アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
めんどくさい俺たち〜修二〜
-
むつは、谷崎先生との会話を聞いてたんだ。
ゾッと背筋が凍るような体感。
しかし頭はスッと冷静だ、大丈夫、僕は顔に出すようなヘマはしない。
さて、どうしたもんか。
修二「何のこと?」
とりあえず、とぼけてむつの反応を伺う。まぁ、むつならどう返すかわかってる。
むつ「とぼけんな!」
そうだね。
こういう場合、自分から話してはいけない、何故って?墓穴を掘るからだ。
誤魔化せるものも誤魔化せなくなる。
修二「…とぼけてないよ」
むつ「とぼけてんだろうが!今さっきの話だろう!聞いてたんだぞ!谷崎と話してるの!お前が事件のことを俺には死んでも言わないって言ってたろうが!」
うん、聞かれたくないとこドンピシャ。
しかしなんだね、むつは隠し事向かないし隠されるのも好きじゃないのは分かるけど、僕ちゃんはそのセリフの後、バレたら舌噛むかもって言ったのに、そこはお構いなしなんだね。気になったら聞いちゃう、言いたいことは言っちゃう正直者。
うん、むつらしい。
むつ「谷崎とアヤちゃんにいったい何話てるんだよ!俺は今だけとか、お前は昔からとか、意味不明なのも全部説明しろ!」
アヤちゃん?、アヤちゃんには何も言ってない。
うーん、事件の話の部分から後ろは全部聞かれてたと考えた方がいいね。まぁ、ほとんど断片的で言いたいことの触りしかお互い言わなかったから、たぶん誤魔化せる。
谷崎先生、学校であの話するからだよ、後で兄貴に先生の悪口言ってやる。
むつ「何とか言えよ!」
修二「…むつ…ここは学校の下駄箱。誰がくるかも分からないのに、その話は出来ないよ」
むつ「また、誤魔化しやがった!時間おいたらうやむやにするだろうが!」
修二「だって話したくないもの」
むつ「はぁあ!?」
修二「聞いてたんだろ?僕ちゃんは死んでも言いたくないって言ったの」
むつ「ふざけんな!」
むつが修二の胸ぐらを掴み、下駄箱に押し付けた。
むつはすぐキレる。だから楽だ。話っていうのは、先に冷静さを欠いた方の負けだ。
これは百目鬼さんに体で習った。
修二「むつのためなんだよ?」
むつ「はぁ?俺のため?俺のためなら全部話せ!」
世の中知らない方がいいこともある。
何か手頃な事実と嘘を混ぜて話せばむつは騙されてくれるだろう、そうだ、アヤちゃんに担がれた日の話に嘘を混ぜて…
むつの射るような瞳は怒りに満ちている。
僕は冷静な目でむつを見下ろし、胸ぐらの手をほどく。
修二「…話すにしても、ここじゃ話せないから、とにかくむつの家へ…」
そう言ってむつから離れようとしたら、肩を掴まれて体を後ろに引っ張られ振り向かされると、再び胸ぐらを掴まれむつが唇に噛み付いてきた。
え!?
無理やり舌が侵入してきて拒もうとしたが、身長がむつの方が小さいから、かがまされてバランスが悪く、むつの瞳がギラッと光って、胸ぐらにさらに力が入って口内が激しく犯される。
修二「んー!んー!」
抵抗しようにも、今日は貧血のせいで力が入らず、一週間ほぼ毎日愛された体は簡単に火が付いた。
ぎゃーー!!むつ君やめてー!!学校!ここ!学校の昇降口!!
ドキドキと心拍数が上がって息が苦しい、クラクラしてきて僕は膝から力が抜けて崩れ落ちた。
床に両手を着いて何とか息を整える。
修二「はぁー、はぁー、目眩がする」
むつ「えっ!ごごごめん!」
膝立ちからうずくまった僕を心配してむつがかがんで覗き込む。
むつ「…具合悪りーの忘れてた、横になる?アヤちゃん呼ぶ?」
むつの怒りがみるみる萎む、体育の時間を思い出したのかオロオロしだした。
ちょっとクラっとしただけだけど、ここは動けない振りした方が無難だ。
修二「横になれば平気…」
むつは僕ちゃんの鞄を僕の頭の下に引いて横にしてくれ、頭を撫でてくれた。
むつ「マジごめん、でも修二が悪いんだぜ、裏でコソコソしやがって、お前キスすると少し素直になるからそうしようと思っただけなのに」
修二「…家に帰ったら話すって言ったろ?」
むつ「嘘だ、お前ぜってー誤魔化そうとして、今話を考えてるだろう」
あら、意外に鋭い。
むつは不機嫌に口を尖らせて話すが、僕ちゃんの頭を撫でる手は優しい。
本当の事など話せない、話すはずがない。
仕方ない…
修二「むつ、耳貸して」
へ?っと目を丸めたむつが、なんでそう言われたのか考えながら僕ちゃんの口に耳を近づける。僕ちゃんは小声で話出した。
修二『実は、むつと華南と体育倉庫でヤった日、僕、立てなかったろ?アレ、2人が激しくて中が切れちゃってて、血が出てるのアヤちゃんに見つかったの、強姦されたと勘違いしたアヤちゃんが谷崎に話しちゃて、流血事件にされちゃって、誤解は解いたけど、2人に話すっていうから、恋人だからやめて欲しいって頼んだの』
むつ「…ッ…」
むつは凄くショックを受けたようだった、顔を引きつらせ、頭を撫でてた手が離れた。
むつ「…マジ?」
修二「…だからしばらくシなかったろ?」
むつ「…」
ごめんねむつ。
修二「ほら、聞かない方が良かったろ?むつが気にして触ってくれなくなると思ったから黙ってたのに」
むつ「え?」
修二「キス出来なくなったらやだもん」
むつが困った顔をした。凄く複雑に考えてるのか、言葉が出てこない。
とりあえず、今はこれで切り抜けよう。
むつ「…しゅう…じ…」
?「柴田さん!!」
突然、僕らの前に男子生徒が2人現れた。2人は汗をかいて緊迫した様子で、息も整えず話し出す。
男子「大変です!…雷太が!雷太が!連れて行かれて!!」
むつ「は?」
男子「3年に体育倉庫の方に!!」
むつ「チッ」
それを聞いたむつは舌打ちして立ち上がり、体育倉庫に向かって走り出す。
むつ「そこの二人、修二を保健室に連れてっとけ!!」
修二「むつ!!待って!!僕も!!」
むつ「バカ寝てろ!!」
遠のく足音、足の早いむつが外に出て行く、僕ちゃんも追いかけようと体を起こして立ち上がったら、目の前に、男子生徒2人が立ちはだかった。
こいつら…
2人はニヤニヤしていて、僕の後ろでペタペタ上履きの音が響いてきた、視線だけ後ろを見ると、僕ちゃんの後ろに1人男子生徒が現れた。
両脇を下駄箱に挟まれ、前に2人、後ろに1人。
完全に囲まれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
215 / 1004