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俺たちを壊す媚薬14
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寝室に入り込んだ2人の人物に、修二は息が止まる衝撃を受けた。
暗がりでも、それが誰か分かってしまい。
月明かりしかない薄暗い部屋に、帽子を目深に被った2人の人影は、小柄な人物と長身の人物。
2人の登場に、百目鬼は驚きを隠せない。
玄関はオートロック。
さらに、ドアの前には、見張りが2人いたはずだった。
2人の人影は、暗がりに帽子を目深にかぶっていたが、百目鬼には声を発した方の人物の正体に、すぐに気がづいた。
百目鬼「外にいた2人はどうした…、むつ」
名前を呼ばれて、変装してる意味を無くし、むつは帽子を脱ぎ捨てた。
むつ「あいつらなら寝てるぜ、百目鬼さんよぉ」
薄暗い部屋でもわかるほど殺気立った瞳が、ギロリと百目鬼を睨みつける。
むつが暗がりの中、入り口付近の壁に手をペタペタ触ると、修二が震えて叫んだ。
修二「点けないで!!」
むつ「!」
修二「電気を…点けないで…」
声を震わせて懇願すると、むつが手を引っ込める。尋常じゃない修二の叫びに、入り口の2人は動くのをためらった。
月明かりが差し込むベッドの上に、2人が密着して座っていて、その横にもう1人いる。それくらいしか認識できない薄暗さなのに、修二は冷静さを失い、媚薬のせいで早いばかりの心音に思考が完全に停止して、絶望感に打ち砕かれていた。
見られた…。
他の人間を咥え込んだ最低な姿を、むつと華南に見られた…。
自分の精子で汚れた体を抱いて両腕に爪を食い込ませる。
修二がその場に震えながらうずくまると、両腕に立てた爪を、後ろから伸びてきたゴム手袋をした手に包まれた。
修二「!…。んッ」
泉に触れられて戸惑い、次の瞬間、泉のものが修二の中から出ていった。感触に身震いしていると、後ろから頭と背中にかけて何かがフワリと覆いかぶさってきてビクッと警戒し、恐る恐る見ると…、それは、布団だった。
修二「?」
裸を見えないようにしてくれた?……。
修二は布団に隠れるように包まる。
修二の隣でマキが、小声のため息交じりに呟いたのが聞こえた。
マキ「王子様は相変わらず空気読めないなぁ、タイミング最悪…」
しかし、静かな部屋では、以外と声は響き
むつ「なんだと!聞こえてんだよ!マキてめぇ!修二を返せ!!」
マキ「え〜俺ぇ〜?」
むつとマキの空気に、百目鬼は、眉をしかめて低い声を出した。
百目鬼「おまえら、グルか…」
苦々しく言った言葉に、マキは軽いトーンで返してくる。
マキ「んー、ちょっち違うかなぁ?」
百目鬼「ふざけんな」
マキ「俺さっきも言ったろ?今日は仕事が立て混んでるって、取り敢えずどっちの見方でもないなぁ」
あくまで高みの見物だというように笑うマキを、百目鬼もむつも睨みつけ、その殺気にマキはベロリと舌を出した。
むつ「修二帰るぞ」
むつは手に持っていた紙袋を見せ、服を持ってきたと教えてやりながら、ベッドでうずくまる修二に近づく。
百目鬼「俺のことは無視か…、意外だな、出会い頭に殴りかかってくると思ってたよ」
むつ「殴るさ。でも今1番大事なのは修二の安全だ」
百目鬼「勇ましいのはいいが、そう思ってるのはお前だけなんじゃないか?むつ。
華南君は、この部屋に入ろうともしないな、淫乱な修二と付き合ったのを後悔してるのか?」
百目鬼はあざ笑って、いまだ寝室の入り口に棒立ちの男に声をかける。
すると入り口にいた長身の男は、ゆっくりと部屋の中に足を踏み入れ、壁のスイッチに手をかけた。
ーパチン
と、音がして、部屋の電気が一斉に点灯し、誰もが眩しさに目を細める。
「初めまして百目鬼さん、私の名前は水森泉と申します。華南ではありませんよ」
百目鬼「は?」
修二「え?」
百目鬼と修二が同時に目を見開く。
寝室の入り口に立っていた長身の男が、帽子を取ると、そこには、見知らぬ男がいた。
黒髪に眼鏡、優等生タイプの凛とした空気を持った、華南とは全く違う人物。
『水森泉』と、先ほど聞いた覚えのある名前に、もう1人の、『水森泉』と名乗ってる人物に視線を向けた。
修二の後ろには、『水森泉』と名乗ってずっと一緒にいた人物、黒髪に眼鏡、長い前髪は目元を覆い、ガタイのいい『もう1人の水森泉』
明るい場所で見る彼は、何処かで見た顔だった。
百目鬼「なっ!?」
修二の目の前で、彼は長い前髪をかき上げ、ニヤリと笑い、修二を抱きかかえた。
華南「修二は返してもらうぜ」
修二の後ろにいたは、水森泉ではなく、前髪を下ろして、伊達眼鏡で変装した、橘華南だった。
修二「…………ぅ…え?………」
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