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俺たちの秘密〜修二〜
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抱きしめられて感じていた温もりが残ってるのに、極度に寒い。
ベッドに寝ているはずなのに、もの凄い高いとこから放り出されて奈落の底へ落ちるみたいだ。
昼間なのに暗い…
季節は夏なのに…寒い。
入ったばかりの寝室は、まだクーラーが効いてなくて、蒸した熱さが残ってるのに…。
体の芯が氷みたいに冷えてて、指先に血が循環していかず、ピリピリ痺れて凍傷が広がっていく。
さっきまで目頭が熱くて、悲しいと思っていたのに、むつの温もりが無くなって消えたら、なんだか可笑しさが込み上がってきた。
可笑しい?可笑しいよね。たかが恋愛で死にそうに悲しくなったり、好きだと言われて舞い上がったり、世の中を生きるには恋愛だけじゃない、学生という狭い世界にいるからそんな考えになる?生きるために働いたり生きるために苦労したり、それを知らない学生だから…
分かってる…
予想していたのに…自分は汚い。
傷つく自分が可笑しい。
そのために、ずっとブレーキ踏んでたのに。
そのために、むつと華南がいつか離れると言い聞かせてきたのに。
彼らの好意にワザと耳を塞いだのに…
泣きそうになった自分が笑える。
泣こうとしたの?泣いてむつに訴えようとしたの?男なのに?僕は男なのに?
ダッサ〜。
2人を信じられないんじゃない…
2人を疑ってるんでもない
僕には2人の隣にいるには汚れてしまってる。それに…
本当の自分が怖い、僕ちゃん寂しがり屋だから…、きっと2人に甘える…
今までの軽い感じで隣にはいられない…
僕の場合は必死で重すぎる…。
離れていくむつに気にする必要ないと、キチンと説明しなきゃ。
修二「百目鬼さん僕の兄貴が好きだったんだ…。
(兄貴の名前を呼びながら、泣き叫ぶ僕の口を塞いで組み敷いて、無理矢理突っ込まれた。本当は、血が出て苦しくて、心の中で何百回もむつの名を叫んだ。『助けてむつ!助けてむつ!』、助けは来なくて…勝手に絶望して。猿轡が外れた時思わず、名前を呟いた。そしたら百目鬼はピタリと止まって、察したのか、複雑に顔を歪めて『お前も?…』といって僕を解放して手当てしてくれた。それが真実。でもむつには言わない。)
気持ちがわかったから、泣いて謝る百目鬼さんを憎めなかった。それからしばらくして、2人で会うようになって、
(百目鬼さんは本当に優しくしてくれた。最初は会ってても離れて座ってくれて、触らないように気を使ってくれて、『今日はむつくんとはどうだった?』ってむつの話をずっと聞いてくれて『好きになるのは自由だ』と教えてくれた)
慰め合わないかって言われて……お互い合意の上で想い人の代わりに寝た
(強引ではあったけど、それは本当)
百目鬼さんSM趣味で、セックスの時、相手を縛ったり虐めたりして…
(全部むつがしてると思って、むつとしてると思ったら、全部快感に変わった。そんなことむつには言えない)
半年百目鬼さんとそんな関係を続けた。そしたら『お前が好きだ』って言われた。僕は……むつを…忘れられなかったから終わりにしましょうって。そしたら百目鬼さん怒っちゃって。
僕が悪いんだ。彼を好きな人の代わりにしてたから。縛られて散々イかされて、気がついたら男たちに囲まれてて、…輪姦されて…。ごめんね…その時…凄くに混乱してて、むつの名前を呼んじゃったんだ…ごめん
(百目鬼さんをむつだと思って代わりにしてたから、百目鬼さんが怒って無理矢理セックスしてきても、気持ちいいだけで平気だった。でも、男たちに囲まれた時、本当に好きな人以外のものが体内に入ってくるんだと実感して、僕は馬鹿みたいに泣いた。絶叫して酸欠になるくらい叫んだ…でも…百目鬼さんは許してくれなくて、男のものが入って来た時、むつの名前を口にした…)
輪姦されたって言っても、別に血が出る程酷いことされたとかじゃ無いよ、百目鬼さんがシた後でガバガバだったし…媚薬とか飲まされて訳分かんなくなってて…
(痛くはなかった、けど、シラフだった)
その後は、何されても気持ちいいだけだったし
(絶叫して泣いた割に、突っ込まれて喘いだ。シラフなのに媚薬飲んだみたいに喘いでイかせてと…)
自分から股開いて強請った。百目鬼さんの言った通り、僕は淫乱なんだ。躾直すってプロの調教師呼ばれて、縛られて薬とかオモチャ使われて、時々傷がついたりしたけど、全部気持ちよかった。
(股開いて、強請って、僕は自分から)
毎日快楽に溺れてたんだ。一週間閉じ込められた。兄貴や谷崎に助け出されるまで…」
むつ「…じゃ…、学校に二週間来なかったのは…」
修二「一週間は拉致られて…、後は、跡や傷がいっぱい残ってたから…」
……。
むつが黙った。無理もない。
強姦してきた奴とセフレになって、セフレと揉めて、輪姦されて、淫乱ビッチだって自覚した…だからむつが心を痛める必要なんてない。
……。
むつはきっと怒る。
『強姦魔となに仲良くなってる!意味わかんねぇ!、もっと怒れよ!憎むとこだろ!俺がぶっ飛ばしてきてやる』とか言うだろう。
百目鬼さんのせいだけじゃない、僕も悪かったと言ったら、更に怒って喧嘩になるだろう…むつを怒らせて、怒られて喧嘩別れなら…その方が楽…
しかしむつが喋る気配は無い
僕から切り出すしかないと腹をくくり、喧嘩を吹っかけるつもりで口を開いて視線を向けた。
修二「……軽蔑した?…えっ!?」
視界に入ったむつを見てギョッとした。僕は慌てて起き上がる。
むつの足元に、雫がぼたぼた落ちる。
修二「むつ!?何で!?何でむつが泣いてるの!?」
むつが泣いてる!!
しかも大粒の涙が後から後から溢れてる!!
むつ「…ひでー…」
立ち尽くすむつが、掠れた声で言った言葉にズキリと心が痛んだ。
その言葉が、僕がむつに『軽蔑した?』と聞いたからなのか、過去の百目鬼とのことでかは分からないけど、むつがショックを受けてることだけは確かだ。
僕は、百目鬼との事実を、本当に死ぬまでむつには黙っていたかった…。
もちろん華南にも。きっと百目鬼さんと再会しなかったら、2人に話すことは絶対に、絶対になかった。
でも、もう誤魔化せない…あそこまでバラされて、取り乱し、あれは百目鬼のついた嘘だとは到底誤魔化せない。
オブラートに包んだつもりだけど…、むつは傷ついてしまった…
…こんなことになるなら、僕の気持ちなんて抹殺して、百目鬼の元にいればよかった…
修二「むつ…むつ、ごめん」
むつ「…なんでなんだ…」
修二「…」
むつ「…俺じゃ…もう…ダメなのか?…」
え?
修二「なに…が?」
むつ「…俺…が助けられなかったから…、俺じゃダメなのか?」
修二「え!?むつはダメじなないよ!助けられないとか違うから、薬で意識混濁で名前が出てきただけだから!何でそんな話になるの?ダメなのは僕でしょ?」
なんで?何でそんな答えになっちゃうの!?その答えだけは絶対に駄目だ!
むつ「俺の存在がお前にそう思わせるのか?」
は?存在?え!?
むつの瞳からぼたぼた流れる涙。僕を見る悔しそうな悲しそうな顔は、今まで見たことないほど切く、くしゃっと歪み、僕のマイナス思考が凍結した。
修二「違う!違うよむつ!」
え?何で何で?何でそんな!むつがマイナスな発言!?何で僕を怒らないの?怒ってよ!何でむつの方が悪いみたいになっちゃうの?
と思っていたら、やっぱりむつはむつで、切なそうにボロボロ泣いていたかと思ったら急にキッと睨み吠えた。
むつ「何が違うんだよ!違わねぇーだろーよ!俺はお前の心のどっか支えてるつもりでいたけど、お前にとって俺は恐怖の元なんだろ?」
ええーーーーッ!!!
何!?何の話し!?
僕が淫乱だったって話からどうしてそんな話になるの?むつが心を支えてる?もちろんだよ!むつは僕を支えてくれてた!親の離婚も!母親や兄貴がいない1人の夜も、家に呼んで一緒の布団に寝てくれて!僕がおかしくなった時は必ず気づいてギュッてしてくれて!ずっと!今でも心の支えだよ!ど真ん中、中心だよ!!
修二「え?何で?支えだよ!むつは僕の心の支えだよ。何でそんなことになっちゃうの?僕がダメなやつだって話であって、むつは何も悪くないよ」
むつ「じぁあなんで怯える!?」
うッ…!ぅえ!?
何で分かるの!?そこは百目鬼に迫られて震えてるって思ってもらえてると思ったのに。
駄目だ話しを元に戻さなきゃ!
修二「…むつ、僕、最初と最後以外は無理やりじゃなくて、百目鬼さんと同意の上でセックスしてたんだよ?好きな人じゃなくてもヤれちゃうやつなんだよ?」
むつ「今のお前は俺と華南が好きだから、他のやつとヤれたりしねぇーよ」
涙は相変わらず出ているのに、むつはキッパリ言いきる。僕は恥ずかしくてカッと体が熱くなる。
断・言…?むつは百目鬼さんの前でも『修二は俺にベタ惚れだ』って断言した。何でそんな自信満々なの!?僕ちゃんってそんなにダダ漏れなの!?恥ずかしい気持ちがくすぐる…けれど、むつは見ていたはずだ。
修二「…さっき見たろ?僕、百目鬼さん相手に感じてた、嫌だなんて口ばっかりで、ちょっと撫でられただけで勃たせて…、僕、好きものなんだ」
むつ「そんな言い方するんじゃねぇーよ!お前の心は勃ってねぇーよ!俺だってチンコこすられりゃあ勃つよ!」
!!…心!?何!?
さっきっからむつは何でそんな恥ずかしくてかっこいいことばかり言うの!?
何故僕の心が見えるみたいに言うの?何かちょっと当たってるし…あっ…、もしかして例のチャンネル?それが見えて?僕の嘘が分かるっていうの?
むつ「なんで俺に怯えるか聞いてんだ!どうしてごまかす!俺がそんなに怖いのか?酷い目に合って、俺に言えてれば、お前をあんな奴に引き渡したりしなかった、見せるのだってごめんだ!だけど、お前は言わなかった、怖かったんだろ!俺に言うのが。強姦魔と2人っきりになるより、俺に話す方が怖かったんだろ?」
修二「それは…」
ごめん!ごめん!そうじゃなくて…どうしよう!
むつから出てくる言葉は、半分予想道理で半分予想もしないことで…、なぜか僕の心を見透かしたていた。
むつ「俺が軽蔑すると思ってた?意味わかんねぇよ!俺はお前が好きなんだ!ちゃんと好きだって言った!」
ードックン
むつはいつも…こじ開ける
怒ってるくせに…熱烈に口説く
どんなに壁を繕っても破壊して
僕の心を捕まえる。
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