですよ…』
谷崎『校内の噂だよ』
修二『…』
谷崎『お前、まさかとは思うが柴田と…』
修二『…』
谷崎『うわ!マジか?!勘弁しろよ!!…奏一は知ってるのか?…んな訳ないか、知ってたらぜってー俺のとこに連絡してくるはず…』
修二『先生、ここ学校ですから、先生の顔でいて下さいよ』
谷崎『…いやいや、俺も先生である前に人間だ、命は惜しい…奏一に殺されたくはないからなぁ…、となるとお前…、事件のこと柴田に話したのか?』
事件?
修二『…言いません…。むつにだけは、死んでも言うつもりない。…先生、漏れるようなことがあれば、僕ちゃん舌かんじゃうかもよ』
は?なんで?俺だけ?
谷崎『…。』
修二『先生、大丈夫です。むつとは…今だけ、だから…』
今だけ?
谷崎『お前は…昔から…だろ?』
修二『りょうさん、今だけ…夢が見たい』
谷崎『…分かったよ、んな顔すんな、奏一に殺される…』
修二『兄貴のことはうまくやるから、心配しないで』
谷崎『…頼むから、自分を大事にしろよ』
修二『してますよ』
谷崎『はぁー…』
何?修二の奴まだなんか隠してる?
しかも俺にだけ、死んでも言わないってどういうことだよ!?
今だけとか、昔からとか、何のこと?後半なに言ってるかわかんねぇーし、アヤちゃんや谷崎に何話してやがんだ?
言いふらすなって言っといて、自分は影で色々言ってんのか、俺はこんなにお前とどう付き合ってこうか悩んでたのに、修二のやつ何なんだ!!
胸の中に広がってたものが、ジワリと痛んで、苛立ちに変わった。
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